今日はなんの日?
そんな風に彼氏彼女持ちの奴らに問いかけられたら、皮肉にも程があると言って、俺は奴らを殴り飛ばすだろう。
「やって来ましたバレンタイン……!!」
俺はチョコ3桁貰えるし〜!等と見栄は張らない。だって無理だもん。
ましては今日は平日。学校の女子に関しては、義理ですら貰える気がしない。
「えっと、思い詰めた顔してどうしたんですか?海斗」
「お前には分からない話だよ……ちなみに透。現在午前10時の時点で、チョコは何個だ?」
「……8個、ですかね?クラスの人から」
「クラスの女子は17人。そのうち8人から……!?」
半分ほどは本命であろう。
それが他人からでも断言出来るほど、透の人気はえげつないものであった。
そして昼休みや放課後で、このチョコの数はまだ跳ね上がるのだろう。
「あ、鳴海からは貰ったか?」
「鳴海からはまだですけど、それがになにかあるんですか?」
「あんのヘタレ……」
鳴海は今日、1時間目の途中に堂々と登校した。
つまり、渡していても不思議じゃない。
「辻見君、ちょっと良い?」
「ん、大丈夫!なんだい委員長」
応答しても、要件はまだ言わずに、小さく手招きを彼女はした。
そんな彼女を不思議に思いながら、俺は透に会釈をしてから委員長に駆け寄った。
「どったの、委員長」
「ちょっと、教室の前じゃ言いにくいから、こっち来てくれない?」
「いいけど……本当何があったの」
どうしよう、「私、実は宇宙人なの!」とかだったら。いや、例えそうだとしても委員長を避けるだとかはしないけれども。
でも、教室の前じゃ言いにくいって。
目の前を歩く委員長の華奢な背中。
その体格に合わないほどに太く一つに編まれた三つ編み。
女子の結んでいる髪型って、俺は異常なまでに握りたくなってしまう。
「ひぎゃあ!?」
「わぁぁぁ!?ご、ごめん委員長!!ずっと三つ編み触りたかったんだって!!毛糸みたい!めっちゃ気持ちいいよこれ!!」
「それは褒めているのか分からないのだけれど、良い方だと捉えていいのね?」
冷静さを取り戻した委員長は、こほんと咳払いをしてから、「まぁ、良いわ」とその場を区切る。
「辻見君、今日はバレンタインだけど、チョコは貰えた?」
「……そりゃあもう、たんまりと」
「嘘ね。0個でしょ」
「男のプライドぶった斬らないでくれない!?」
しかも速攻でズバッと。
「そんな可哀想な辻見君に、はい。これあげる」
黒に近い茶色の箱。椿の花のような真っ赤なリボンで可愛らしく包まれたそれを、委員長は俺に向けて差し出していた。
「これは……まさか!」
「義理よ!?義理だからね!?」
「さすがに俺もそこまで自惚れてはいないから安心して!?そんな必死に義理連呼しないで!?」
義理チョコであると分かっていながらも、少し心にきてしまう。
「義理だとしても、ありがとな、委員長。めっっっちゃ嬉しい!!身内以外からなんて何年ぶりだろう……!!」
「そんなに貰ってなかったの!?」
「あれ、結構驚いてる。俺モテそうな感じしちゃう?今までの人生で本命チョコとか貰ってそう?」
「……ええ、そうね」
「……へ?」
ふざけて言ったつもりなのに、真面目に返されて困惑する。
「……授業始まるから、戻りましょうか?」
「えっ!?あ、ああ、そうだな!」
右手に持った箱を、もどかしい思いで持ち直し、教室へと俺は戻った。
学校でのチョコは委員長からの物のみ。
しかし、俺にはまだチャンスがある。
なぜなら……家にも可愛い女の子がいるからだ。
「ただいま〜」
「あ、おかえり海斗!学校お疲れ様!」
そう、きっと恋鈴ちゃんは俺にチョコを用意してくれているはずだ。
「恋鈴ちゃん、今日はバレンタインだけど」
「……ばれんたいん?」
「座敷童子ぃぃぃ!!そっか、知らないよねそうだよね!!」
「……えと、なんかごめんね?」
申し訳なさそうにしながら、「なんだコイツ」とでも言いたげな恋鈴ちゃん。
まぁ、義理でも1つ貰えただけでマシか。
そう思い、俺は鞄の中に入った箱を思い出していた。
そんな風に彼氏彼女持ちの奴らに問いかけられたら、皮肉にも程があると言って、俺は奴らを殴り飛ばすだろう。
「やって来ましたバレンタイン……!!」
俺はチョコ3桁貰えるし〜!等と見栄は張らない。だって無理だもん。
ましては今日は平日。学校の女子に関しては、義理ですら貰える気がしない。
「えっと、思い詰めた顔してどうしたんですか?海斗」
「お前には分からない話だよ……ちなみに透。現在午前10時の時点で、チョコは何個だ?」
「……8個、ですかね?クラスの人から」
「クラスの女子は17人。そのうち8人から……!?」
半分ほどは本命であろう。
それが他人からでも断言出来るほど、透の人気はえげつないものであった。
そして昼休みや放課後で、このチョコの数はまだ跳ね上がるのだろう。
「あ、鳴海からは貰ったか?」
「鳴海からはまだですけど、それがになにかあるんですか?」
「あんのヘタレ……」
鳴海は今日、1時間目の途中に堂々と登校した。
つまり、渡していても不思議じゃない。
「辻見君、ちょっと良い?」
「ん、大丈夫!なんだい委員長」
応答しても、要件はまだ言わずに、小さく手招きを彼女はした。
そんな彼女を不思議に思いながら、俺は透に会釈をしてから委員長に駆け寄った。
「どったの、委員長」
「ちょっと、教室の前じゃ言いにくいから、こっち来てくれない?」
「いいけど……本当何があったの」
どうしよう、「私、実は宇宙人なの!」とかだったら。いや、例えそうだとしても委員長を避けるだとかはしないけれども。
でも、教室の前じゃ言いにくいって。
目の前を歩く委員長の華奢な背中。
その体格に合わないほどに太く一つに編まれた三つ編み。
女子の結んでいる髪型って、俺は異常なまでに握りたくなってしまう。
「ひぎゃあ!?」
「わぁぁぁ!?ご、ごめん委員長!!ずっと三つ編み触りたかったんだって!!毛糸みたい!めっちゃ気持ちいいよこれ!!」
「それは褒めているのか分からないのだけれど、良い方だと捉えていいのね?」
冷静さを取り戻した委員長は、こほんと咳払いをしてから、「まぁ、良いわ」とその場を区切る。
「辻見君、今日はバレンタインだけど、チョコは貰えた?」
「……そりゃあもう、たんまりと」
「嘘ね。0個でしょ」
「男のプライドぶった斬らないでくれない!?」
しかも速攻でズバッと。
「そんな可哀想な辻見君に、はい。これあげる」
黒に近い茶色の箱。椿の花のような真っ赤なリボンで可愛らしく包まれたそれを、委員長は俺に向けて差し出していた。
「これは……まさか!」
「義理よ!?義理だからね!?」
「さすがに俺もそこまで自惚れてはいないから安心して!?そんな必死に義理連呼しないで!?」
義理チョコであると分かっていながらも、少し心にきてしまう。
「義理だとしても、ありがとな、委員長。めっっっちゃ嬉しい!!身内以外からなんて何年ぶりだろう……!!」
「そんなに貰ってなかったの!?」
「あれ、結構驚いてる。俺モテそうな感じしちゃう?今までの人生で本命チョコとか貰ってそう?」
「……ええ、そうね」
「……へ?」
ふざけて言ったつもりなのに、真面目に返されて困惑する。
「……授業始まるから、戻りましょうか?」
「えっ!?あ、ああ、そうだな!」
右手に持った箱を、もどかしい思いで持ち直し、教室へと俺は戻った。
学校でのチョコは委員長からの物のみ。
しかし、俺にはまだチャンスがある。
なぜなら……家にも可愛い女の子がいるからだ。
「ただいま〜」
「あ、おかえり海斗!学校お疲れ様!」
そう、きっと恋鈴ちゃんは俺にチョコを用意してくれているはずだ。
「恋鈴ちゃん、今日はバレンタインだけど」
「……ばれんたいん?」
「座敷童子ぃぃぃ!!そっか、知らないよねそうだよね!!」
「……えと、なんかごめんね?」
申し訳なさそうにしながら、「なんだコイツ」とでも言いたげな恋鈴ちゃん。
まぁ、義理でも1つ貰えただけでマシか。
そう思い、俺は鞄の中に入った箱を思い出していた。
