「……ト様、カイト様!」
「……んぇぁ?まだ俺はぁ、卵のお買い得パックの値段交渉を店長と終えてねぇ……あと5分」
「どういう理由なんですか……?謎にリアルですし。起きてください、朝ですよ!」
「うるっさいなぁ〜、俺はタダで卵が欲しいのぉぉぉぉぉ」
「卵なら沢山ありますから!起きてください!」
「卵ある ならば起きよう ホトトギス」
ホトトギスに特に深い意味はない。
今の文面からは、俺=ホトトギスといった図が完成しかねないが、全く関係ない。
「……というか、先程から俺の名前を様付け&敬語で敬う女の子、君は誰だ!?」
声のしていた方向に、バッと視線を向ける。
そこには、黒いとんがり帽子に黄色いリボン。
赤を基調とした、可愛らしいワンピースをまたまた黒いマントで覆い隠した、美少女がいた。
「……恋鈴ちゃんじゃん!え、どしたのどしたの?コスプレとかに目覚めちゃった系?」
「い、いきなり何ですか……グイグイ来ないでくださいよ、ほんの少し、気持ち悪いです」
妙に『ほんの少し』を強調する恋鈴ちゃん。
「ごめん、気持ち悪かったね……かなり」
「だ、大丈夫ですよ!!!!」
それにしても。俺は恋鈴ちゃんの服のチョイスに違和感……というよりも、不満を抱いていた。
まるで、魔女を連想させるような服装だった。可愛いけど。
俺的にはもっと、『ふわふわり〜ん♪』みたいなこと言っちゃうのを期待してた。この服も可愛いけど。可愛いけど!!!!
「それと……こすず、って誰のことですか?」
「頑なに設定守るんだね意外と。貴女様ですよ〜?」
「昨日説明したのに……もう、忘れたんですか?」
「え、昨日?なんかあったっけ……?」
とくに差し障りもない日だったはずだ。
なのに、彼女は瞳に涙を浮かべ、その華奢な身体を震わせていた。
どうしろと言うのだ、神様よ。
テキトーに名前言って、外れたら「やぁ、初めまして☆カイト様の双子の弟、アイト君だよ♪」とでも言って逃げよう。
「……ベル、だよな?」
「……もう、覚えてるなら焦らさないでくださいよね!」
「初めまして……って、合ってんの!?」
絶対間違っていると思っていた。
ベル(?)は不思議そうな顔で、俺を見つめる。
「ベルだけど……何か変?」
「いや、安直だなぁって」
鈴は英語でベル。という賭けに出たのがまさかの当たりくじだった。
「……で、ここは一体どこなんだい?ベル」
辺りを見渡しても、見覚えのあるない宿場のような背景は変わらない。
「貴方が3日ほど拠点としているラルクスの町ですけど……大丈夫ですか?カイト様、記憶力低下してません?」
「ベルは恋鈴ちゃんよりも毒舌だね!?」
それに、ラルクスとか。まだ夢の続き説が立ち上がってくる。
もし、夢でないのなら。残る可能性といえば……
「……あのさ、ベル。魔法とか、使えちゃったりする感じ?」
俺の質問に対し、ベルは呆れたように溜息をつく。
「……バカにしないでくださいよ。私の職業は魔法使い。魔法くらい、扱えます……!!」
「うぐぁ!?」
ベルの掌から、突如風が強く発せられた。
その拍子に、俺は風圧によって宿場の壁へと強く叩きつけられる。
身体全体が均等に、重く痛む感覚が、循環していた。
「今ので、7割方の威力です」
ふぅ、と一息つくベル。
「……もうちょっと手加減して欲しかった、かな?」
「風の魔法はあまり得意としてません。そこだけでも、かなりのハンデなんですよ?」
感謝してください、と誇らしげに胸を張るベル。
「まぁ、今ので分かったからいいや」
ここは、俺が普段いる世界ではない。
魔法やら魔獣やら精霊やら。ハラハラドキドキ盛りだくさん、そんなファンタジーな世界だ。
「でもって、俺は選ばれし勇者!幾度の試練を乗り越えてきたレジェンド!!といったとこでしょ」
「カイト様は確かに勇者ですが、正直言ってへっぽこです」
表情1つ変えずに告げるベルに、勇者カイトの心は、確かに傷ついた。
ーーto be continued
「……んぇぁ?まだ俺はぁ、卵のお買い得パックの値段交渉を店長と終えてねぇ……あと5分」
「どういう理由なんですか……?謎にリアルですし。起きてください、朝ですよ!」
「うるっさいなぁ〜、俺はタダで卵が欲しいのぉぉぉぉぉ」
「卵なら沢山ありますから!起きてください!」
「卵ある ならば起きよう ホトトギス」
ホトトギスに特に深い意味はない。
今の文面からは、俺=ホトトギスといった図が完成しかねないが、全く関係ない。
「……というか、先程から俺の名前を様付け&敬語で敬う女の子、君は誰だ!?」
声のしていた方向に、バッと視線を向ける。
そこには、黒いとんがり帽子に黄色いリボン。
赤を基調とした、可愛らしいワンピースをまたまた黒いマントで覆い隠した、美少女がいた。
「……恋鈴ちゃんじゃん!え、どしたのどしたの?コスプレとかに目覚めちゃった系?」
「い、いきなり何ですか……グイグイ来ないでくださいよ、ほんの少し、気持ち悪いです」
妙に『ほんの少し』を強調する恋鈴ちゃん。
「ごめん、気持ち悪かったね……かなり」
「だ、大丈夫ですよ!!!!」
それにしても。俺は恋鈴ちゃんの服のチョイスに違和感……というよりも、不満を抱いていた。
まるで、魔女を連想させるような服装だった。可愛いけど。
俺的にはもっと、『ふわふわり〜ん♪』みたいなこと言っちゃうのを期待してた。この服も可愛いけど。可愛いけど!!!!
「それと……こすず、って誰のことですか?」
「頑なに設定守るんだね意外と。貴女様ですよ〜?」
「昨日説明したのに……もう、忘れたんですか?」
「え、昨日?なんかあったっけ……?」
とくに差し障りもない日だったはずだ。
なのに、彼女は瞳に涙を浮かべ、その華奢な身体を震わせていた。
どうしろと言うのだ、神様よ。
テキトーに名前言って、外れたら「やぁ、初めまして☆カイト様の双子の弟、アイト君だよ♪」とでも言って逃げよう。
「……ベル、だよな?」
「……もう、覚えてるなら焦らさないでくださいよね!」
「初めまして……って、合ってんの!?」
絶対間違っていると思っていた。
ベル(?)は不思議そうな顔で、俺を見つめる。
「ベルだけど……何か変?」
「いや、安直だなぁって」
鈴は英語でベル。という賭けに出たのがまさかの当たりくじだった。
「……で、ここは一体どこなんだい?ベル」
辺りを見渡しても、見覚えのあるない宿場のような背景は変わらない。
「貴方が3日ほど拠点としているラルクスの町ですけど……大丈夫ですか?カイト様、記憶力低下してません?」
「ベルは恋鈴ちゃんよりも毒舌だね!?」
それに、ラルクスとか。まだ夢の続き説が立ち上がってくる。
もし、夢でないのなら。残る可能性といえば……
「……あのさ、ベル。魔法とか、使えちゃったりする感じ?」
俺の質問に対し、ベルは呆れたように溜息をつく。
「……バカにしないでくださいよ。私の職業は魔法使い。魔法くらい、扱えます……!!」
「うぐぁ!?」
ベルの掌から、突如風が強く発せられた。
その拍子に、俺は風圧によって宿場の壁へと強く叩きつけられる。
身体全体が均等に、重く痛む感覚が、循環していた。
「今ので、7割方の威力です」
ふぅ、と一息つくベル。
「……もうちょっと手加減して欲しかった、かな?」
「風の魔法はあまり得意としてません。そこだけでも、かなりのハンデなんですよ?」
感謝してください、と誇らしげに胸を張るベル。
「まぁ、今ので分かったからいいや」
ここは、俺が普段いる世界ではない。
魔法やら魔獣やら精霊やら。ハラハラドキドキ盛りだくさん、そんなファンタジーな世界だ。
「でもって、俺は選ばれし勇者!幾度の試練を乗り越えてきたレジェンド!!といったとこでしょ」
「カイト様は確かに勇者ですが、正直言ってへっぽこです」
表情1つ変えずに告げるベルに、勇者カイトの心は、確かに傷ついた。
ーーto be continued
