私の隣の席の一条くんは、完璧という言葉がまさに似合う完璧超人だ。
成績優秀、文武両道、容姿端麗と三拍子揃った天才で、もちろん女子の人気も高い。
実際、学校の約九割の女子生徒が、彼のことを好きになった経験がある。
だが、モテると言っても日持ちはしない。
何故か。
そう。彼は、性格がちょっとアレなのである。
これは、バレンタインデーに起こった出来事である。
────────────────────────────────
バレンタインデー。それはリア充、または恋する乙女や期待を積もらせる初心な男子との恋の日である。なので、2月14日、この日は街中がチョコレートの宣伝などで、赤や茶色一色に染まる。そのままリア充も赤に染まればいいのに・・・・・・。
まあ非リアの私にとってはそんなものどうでも良いただの平日で、ちょっと女子や男子がきゃあきゃあ騒ごうと、全く持ってどうでもいいのである。
それは、一条くんも同じのこと・・・・・・ではない。
彼はやはり学校中の女子生徒からチョコレートを貰うハメとなる。普通の男子からすれば羨ましいの一言に尽きるが、彼からすれば面倒臭いの一言に尽きる。
まあその感情を読み取れない女子たちが、今日ばかりはと、目をギラギラさせていた。
────さて。彼の登校だ。そして、戦争の幕開けだ。
「・・・・・・」
一条くんは登校するなり、パンパンになりもう閉めきれていない靴箱を訝しげに見つめていた。女子は女子で靴箱の影から押すなよ押すなよ状態になりながら、その光景を見つめている。
と、そんな時、やっと一条くんが靴箱に手をかけた。
しかし、彼の格好がかなりおかしかった。なんと、軍手にマスクを装着していたのだ。
爆発物でも入っているとお思いなのだろうか。
バンッ!
────一条くんが、今、靴箱を開けた・・・!!(←驚く事ではない)
ドサドサドサッ・・・・・・。数え切れない程の量のチョコレートの包が、溢れかえっている。
普通の男子生徒なら、ヒャッホーヒャッホー!モテ期到来!等と叫ぶだろうが、彼の場合は違った。
殺意の篭った、凍るような冷徹の眼差し。
そんな目で、足元に溢れかえるチョコレートを睨んでいたのだ。
これには打たれ強い女子でも、さすがに傷つく。
何故、どうして!?なぜ彼はそんなにチョコレートを睨んでいるのか!
そんな時、一条くんが声を漏らした。
「・・・・・・なんで食べ物を、人が履いている靴が入った、汚い靴箱の中に入れるんだ?」
この瞬間、彼はチョコレートを期待している全国の男子に、そして、こういうネタで稼いでいる少女漫画家を愚弄した。
苦虫を百匹ほど噛み潰したような顔をしながら、彼は、今ちょうど登校してきた冴えない男子生徒、新藤くんにこう言った。
「・・・えっと・・・・・大西くん?これ、全部あげるよ・・・。こんなの、僕の靴と共に狭い個室に入っていた、汚物と同類のようなものだから・・・」
だから一文字もあっていない。いやそれよりも、女子が一晩かけて作ったものを、彼は汚物と同類などと述べたのだ。これにはさすがの女子も・・・・・・。
「い、一条くんカッコイイ・・・・・・!新藤なんかに、チョコレート分けてあげるなんて!」
「カッコイイよぉ。まさに神の産物だよぉ。ぐすっ・・・」
「お、汚物だって・・・・・・ハァハァ♥」
いやいやいやいや。そして、なんだ最後のやつ。お前やばいだろ。
どうやら、恋する乙女には私には見えない恋のフィルターがかかっているらしい。乙女ビジョンには、私はついていけない。
────こうして、戦争は一条くんの侮蔑の一言で幕を下ろした。
それと同時に、一条くんにチョコレートを渡した者は男女問わず殲滅、という恐ろしい暗黙の了解ができた。
一条くんは悪い人ではない。
ただ、こういう人なのである。
成績優秀、文武両道、容姿端麗と三拍子揃った天才で、もちろん女子の人気も高い。
実際、学校の約九割の女子生徒が、彼のことを好きになった経験がある。
だが、モテると言っても日持ちはしない。
何故か。
そう。彼は、性格がちょっとアレなのである。
これは、バレンタインデーに起こった出来事である。
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バレンタインデー。それはリア充、または恋する乙女や期待を積もらせる初心な男子との恋の日である。なので、2月14日、この日は街中がチョコレートの宣伝などで、赤や茶色一色に染まる。そのままリア充も赤に染まればいいのに・・・・・・。
まあ非リアの私にとってはそんなものどうでも良いただの平日で、ちょっと女子や男子がきゃあきゃあ騒ごうと、全く持ってどうでもいいのである。
それは、一条くんも同じのこと・・・・・・ではない。
彼はやはり学校中の女子生徒からチョコレートを貰うハメとなる。普通の男子からすれば羨ましいの一言に尽きるが、彼からすれば面倒臭いの一言に尽きる。
まあその感情を読み取れない女子たちが、今日ばかりはと、目をギラギラさせていた。
────さて。彼の登校だ。そして、戦争の幕開けだ。
「・・・・・・」
一条くんは登校するなり、パンパンになりもう閉めきれていない靴箱を訝しげに見つめていた。女子は女子で靴箱の影から押すなよ押すなよ状態になりながら、その光景を見つめている。
と、そんな時、やっと一条くんが靴箱に手をかけた。
しかし、彼の格好がかなりおかしかった。なんと、軍手にマスクを装着していたのだ。
爆発物でも入っているとお思いなのだろうか。
バンッ!
────一条くんが、今、靴箱を開けた・・・!!(←驚く事ではない)
ドサドサドサッ・・・・・・。数え切れない程の量のチョコレートの包が、溢れかえっている。
普通の男子生徒なら、ヒャッホーヒャッホー!モテ期到来!等と叫ぶだろうが、彼の場合は違った。
殺意の篭った、凍るような冷徹の眼差し。
そんな目で、足元に溢れかえるチョコレートを睨んでいたのだ。
これには打たれ強い女子でも、さすがに傷つく。
何故、どうして!?なぜ彼はそんなにチョコレートを睨んでいるのか!
そんな時、一条くんが声を漏らした。
「・・・・・・なんで食べ物を、人が履いている靴が入った、汚い靴箱の中に入れるんだ?」
この瞬間、彼はチョコレートを期待している全国の男子に、そして、こういうネタで稼いでいる少女漫画家を愚弄した。
苦虫を百匹ほど噛み潰したような顔をしながら、彼は、今ちょうど登校してきた冴えない男子生徒、新藤くんにこう言った。
「・・・えっと・・・・・大西くん?これ、全部あげるよ・・・。こんなの、僕の靴と共に狭い個室に入っていた、汚物と同類のようなものだから・・・」
だから一文字もあっていない。いやそれよりも、女子が一晩かけて作ったものを、彼は汚物と同類などと述べたのだ。これにはさすがの女子も・・・・・・。
「い、一条くんカッコイイ・・・・・・!新藤なんかに、チョコレート分けてあげるなんて!」
「カッコイイよぉ。まさに神の産物だよぉ。ぐすっ・・・」
「お、汚物だって・・・・・・ハァハァ♥」
いやいやいやいや。そして、なんだ最後のやつ。お前やばいだろ。
どうやら、恋する乙女には私には見えない恋のフィルターがかかっているらしい。乙女ビジョンには、私はついていけない。
────こうして、戦争は一条くんの侮蔑の一言で幕を下ろした。
それと同時に、一条くんにチョコレートを渡した者は男女問わず殲滅、という恐ろしい暗黙の了解ができた。
一条くんは悪い人ではない。
ただ、こういう人なのである。
