◇◆桐視点◆◇
「桐!動かないでくださいよぉ!」
「うー、だってすんごいしみるんだよ!」
今は、怪我の消毒中。この消毒、超しみる。さっき消毒を付けられた場所が、ヒリヒリする。
「もうっ!暴れないでください!12歳でしょっ!ちっちゃい子じゃないんだから、これくらい我慢してくださっ…ひゃあ!?」
文の持っていた消毒液の瓶が、中を舞う。もちろん犯人は俺だ。
『バッシャァ』
中身は全て、ぶちまけられた。………半分くらい文にかかって。
「ぁ、ぁぁあぁ!?目、目がぁ、痛い、ですぅっ!?か、からだがぁ、ひりひりしますぅっ!」
……思ったよりも大事になっていたらしい。
「見せてみろ。」
文の目は、赤い。それはいつもと変わらないのだが、いつもは白い部分まで赤い。うん、痛そう。まぁ、ここは安心させる為(?)に嘘をつくしかない。
「大丈夫だ。問題ない。」
「絶対問題ありますよね!?伊達に貴方と7年間一諸にいる訳じゃないんですよっ!」
7年……今まで生きた年月の半分以上だなぁ。
「大丈夫だ。ほとんど問題ない。」
「今、ほとんどって言いましたよね!?問題、あるじゃないですか!?……………はぁ、もういいです。うぅ、まだひりひりします…私、着賛えてきますから、ここにいてくださいね。」
「分かった。」
◆◇文視点◇◆
桐の、嘘つき…目、まっ赤ですよぉ…………
「うぅっ、ひぐっ、ぇぐっ…ぐすっ……………桐の、バカ……」
私しかいない静かな部屋に、私の声が反響する。…………初めて、バカって言いました……………
「……はやく、戻らないと……………」
着賛えて、何故出たのかも分からない涙を拭う。そして私は歩き出した。
◇◆桐視点◆◇
文が戻ってきた。どうやら、嘘をついたのがバレたみたいだ。
「文?どうした?」
「どうもしてません。ただ、ちょっと………」
『ぎゅっ』
俺は文の頭を撫でる。
「ごめんな。俺、嘘ついた。」
「……………桐の、嘘つき…」
そんなこと言いながらも、文はしがみついてくる。
「………桐の……ばかぁっ!……………ひぐっ…えぐっ…………」
「ほらほら、12歳なんだから、泣くなよ。」
「うぅっ、いや、です…」
「はぁ、しょうがないな……」
悪いのは、どこから見ても俺に見えるし…………
結局、1時間程して文は眠ってしまった。部屋まで運ぶ時の文の寝顔が可愛かったのは、いつものことだ。
そういえば、文が寝言で「桐のばか」と言っていたけど、それも可愛いく聞こえる。恋は盲目と言うけど、本当だったみたいだ。馬鹿と言われて嬉しかったんだから。
*数日後*
「よし!文!幽香と友達になるぞー!」
「あら、それならもう、友達よ?」
はぁ、慣れてしまった自分が怖い。
「幽香さん、友達…ですか?」
「ええ。一度拳で語り合えば、それはもう友達よ!」
そういう考え方も…アリかな。
「それじゃ、俺達はもう友達かぁ。やったー!妖怪の山に行っても、遊びにくるから!」
「ふふふ、私も一年中ここにいる訳じゃないけど、夏なら絶対にここにいるわ。」
「ここの向日葵、綺麗ですからね!夏になったら、また来たいです!」
「ありがとう。でも、まだ出てくまで1ヵ月はあるでしょう!」
そうだった!まあ、それまで楽しくすごそう!
*1ヵ月後*
「それじゃ、幽香、また今度。」
「ええ、また今度。」
「幽香さん、さようなら!」
「さようなら。文。」
よしっ!目指すは妖怪の山だ!
「桐。妖怪の山………着いたらどこに行くんですか?」
「まずは、文も知ってるアノ人に会う。きっと妖怪の山にいるはずだ。」
「? その次は?」
「天狗のトップ、天魔に会う。」
「…………色んな人に会うんですね………確か、その後は、寺子屋というところに入るんですよね。」
「あぁ。そうだ。その為には、試験があるんだが………まあ、なんとかなるだろ。」
「そうなんですか?まあ、大丈夫でしょうけど。」
「文は天才だしなぁ。まあ、まずは妖怪の山へ行こう!」
「はいっ!」
俺と文は、大空を翔る。しばらくして、雲の隙間から、山が見えてきた。
「桐、あれが……」
「妖怪の山だ……」
俺と文は、地面に降り立つ。そして、少しすると案内役の白狼天狗が出て来た。
「妖怪の山へようこそ。紅葉山様。それとそちらは…射命丸様ですね。」
「はい。そうです。すいませんが、天魔様に会う前に、あのお方にお会いさせてください。」
「畏まりました。ご案内させて頂きます。」
「…………………桐?話について行けていないの、私だけ、ですね……」
きっと文もあのお方に会いたいはずだ。先々代天魔の奥方、『射命丸 沙羅(しゃめいまる さら)』様に。
「着きました。しばしお待ちください。」
そう言い、客間に通された。
「あの、桐……えっと…………その………………」
「? どうかしたか?」
「桐…………………教えて、くれますか?何で、何で…………「文ちゃん………それと、桐様……」……えっ……お母、様?」
「文ちゃん!よかった………………それにしても、綺麗になったわねぇ。」
確かに、文は成長して、日本人形が西洋人形になったみたいな感じだからなぁ。
「//// お母様……恥ずかしいですよ…………」
「ふふふ、だって嬉しいんですもの。フフフフフッ。………あら、まあ。フフッ。2人にいい事を教えてあげる。」
いい事?
「? いい事って何ですか?沙羅様。」
「あら、やっぱり知らなかったみたいね。桐様はお父上から聞いているかと思っていましたけれど、ご存知ありませんのね。フフッ。私の能力は、『関係と思いを観る程度の能力』ですわ。能力を使って2人のことを観ましたわ。2人の想いは………『相思相愛』、関係は……『恋人まで行かない幼馴染み』と観ました。」
「///////// お、お母様っ!」
「フフフッ、本番はこれからよぉ♪文ちゃん。さて、そんな2人にいい事を教えてあげますわぁ♪良かったわね!フフフフフッ♪」
「///////// いいことって、何なんですか?沙羅様。」
「ウフフフフフフフフフフッ♪いい事、それは…………………………2人は許嫁ということですわぁ♪」
? 許嫁………許嫁?いいなずけ………………って確かぁ!?
「「ふぇっ…………………いい、なず、けえぇぇえぇ!?」」
「//// お、お母様!?そ、それって、ご冗談じゃない、ですかっ!?」
「冗談じゃないわよぉ♪だって、楓様とお約束致しましたもの♪」
冗談じゃないっ!?しかも父上様と約束したって!?
「//// ち、父上様とですかぁ!?は、初耳、ですっ!」
「と、いうことで、桐様。文ちゃんをよろしくお願い致しますわぁ♪…あっ、そうそう、桐様、いくらでも文ちゃんを襲ってあげてくださいな♪…はやく孫の顔が見たいわねぇ♪」
ボフッ というような音が似合う程、俺と文の顔は急激に赤くなった。
「//////////////////////////お、お母様っ!?はぅっ………」
文は気絶してしまった。
「///////////////////////////さ、沙羅様ぁっ!?あ、あの、そのですねぇっ!俺達、12歳ですからっ!」
そ、そうだ。まだ12歳なんだ!幽香が言ってたじゃないかっ!100歳でも子どもって!!!
「うふふっ♪まあ、2人は許嫁って事、ちゃんと覚えておいてくださいねっ♪………あぁ、許嫁の意味って、婚約者と同じですわよ♪」
その言葉のダメージは計り知れなく…………
「/////うぅ……いい、なず、け………こん、やく、しゃぁっ…………………」
「つまり、将来、貴方達は結婚するってことですわぁ♪今から楽しみねぇ、結婚式♪えっと~○○様と、●●様と~…………」
こう言う時はぁっ!にっげるんだよーんっ!
「し、失礼しましたぁっ!」
俺は文をつれて逃げた。無論、お姫様だっこだ。
「あら、まあ、もう行っちゃうのねぇ。まぁ、文ちゃんに会えたし、良かったわ♪」
「はぁ、はぁ、ふぅ…………うぅ、沙羅様、お茶目すぎる…………」
「やっと見つけましたっ!桐様、お父上様がお呼びです。ご案内します。」
はぁ、あの父上様が……
「分かりました…」
*楓の宮*
「父上様。ただいま戻りました。」
「あぁ、桐か。ご苦労だった。………その子は?」
「……文です。射命丸文。沙羅様からとある情報をお聞きしたのですが……」
「あぁ!なるほど、うん。まだお前に話していない事があった。」
「はぁ、沙羅様からお聞きしました。まったく、文だから良かったものの…………」
「ん?あぁ、ハハハハハ!桐もそんな年頃なのだなぁ………」
「んん………きり?…………………ひゃぁ!?か、か、楓、様!?」
天狗の中では、俺の父は、すごい人らしい。
「あぁ、そう言えば、文って家に来たことなかったから、父上様に会ったことなかったな。」
「えっ、桐のお父様って、楓様なんですか!?は、初めて知りましたぁ…………」
「………文ちゃん、だったね。うん、こんな可愛い子、桐にはもったいないくらいだ。」
「きょ、恐縮ですぅっ!!!」
「文………そんなに緊張する必要ないぞ。」
「はうぅぅ………だって…………」
だっても何もない。
『ぎゅう…』
「大丈夫だから。」
「/// はい…」
「そうそう。緊張なんて、しなくていいからね。」
「あうぅ…ごめんなさい…」
「はぁ…文。謝らなくていいから。ところで父上様。何故、沙羅様と約束を?」
「うん、用事があって、沙羅様の屋敷に行った時に成り行きで。」
「「な、成り行き!?」」
「成り行き、ですかぁ!?それは、その、ですねぇ……」
「はぁ、成り行き…父上様らしい……………俺達は天魔に会いに行くから。」
「あぁ。分かった。それじゃ。……そうそう、桐、文ちゃんを大事にしろよ。」
「//// 分かってる!ってか、俺、12歳だしっ!」
そんなこんなで俺達の、妖怪の山での暮らしが始まろうとしていたのだった。
「桐!動かないでくださいよぉ!」
「うー、だってすんごいしみるんだよ!」
今は、怪我の消毒中。この消毒、超しみる。さっき消毒を付けられた場所が、ヒリヒリする。
「もうっ!暴れないでください!12歳でしょっ!ちっちゃい子じゃないんだから、これくらい我慢してくださっ…ひゃあ!?」
文の持っていた消毒液の瓶が、中を舞う。もちろん犯人は俺だ。
『バッシャァ』
中身は全て、ぶちまけられた。………半分くらい文にかかって。
「ぁ、ぁぁあぁ!?目、目がぁ、痛い、ですぅっ!?か、からだがぁ、ひりひりしますぅっ!」
……思ったよりも大事になっていたらしい。
「見せてみろ。」
文の目は、赤い。それはいつもと変わらないのだが、いつもは白い部分まで赤い。うん、痛そう。まぁ、ここは安心させる為(?)に嘘をつくしかない。
「大丈夫だ。問題ない。」
「絶対問題ありますよね!?伊達に貴方と7年間一諸にいる訳じゃないんですよっ!」
7年……今まで生きた年月の半分以上だなぁ。
「大丈夫だ。ほとんど問題ない。」
「今、ほとんどって言いましたよね!?問題、あるじゃないですか!?……………はぁ、もういいです。うぅ、まだひりひりします…私、着賛えてきますから、ここにいてくださいね。」
「分かった。」
◆◇文視点◇◆
桐の、嘘つき…目、まっ赤ですよぉ…………
「うぅっ、ひぐっ、ぇぐっ…ぐすっ……………桐の、バカ……」
私しかいない静かな部屋に、私の声が反響する。…………初めて、バカって言いました……………
「……はやく、戻らないと……………」
着賛えて、何故出たのかも分からない涙を拭う。そして私は歩き出した。
◇◆桐視点◆◇
文が戻ってきた。どうやら、嘘をついたのがバレたみたいだ。
「文?どうした?」
「どうもしてません。ただ、ちょっと………」
『ぎゅっ』
俺は文の頭を撫でる。
「ごめんな。俺、嘘ついた。」
「……………桐の、嘘つき…」
そんなこと言いながらも、文はしがみついてくる。
「………桐の……ばかぁっ!……………ひぐっ…えぐっ…………」
「ほらほら、12歳なんだから、泣くなよ。」
「うぅっ、いや、です…」
「はぁ、しょうがないな……」
悪いのは、どこから見ても俺に見えるし…………
結局、1時間程して文は眠ってしまった。部屋まで運ぶ時の文の寝顔が可愛かったのは、いつものことだ。
そういえば、文が寝言で「桐のばか」と言っていたけど、それも可愛いく聞こえる。恋は盲目と言うけど、本当だったみたいだ。馬鹿と言われて嬉しかったんだから。
*数日後*
「よし!文!幽香と友達になるぞー!」
「あら、それならもう、友達よ?」
はぁ、慣れてしまった自分が怖い。
「幽香さん、友達…ですか?」
「ええ。一度拳で語り合えば、それはもう友達よ!」
そういう考え方も…アリかな。
「それじゃ、俺達はもう友達かぁ。やったー!妖怪の山に行っても、遊びにくるから!」
「ふふふ、私も一年中ここにいる訳じゃないけど、夏なら絶対にここにいるわ。」
「ここの向日葵、綺麗ですからね!夏になったら、また来たいです!」
「ありがとう。でも、まだ出てくまで1ヵ月はあるでしょう!」
そうだった!まあ、それまで楽しくすごそう!
*1ヵ月後*
「それじゃ、幽香、また今度。」
「ええ、また今度。」
「幽香さん、さようなら!」
「さようなら。文。」
よしっ!目指すは妖怪の山だ!
「桐。妖怪の山………着いたらどこに行くんですか?」
「まずは、文も知ってるアノ人に会う。きっと妖怪の山にいるはずだ。」
「? その次は?」
「天狗のトップ、天魔に会う。」
「…………色んな人に会うんですね………確か、その後は、寺子屋というところに入るんですよね。」
「あぁ。そうだ。その為には、試験があるんだが………まあ、なんとかなるだろ。」
「そうなんですか?まあ、大丈夫でしょうけど。」
「文は天才だしなぁ。まあ、まずは妖怪の山へ行こう!」
「はいっ!」
俺と文は、大空を翔る。しばらくして、雲の隙間から、山が見えてきた。
「桐、あれが……」
「妖怪の山だ……」
俺と文は、地面に降り立つ。そして、少しすると案内役の白狼天狗が出て来た。
「妖怪の山へようこそ。紅葉山様。それとそちらは…射命丸様ですね。」
「はい。そうです。すいませんが、天魔様に会う前に、あのお方にお会いさせてください。」
「畏まりました。ご案内させて頂きます。」
「…………………桐?話について行けていないの、私だけ、ですね……」
きっと文もあのお方に会いたいはずだ。先々代天魔の奥方、『射命丸 沙羅(しゃめいまる さら)』様に。
「着きました。しばしお待ちください。」
そう言い、客間に通された。
「あの、桐……えっと…………その………………」
「? どうかしたか?」
「桐…………………教えて、くれますか?何で、何で…………「文ちゃん………それと、桐様……」……えっ……お母、様?」
「文ちゃん!よかった………………それにしても、綺麗になったわねぇ。」
確かに、文は成長して、日本人形が西洋人形になったみたいな感じだからなぁ。
「//// お母様……恥ずかしいですよ…………」
「ふふふ、だって嬉しいんですもの。フフフフフッ。………あら、まあ。フフッ。2人にいい事を教えてあげる。」
いい事?
「? いい事って何ですか?沙羅様。」
「あら、やっぱり知らなかったみたいね。桐様はお父上から聞いているかと思っていましたけれど、ご存知ありませんのね。フフッ。私の能力は、『関係と思いを観る程度の能力』ですわ。能力を使って2人のことを観ましたわ。2人の想いは………『相思相愛』、関係は……『恋人まで行かない幼馴染み』と観ました。」
「///////// お、お母様っ!」
「フフフッ、本番はこれからよぉ♪文ちゃん。さて、そんな2人にいい事を教えてあげますわぁ♪良かったわね!フフフフフッ♪」
「///////// いいことって、何なんですか?沙羅様。」
「ウフフフフフフフフフフッ♪いい事、それは…………………………2人は許嫁ということですわぁ♪」
? 許嫁………許嫁?いいなずけ………………って確かぁ!?
「「ふぇっ…………………いい、なず、けえぇぇえぇ!?」」
「//// お、お母様!?そ、それって、ご冗談じゃない、ですかっ!?」
「冗談じゃないわよぉ♪だって、楓様とお約束致しましたもの♪」
冗談じゃないっ!?しかも父上様と約束したって!?
「//// ち、父上様とですかぁ!?は、初耳、ですっ!」
「と、いうことで、桐様。文ちゃんをよろしくお願い致しますわぁ♪…あっ、そうそう、桐様、いくらでも文ちゃんを襲ってあげてくださいな♪…はやく孫の顔が見たいわねぇ♪」
ボフッ というような音が似合う程、俺と文の顔は急激に赤くなった。
「//////////////////////////お、お母様っ!?はぅっ………」
文は気絶してしまった。
「///////////////////////////さ、沙羅様ぁっ!?あ、あの、そのですねぇっ!俺達、12歳ですからっ!」
そ、そうだ。まだ12歳なんだ!幽香が言ってたじゃないかっ!100歳でも子どもって!!!
「うふふっ♪まあ、2人は許嫁って事、ちゃんと覚えておいてくださいねっ♪………あぁ、許嫁の意味って、婚約者と同じですわよ♪」
その言葉のダメージは計り知れなく…………
「/////うぅ……いい、なず、け………こん、やく、しゃぁっ…………………」
「つまり、将来、貴方達は結婚するってことですわぁ♪今から楽しみねぇ、結婚式♪えっと~○○様と、●●様と~…………」
こう言う時はぁっ!にっげるんだよーんっ!
「し、失礼しましたぁっ!」
俺は文をつれて逃げた。無論、お姫様だっこだ。
「あら、まあ、もう行っちゃうのねぇ。まぁ、文ちゃんに会えたし、良かったわ♪」
「はぁ、はぁ、ふぅ…………うぅ、沙羅様、お茶目すぎる…………」
「やっと見つけましたっ!桐様、お父上様がお呼びです。ご案内します。」
はぁ、あの父上様が……
「分かりました…」
*楓の宮*
「父上様。ただいま戻りました。」
「あぁ、桐か。ご苦労だった。………その子は?」
「……文です。射命丸文。沙羅様からとある情報をお聞きしたのですが……」
「あぁ!なるほど、うん。まだお前に話していない事があった。」
「はぁ、沙羅様からお聞きしました。まったく、文だから良かったものの…………」
「ん?あぁ、ハハハハハ!桐もそんな年頃なのだなぁ………」
「んん………きり?…………………ひゃぁ!?か、か、楓、様!?」
天狗の中では、俺の父は、すごい人らしい。
「あぁ、そう言えば、文って家に来たことなかったから、父上様に会ったことなかったな。」
「えっ、桐のお父様って、楓様なんですか!?は、初めて知りましたぁ…………」
「………文ちゃん、だったね。うん、こんな可愛い子、桐にはもったいないくらいだ。」
「きょ、恐縮ですぅっ!!!」
「文………そんなに緊張する必要ないぞ。」
「はうぅぅ………だって…………」
だっても何もない。
『ぎゅう…』
「大丈夫だから。」
「/// はい…」
「そうそう。緊張なんて、しなくていいからね。」
「あうぅ…ごめんなさい…」
「はぁ…文。謝らなくていいから。ところで父上様。何故、沙羅様と約束を?」
「うん、用事があって、沙羅様の屋敷に行った時に成り行きで。」
「「な、成り行き!?」」
「成り行き、ですかぁ!?それは、その、ですねぇ……」
「はぁ、成り行き…父上様らしい……………俺達は天魔に会いに行くから。」
「あぁ。分かった。それじゃ。……そうそう、桐、文ちゃんを大事にしろよ。」
「//// 分かってる!ってか、俺、12歳だしっ!」
そんなこんなで俺達の、妖怪の山での暮らしが始まろうとしていたのだった。
