母<<……リュート……>>
母<<リュート……手を見せてはだめ>>
<<どうして?>>
母<<手の内を見せるのは最後って言うでしょ?
それに、おまえは人と違うのだから>>
<<バノッサの肩を揉んだらだめ?>>
母<<おまえの手は、女の人に触れてはいけないの。
大人になるまで、決して------>>
--------------------------------------------------------------------------------
第40回王立騎士学校卒業式当日------。
いかめしい鉄扉の遥か向こうで、
エーデルラント王国の旗がはためいていた。
快晴の中で、王宮が一際華やかに、一際輝いて見える。
今日はおれにとって、晴れ舞台のはずだった。
首都、シェーンブルグやってきて5年。
ようやく騎士学校を卒業して、一人前の騎士になったのだ。
今日はその卒業式&叙任式だった。
そんな晴れ晴れしい日に、寝坊をして遅刻してしまったのだ。
本日の天気、快晴、強風。
式はもう終わってしまったに違いない。
出られなかったからといって死ぬわけじゃないけれども、
ちょっともったいないことをしたかなあ、と思う。
国王陛下に謁見できるチャンスだったのだ。
噂のルセリア姫にもお目見えできたかもしれない。
まあ、人生成せば成る。
慌てん坊に食い扶ちは来ない。
せめて、卒業証書だけでももらっておこう。
???「あん♪モテール様ぁ♪」
???「モテール様、お待ちになってぇ♪」
不意に、2人の美女に囲まれた男が目の前に現れた。
アリステラとドロワット------
王都では有名な巨乳の踊り子たちに胸を押し付けられて、
男が締まりのない表情を浮かべている。
モテール「ははは、おまえたち、
もう少し離れて歩くことはできないのか?」
アリステラ「くっついてほしいくせに」
ドロワット「そ、くっついてほしいくせに」
ぷにゅん♪ぷにゅん♪
2人の美女が、右から左から、
ご自慢の胸を押し付けてみせる。
(き、気持ちよさそう……)
モテール「ははは、おまえたち、
そんなことをすると気持ちよくなるじゃないか」
アリステラ「気持ちよくしたくてしてるのに」
ドロワット「そう、してるのに」
ぷにゅん♪ぷにゅん♪
(オッパイがたわんで……いい……!)
リュート「あ」
思わず目が合った。
騎士学校の同期、モテール・ド・プラティーヌだった。
富豪として有名なプラティーヌ家の御曹司で、
今年の首席卒業者。そして、無類の女好きだ。
ついでに巨乳が大好きらしい。そこだけは、おれと同じだ。
父親はかなりの金額を王宮に献金しているらしいが、
きっとゆくゆくは息子を宰相に、
さらに国王に即位させようという魂胆なのだろう。
モテール「不吉な。また貴様か」
ドロワット「あら、どなた?」
アリステラ「モテール様のお知り合い?」
モテール「いや。こんな落ちこぼれ、会ったこともない。人違いだ」
ドロワット「でも、騎士の格好をしていらっしゃるわ」
アリステラ「もしかして、あのボボン王子を押し退けて
最下位で卒業なさっとかいう不名誉な御方?」
モテール「そのような者に知り合いはいない。行くぞ」
モテールが身体の向きを変えようとした時、
どどどど、と轟音が近づいてきた。
ドレスを身にまとった上品な女たちが、
遠くからモテール目掛けて走ってくる。
王都の女A「きゃ~~っ!モテール様よ~っ!ステキぃぃぃぃっ!」
王都の女B「わたし、抱かれたい~~っ!」
我先にと女たちが押し寄せる。
ドロワット「さすがモテール様。どこに行ってもモテモテの御方」
モテール「優秀すぎるというのは罪なことだ。フッ」
格好をつけると、モテールは王宮の門扉の向こうに消えた。
どうやら逃げたらしい。
王宮に入れるのは、王宮関係の人間と選ばれた騎士のみだ。
おれも後について王宮敷地内に------
------踏み入られなかった。
屈強な衛兵たちが、槍とともに立ちはだかっていた。
衛兵A「待てい!ここからは立ち入り禁止だ!」
リュート「え?おれ、今年騎士学校を卒------」
衛兵B「おまえが卒業生なものか。騎士学校を出たやつは、
もっとぴりっとした顔をしているもんだ。席次は」
リュート「20位」
衛兵A「はははっ!こいつ、ビリケツだ!」
衛兵B「どうせ当てずっぽうで言ったんだろう。
騎士学校の定員が20人なんてしらないんだろうさ」
リュート「いや、おれ、5年間通ってたから」
衛兵A「そんな服、どこで調達してきたが知らんが、
騎士らしい格好をすれば王宮に潜り込めると思ったら、
大間違いだ」
衛兵B「あきらめるんだな。おまえが王宮に入ることは一生ない。
おとなしくママのところに帰んな」
リュート「いや、母ちゃん、死んでるから」
衛兵B「なら、パパのところに帰んな」
リュート「いや、父ちゃんも死んでるから」
衛兵B「ええい、面倒臭いやつめ!それ以上近づくと斬るぞ!」
???「何の騒ぎ?」
現れたのは、騎士学校の同期、アイシスだった。
モテールに次ぐ2位で、
騎士学校を卒業したばかりの凄腕の女騎士だ。
ここ数年では、最高の女騎士と呼ばれている。
おまけに------
------同期の中では一番の巨乳だったりする。
騎士学校で学んでいた時も、練習中によく盗み見していた。
ちょっと跳び上がってもすぐ揺れるし、
剣を振るってもまた揺れる。
親衛隊の服を身に着けた姿を見るのは初めてだが、
やっぱり胸は思い切り目立っている。
衛兵A「これはアイシス殿」
衛兵B「相変わらず素敵なお姿で」
アイシス「お世辞は結構。何」
衛兵A「この者が中に入らせろと------」
アイシスが睨んだ。
アイシス「どこを見ているの」
リュート「------胸」
アイシス「凡俗ってあなたのためにある言葉ね。
あなたと同期なんて、
恥ずかしくて口にする気にもならないわ」
早速いつものように冷たい一言を投げつける。
でも、なぜだかアイシスには惹かれてしまう。
リュート「これからどこか食事でも行かない?」
アイシス「わたしにも選ぶ権利はあるのよ。弱い騎士は嫌いなの」
リュート「ああ、そっか……。もう婚約したんだっけ」
アイシス「もうすぐよ」
リュート「本当にモテールと婚約するのか?やめといたら」
アイシス「他人に意見できると思っているの?
あなたなんか、モテールの百分の一の価値もないでしょ」
リュート「はは……」
相変わらず手厳しい。
リュート「親衛隊に行くんだって?」
アイシス「ええ。エリートだもの。
今年はわたしとモテールの2人だけ。去年は0。
それだけわたしたちがすごいってことよ」
リュート「すごいよな~」
アイシス「聞いたわ。あなた、ボーアンに行くんですってね」
リュート「なんか、長閑(のどか)でいいところらしいよ」
アイシス「ぷ」
アイシス「アハハハハハ!アハハハハハハハハハハ!」
リュート「そんなにおもしろいところなのか?」
アイシス「知らないの?ボーアンっていったら、左遷と同じ。
もう永遠に王都に戻ってこられない。
ただ土となって朽ち果てるだけ」
リュート「へ~え」
アイシス「でも、あなたにはふさわしい未来かも。
せいぜい楽しむことね」
後にはおれと衛兵2人が残された。
衛兵A「……おまえ、本当に騎士学校の卒業生だったんだな」
リュート「だから言ったのに」
衛兵B「ボーアンか。おまえの人生、終わりだな」
リュート「……?」
衛兵A「まあ、しっかりやれや」
リュート「入っていい?」
衛兵B「そうだな。もう一生、王宮に入ることはないだろうからな。
ゆっくり見物してけや」
リュート「ありがとう」
母<<リュート……手を見せてはだめ>>
<<どうして?>>
母<<手の内を見せるのは最後って言うでしょ?
それに、おまえは人と違うのだから>>
<<バノッサの肩を揉んだらだめ?>>
母<<おまえの手は、女の人に触れてはいけないの。
大人になるまで、決して------>>
--------------------------------------------------------------------------------
第40回王立騎士学校卒業式当日------。
いかめしい鉄扉の遥か向こうで、
エーデルラント王国の旗がはためいていた。
快晴の中で、王宮が一際華やかに、一際輝いて見える。
今日はおれにとって、晴れ舞台のはずだった。
首都、シェーンブルグやってきて5年。
ようやく騎士学校を卒業して、一人前の騎士になったのだ。
今日はその卒業式&叙任式だった。
そんな晴れ晴れしい日に、寝坊をして遅刻してしまったのだ。
本日の天気、快晴、強風。
式はもう終わってしまったに違いない。
出られなかったからといって死ぬわけじゃないけれども、
ちょっともったいないことをしたかなあ、と思う。
国王陛下に謁見できるチャンスだったのだ。
噂のルセリア姫にもお目見えできたかもしれない。
まあ、人生成せば成る。
慌てん坊に食い扶ちは来ない。
せめて、卒業証書だけでももらっておこう。
???「あん♪モテール様ぁ♪」
???「モテール様、お待ちになってぇ♪」
不意に、2人の美女に囲まれた男が目の前に現れた。
アリステラとドロワット------
王都では有名な巨乳の踊り子たちに胸を押し付けられて、
男が締まりのない表情を浮かべている。
モテール「ははは、おまえたち、
もう少し離れて歩くことはできないのか?」
アリステラ「くっついてほしいくせに」
ドロワット「そ、くっついてほしいくせに」
ぷにゅん♪ぷにゅん♪
2人の美女が、右から左から、
ご自慢の胸を押し付けてみせる。
(き、気持ちよさそう……)
モテール「ははは、おまえたち、
そんなことをすると気持ちよくなるじゃないか」
アリステラ「気持ちよくしたくてしてるのに」
ドロワット「そう、してるのに」
ぷにゅん♪ぷにゅん♪
(オッパイがたわんで……いい……!)
リュート「あ」
思わず目が合った。
騎士学校の同期、モテール・ド・プラティーヌだった。
富豪として有名なプラティーヌ家の御曹司で、
今年の首席卒業者。そして、無類の女好きだ。
ついでに巨乳が大好きらしい。そこだけは、おれと同じだ。
父親はかなりの金額を王宮に献金しているらしいが、
きっとゆくゆくは息子を宰相に、
さらに国王に即位させようという魂胆なのだろう。
モテール「不吉な。また貴様か」
ドロワット「あら、どなた?」
アリステラ「モテール様のお知り合い?」
モテール「いや。こんな落ちこぼれ、会ったこともない。人違いだ」
ドロワット「でも、騎士の格好をしていらっしゃるわ」
アリステラ「もしかして、あのボボン王子を押し退けて
最下位で卒業なさっとかいう不名誉な御方?」
モテール「そのような者に知り合いはいない。行くぞ」
モテールが身体の向きを変えようとした時、
どどどど、と轟音が近づいてきた。
ドレスを身にまとった上品な女たちが、
遠くからモテール目掛けて走ってくる。
王都の女A「きゃ~~っ!モテール様よ~っ!ステキぃぃぃぃっ!」
王都の女B「わたし、抱かれたい~~っ!」
我先にと女たちが押し寄せる。
ドロワット「さすがモテール様。どこに行ってもモテモテの御方」
モテール「優秀すぎるというのは罪なことだ。フッ」
格好をつけると、モテールは王宮の門扉の向こうに消えた。
どうやら逃げたらしい。
王宮に入れるのは、王宮関係の人間と選ばれた騎士のみだ。
おれも後について王宮敷地内に------
------踏み入られなかった。
屈強な衛兵たちが、槍とともに立ちはだかっていた。
衛兵A「待てい!ここからは立ち入り禁止だ!」
リュート「え?おれ、今年騎士学校を卒------」
衛兵B「おまえが卒業生なものか。騎士学校を出たやつは、
もっとぴりっとした顔をしているもんだ。席次は」
リュート「20位」
衛兵A「はははっ!こいつ、ビリケツだ!」
衛兵B「どうせ当てずっぽうで言ったんだろう。
騎士学校の定員が20人なんてしらないんだろうさ」
リュート「いや、おれ、5年間通ってたから」
衛兵A「そんな服、どこで調達してきたが知らんが、
騎士らしい格好をすれば王宮に潜り込めると思ったら、
大間違いだ」
衛兵B「あきらめるんだな。おまえが王宮に入ることは一生ない。
おとなしくママのところに帰んな」
リュート「いや、母ちゃん、死んでるから」
衛兵B「なら、パパのところに帰んな」
リュート「いや、父ちゃんも死んでるから」
衛兵B「ええい、面倒臭いやつめ!それ以上近づくと斬るぞ!」
???「何の騒ぎ?」
現れたのは、騎士学校の同期、アイシスだった。
モテールに次ぐ2位で、
騎士学校を卒業したばかりの凄腕の女騎士だ。
ここ数年では、最高の女騎士と呼ばれている。
おまけに------
------同期の中では一番の巨乳だったりする。
騎士学校で学んでいた時も、練習中によく盗み見していた。
ちょっと跳び上がってもすぐ揺れるし、
剣を振るってもまた揺れる。
親衛隊の服を身に着けた姿を見るのは初めてだが、
やっぱり胸は思い切り目立っている。
衛兵A「これはアイシス殿」
衛兵B「相変わらず素敵なお姿で」
アイシス「お世辞は結構。何」
衛兵A「この者が中に入らせろと------」
アイシスが睨んだ。
アイシス「どこを見ているの」
リュート「------胸」
アイシス「凡俗ってあなたのためにある言葉ね。
あなたと同期なんて、
恥ずかしくて口にする気にもならないわ」
早速いつものように冷たい一言を投げつける。
でも、なぜだかアイシスには惹かれてしまう。
リュート「これからどこか食事でも行かない?」
アイシス「わたしにも選ぶ権利はあるのよ。弱い騎士は嫌いなの」
リュート「ああ、そっか……。もう婚約したんだっけ」
アイシス「もうすぐよ」
リュート「本当にモテールと婚約するのか?やめといたら」
アイシス「他人に意見できると思っているの?
あなたなんか、モテールの百分の一の価値もないでしょ」
リュート「はは……」
相変わらず手厳しい。
リュート「親衛隊に行くんだって?」
アイシス「ええ。エリートだもの。
今年はわたしとモテールの2人だけ。去年は0。
それだけわたしたちがすごいってことよ」
リュート「すごいよな~」
アイシス「聞いたわ。あなた、ボーアンに行くんですってね」
リュート「なんか、長閑(のどか)でいいところらしいよ」
アイシス「ぷ」
アイシス「アハハハハハ!アハハハハハハハハハハ!」
リュート「そんなにおもしろいところなのか?」
アイシス「知らないの?ボーアンっていったら、左遷と同じ。
もう永遠に王都に戻ってこられない。
ただ土となって朽ち果てるだけ」
リュート「へ~え」
アイシス「でも、あなたにはふさわしい未来かも。
せいぜい楽しむことね」
後にはおれと衛兵2人が残された。
衛兵A「……おまえ、本当に騎士学校の卒業生だったんだな」
リュート「だから言ったのに」
衛兵B「ボーアンか。おまえの人生、終わりだな」
リュート「……?」
衛兵A「まあ、しっかりやれや」
リュート「入っていい?」
衛兵B「そうだな。もう一生、王宮に入ることはないだろうからな。
ゆっくり見物してけや」
リュート「ありがとう」
世界観
現在の歴史でいえば、16~17世紀頃の中欧がモデルになっています。
舞台となる『ユーロディア大陸』の中央に位置する中規模の国、『エーデルラント王国』では
100年前までは魔族と共存していましたが、共存策が廃棄され、今では魔族は全滅したと言われています。
『国王も貴族の1人』という貴族主体の貴族制から、国王は騎士を官僚として配した中央集権的な
『騎士官僚制』に移行しようとしていますが、それに反対して王国西部では叛乱が起きています。
アルスラーンとかねじまき精霊戦記好きにはオススメ
R18についてですが
この時代の設定(法律や憲法)、キャラ(性格)を活かすために設けました。
現在の歴史でいえば、16~17世紀頃の中欧がモデルになっています。
舞台となる『ユーロディア大陸』の中央に位置する中規模の国、『エーデルラント王国』では
100年前までは魔族と共存していましたが、共存策が廃棄され、今では魔族は全滅したと言われています。
『国王も貴族の1人』という貴族主体の貴族制から、国王は騎士を官僚として配した中央集権的な
『騎士官僚制』に移行しようとしていますが、それに反対して王国西部では叛乱が起きています。
アルスラーンとかねじまき精霊戦記好きにはオススメ
R18についてですが
この時代の設定(法律や憲法)、キャラ(性格)を活かすために設けました。
