装備(プラスチック製の剣)を手に入れ、俺達は次の街へと向かおうとしていた。
「にしても……パーティが2人だけってのはどうなの、ベルさん」
「そんな風に思われるのなら、少しは人脈を広げてはどうなんです?」
「うっ、痛いとこ突くねぇ……」
いたた、と軽く脇腹を擦る。1ミリたりとも物応じしないベルの態度から見て、俺はどれほどまでに下に見られているのかが想像出来た。
自分の扱いに心を傷めていると、商店街の路地裏から、弱々しい声が聞こえた。
「うわぁぁ、返してっ、返してくださいよぉぉ!」
「そんなに返して欲しいんなら、ちょっとは張り合おうとかいう気を見せて貰いてぇけどな!!」
「わお、これぞまさに修羅場」
「何抜けた事言ってるんですか!助けますよ、カイト様!!」
勇者よりも正義感の強いベルは、軽い身のこなしで言い争いを起こしていた2人の間に滑り込んだ。
「返してあげたらどうです?お兄さん」
「あ?部外者が口挟んでんじゃねぇよ!!つーか、コイツが俺にぶつかって来やがったんだ。交換条件でチャラにしようっつー魂胆なんだけどよぉ?」
ガタイのいい長身をベルの目線に合わす。口も態度も悪い男に、ベルは怖気づいた様子もなく告げた。
「交換条件ですか。なら、仕方ありませんね。首を突っ込んで申し訳ございませんでした」
「ちょおおおおおっと待ったぁぁぁ!!!!」
「なんですかカイト様。主役は遅れてやって来るとか言い出したらぶっ飛ばします」
「ベルの場合冗談でなく本当に出来ちゃうからやめよう!?……てか、なんでさっきのやり取りで納得しちゃってる訳!?全然仕方なくなんてないんですけど!?」
大人しく見ているのも限界だった。これでは物を盗られた少年が不憫過ぎる。
「じゃあ、どの辺が気に入らねぇっつーんだよ、お前さんは よぉ!?」
「全てだよ!!てか、ぶつかったことと物じゃ不釣り合いにも程があんだろ!!」
「分かりませんよ?盗られた物が腐ったりんごの皮なら、妥当かもしれませんし」
「どういうシチュエーションなの!?腐ったりんごの皮を持ってるって!!そして要らねぇし!!」
俺の意見を聞いて、ベルは「では」と完全に空気と化してしまった少年に尋ねる。
「貴方が盗られた物は、一体なんですか?」
「えと……弓矢だけど」
「ならば、不釣り合いですね……それなら!!」
ぴっ、とベルが男に人差し指を向ける。すると、彼女の指から透明の渦を巻いた液体が現れだした。
それが、水系統の魔法であると理解するのには、さほど時間はかからなかった。
ベルがふぅ、と息を軽く吹いた。その途端、渦巻いていた水が男に向かって一直線に進んだ。
絶大な威力を持った水鉄砲、という表現が相応しいのだろうか。男は数メートル吹き飛び、そのまま気絶してしまった。
「ほっ」
ベルが指を鳴らすと、次の瞬間、少年の手元に弓矢が握られていた。
「うわぁ!?な、なんで!?」
「これくらいの距離なら、物も取れちゃうんです!……貴方は、弓使いなんですか?」
「うん!!さっきの様子を見て、君は魔法使いなんだね!で、そこの彼は……」
「俺は勇者だ!!」
現実で言っていたら、かなりイタイ奴扱いされてしまうだろう。
にしても、誰かに似ているような……?
「勇者様だったの!?うわぁぁ、お忙しいところをすみません!!僕、カプチーノって言います!!あの、良かったら仲間に……」
「もか先輩かぁぁぁぁ」
「うわぁぁ!?」
俺達の叫び声は、路地裏に響き渡った。
「にしても……パーティが2人だけってのはどうなの、ベルさん」
「そんな風に思われるのなら、少しは人脈を広げてはどうなんです?」
「うっ、痛いとこ突くねぇ……」
いたた、と軽く脇腹を擦る。1ミリたりとも物応じしないベルの態度から見て、俺はどれほどまでに下に見られているのかが想像出来た。
自分の扱いに心を傷めていると、商店街の路地裏から、弱々しい声が聞こえた。
「うわぁぁ、返してっ、返してくださいよぉぉ!」
「そんなに返して欲しいんなら、ちょっとは張り合おうとかいう気を見せて貰いてぇけどな!!」
「わお、これぞまさに修羅場」
「何抜けた事言ってるんですか!助けますよ、カイト様!!」
勇者よりも正義感の強いベルは、軽い身のこなしで言い争いを起こしていた2人の間に滑り込んだ。
「返してあげたらどうです?お兄さん」
「あ?部外者が口挟んでんじゃねぇよ!!つーか、コイツが俺にぶつかって来やがったんだ。交換条件でチャラにしようっつー魂胆なんだけどよぉ?」
ガタイのいい長身をベルの目線に合わす。口も態度も悪い男に、ベルは怖気づいた様子もなく告げた。
「交換条件ですか。なら、仕方ありませんね。首を突っ込んで申し訳ございませんでした」
「ちょおおおおおっと待ったぁぁぁ!!!!」
「なんですかカイト様。主役は遅れてやって来るとか言い出したらぶっ飛ばします」
「ベルの場合冗談でなく本当に出来ちゃうからやめよう!?……てか、なんでさっきのやり取りで納得しちゃってる訳!?全然仕方なくなんてないんですけど!?」
大人しく見ているのも限界だった。これでは物を盗られた少年が不憫過ぎる。
「じゃあ、どの辺が気に入らねぇっつーんだよ、お前さんは よぉ!?」
「全てだよ!!てか、ぶつかったことと物じゃ不釣り合いにも程があんだろ!!」
「分かりませんよ?盗られた物が腐ったりんごの皮なら、妥当かもしれませんし」
「どういうシチュエーションなの!?腐ったりんごの皮を持ってるって!!そして要らねぇし!!」
俺の意見を聞いて、ベルは「では」と完全に空気と化してしまった少年に尋ねる。
「貴方が盗られた物は、一体なんですか?」
「えと……弓矢だけど」
「ならば、不釣り合いですね……それなら!!」
ぴっ、とベルが男に人差し指を向ける。すると、彼女の指から透明の渦を巻いた液体が現れだした。
それが、水系統の魔法であると理解するのには、さほど時間はかからなかった。
ベルがふぅ、と息を軽く吹いた。その途端、渦巻いていた水が男に向かって一直線に進んだ。
絶大な威力を持った水鉄砲、という表現が相応しいのだろうか。男は数メートル吹き飛び、そのまま気絶してしまった。
「ほっ」
ベルが指を鳴らすと、次の瞬間、少年の手元に弓矢が握られていた。
「うわぁ!?な、なんで!?」
「これくらいの距離なら、物も取れちゃうんです!……貴方は、弓使いなんですか?」
「うん!!さっきの様子を見て、君は魔法使いなんだね!で、そこの彼は……」
「俺は勇者だ!!」
現実で言っていたら、かなりイタイ奴扱いされてしまうだろう。
にしても、誰かに似ているような……?
「勇者様だったの!?うわぁぁ、お忙しいところをすみません!!僕、カプチーノって言います!!あの、良かったら仲間に……」
「もか先輩かぁぁぁぁ」
「うわぁぁ!?」
俺達の叫び声は、路地裏に響き渡った。
