おれが身体を起こそうとすると、
シャムシェルは両腕を引っ張って起こしてくれた。
かわいい悪魔は、嬉しそうにおれを見つめている。
リュート「さっきの話、ほんとなのか?」
シャムシェル「何が」
リュート「人間を襲わない話」
シャムシェル「ほんと。リュートがそばにいて
毎日パ〇ズリさせてくれるのなら、絶対襲わない」
リュート「……パ〇ズリって、絶対条件なの?」
シャムシェル「だって、リュートの、美味しいんだもん」
おれは倒れかけた。
なんたる屈託のない笑みに、露骨な告白であることよ。
まあ、相手がサキュバスだから、
当然といえば当然なのだろうが------。
リュート「おれに退治されるっていう選択肢はないの?」
シャムシェル「退治したよ」
リュート「嘘」
シャムシェル「だって、わたし、昨日思い切りイッちゃったもん。
あまりに気持ちよくて気絶しちゃった」
リュート「おれは本気で死ぬかと思って気絶した」
シャムシェル「くすくす。大物なんだから」
リュート「何が大物なんだか。おれは普通サイズだぞ」
シャムシェル「あれ、大きさがすべてだと思ってんの?
男のって、大きさじゃないんだよ。
性能なんだから」
リュート「ふ~ん」
シャムシェル「リュートの場合は特別だけどね」
リュート「けど、毎日パ〇ズリされてたら、おれ、死んだりしない?」
シャムシェル「昨日、あれだけやったのに死ななかったじゃん」
リュート「けど、ぽっくりいくかも」
シャムシェル「それは平気」
リュート「どうして」
シャムシェル「リュート、大物だから」
リュート「おれは小物だって。騎士学校だって最下位だったし」
シャムシェル「大物だよ。お尻の穴に毛が生えてたし。
そういう人って、出世するんだよ」
リュート「ふ~ん。結構物知りなんだな」
シャムシェル「だって、悪魔だもん。何年生きてると思ってんの?」
リュート「何年?」
シャムシェル「レディに年齢は聞かないの」
ぷいとシャムシェルがそっぽを向くと、おれはふと思った。
悪魔にレディもあるのだろうか……?
シャムシェル「今、悪魔にレディもあるのかって思ったでしょ」
リュート「お、思ってない」
シャムシェル「思ったくせに。わたしは悪魔じゃないの、魔族なの。
魔族にも男と女があるんだからね」
リュート「おまえの種族にも男がいるのか」
シャムシェル「ほとんど殺されちゃったけどね」
おれは思わず口をつぐんだ。
200年前までは、この地では魔族と人間が共存していた。
でも、人間側が人間に従属しない魔族の撲滅を訴えて、
魔族が全面抵抗。
魔族はほぼ全滅させられている。
リュート「おまえ、寂しくないのか?」
シャムシェル「別に。仲間はいるし」
リュート「ふうん」
シャムシェル「わたしのこと、心配してくれてるの?」
リュート「べ、別に」
シャムシェル「そうなんだ。優しいね~、くすくす」
シャムシェルが笑う。
シャムシェル「ね。御飯、取ってきてあげよっか」
リュート「あ、そうだ。大広間まで食べに行かなきゃいけないんだ」
ガチャッ!
物音がして、ドアが開いた。
守備兵A「ツイてねえ……朝から死体を見てこいなんて……」
守備兵B「またひからびてるんだろうな……
よそから新しい騎士が配属されるたびに、
餌食になるんだから」
リュート「何がひからびてんの?」
守備兵A「ひええええっ!」
守備兵B「幽霊!」
リュート「あれ、もしかして朝食を持ってきてくれたの?
おれ、腹減っちゃって……白パンがいいな」
守備兵A「ひええええっ、生きてる!」
守備兵B[そんな馬鹿があるか!死んでるんだよ!」
リュート「生きてるけど」
守備兵A「本当に?」
リュート「握手してみる?」
守備兵B「おい、地獄に引きずり込まれるぞ」
リュート「大丈夫だって。あたたかいよ」
守備兵が手を伸ばした。
守備兵A「あ……あたたかい」
リュート「ね」
守備兵A「ひええっ!大変だ!長官にご連絡を~っ!」
守備兵は大騒ぎをして帰っていった。
シャムシェル「くすくす……面白くなりそう」
---------------------------------------------------------------------------------
しばらくして、おれは長官の部屋で、
複雑な表情の2人と対面していた。
2人とも、開いた口が塞がらない顔をしている。
アーボイン「ぶ、ぶ、ぶ、無事で何よりだったな」
リュート「おれも死ぬかと思いました」
マドワーズ「……」
アーボイン「き、昨日は悪魔が出なかったのか。
め、珍しいこともあるもんだな」
リュート「出たんですけど、なんか死ななくて」
アーボイン「……」
アーボイン「……まさか、本当に退治したのか?」
リュート「退治したというか、下僕になっちゃったというか」
アーボイン「言っている意味がわからんが」
リュート「それがその……僕(しもべ)にするのなら、
もう悪さはしないと言われて」
アーボイン「僕(しもべ)?僕にしたのか?」
リュート「まあ……」
アーボイン「信じられん。悪魔が人間の下僕になるわけがない。
だいたい、悪魔なぞ、どこにいるというのだ?」
リュート「いや、すぐそこにいるんですけど、見えないだけです」
アーボイン「どこにいるんだ」
リュート「長官の隣に」
アーボイン「ひっ!お、脅かすな!」
リュート「普通は人間に見えないんだそうです。
見せようとすると見えるようになるらしいですけど」
アーボイン「……本当にいるのか?」
リュート「シャムシェル、出て来いよ」
シャムシェル「面倒臭いなあ」
アーボイン「ひぃぃっ!」
マドワーズ「ひぃぃっ!」
シャムシェル「失礼なやつね。せっかく出てきてやったのに、ひぃぃって。
食っちゃうぞ」
アーボイン「ひぃぃっ!」
マドワーズ「ひぃぃっ!」
シャムシェル「こいつら、これしか言えないの?」
リュート「シャムシェルの美貌に驚いてんだよ」
シャムシェル「そうなんだ♪」
アーボイン「……」
マドワーズ「……」
アーボイン「そ、それで……
その、本当に悪さはしないと言っているのか?」
シャムシェル「しないよ。リュートがずっとそばにいてくれるのなら、
人間はもう襲わない」
シャムシェル「だって、リュートの、濃くて美味しいんだもん」
アーボイン「……」
マドワーズ「……」
リュート「シャムシェルも反省してるんで」
シャムシェル「もっと早くリュートみたいな美味しい人間に出会ってたら、
だ~れもおそわなかったのに」
アーボイン「……」
マドワーズ「……」
2人とも、口を利かない。
絶対、おれが死ぬと思っていたのだろう。
リュート「あの……それで、約束、いいですか?」
アーボイン「や、約束?」
リュート「お城を1個もらえるというのと、
毎日白パンにしてもらえるっていう------」
アーボイン「し、知らん!わしは聞いとらんぞ!」
リュート「え?」
アーボイン「わしは知らんぞ!そんな約束、した覚えがない!」
リュート「でも、約束------」
アーボイン「そ、そうだな、マドワーズ!」
マドワーズ「え、ええ……あ、あれは、怯えるリュート様を
励ますために長官が口にしただけのことで……。
第一、契約書も書いておりやせんし」
おれは黙った。
どうやら、2人はちゃらにするつもりらしい。はなから、
おれが退治できるとは思ってもみなかったのだろう。
マドワーズ「そ、それに、こうして悪魔はいやすからね」
シャムシェル「何?わたしの言葉が信用できないって言うわけ?
食っちゃうぞ」
マドワーズ「ひぃっ!」
アーボイン「と、とにかく話はもう終わりだ!出ていけ!」
シャムシェルは両腕を引っ張って起こしてくれた。
かわいい悪魔は、嬉しそうにおれを見つめている。
リュート「さっきの話、ほんとなのか?」
シャムシェル「何が」
リュート「人間を襲わない話」
シャムシェル「ほんと。リュートがそばにいて
毎日パ〇ズリさせてくれるのなら、絶対襲わない」
リュート「……パ〇ズリって、絶対条件なの?」
シャムシェル「だって、リュートの、美味しいんだもん」
おれは倒れかけた。
なんたる屈託のない笑みに、露骨な告白であることよ。
まあ、相手がサキュバスだから、
当然といえば当然なのだろうが------。
リュート「おれに退治されるっていう選択肢はないの?」
シャムシェル「退治したよ」
リュート「嘘」
シャムシェル「だって、わたし、昨日思い切りイッちゃったもん。
あまりに気持ちよくて気絶しちゃった」
リュート「おれは本気で死ぬかと思って気絶した」
シャムシェル「くすくす。大物なんだから」
リュート「何が大物なんだか。おれは普通サイズだぞ」
シャムシェル「あれ、大きさがすべてだと思ってんの?
男のって、大きさじゃないんだよ。
性能なんだから」
リュート「ふ~ん」
シャムシェル「リュートの場合は特別だけどね」
リュート「けど、毎日パ〇ズリされてたら、おれ、死んだりしない?」
シャムシェル「昨日、あれだけやったのに死ななかったじゃん」
リュート「けど、ぽっくりいくかも」
シャムシェル「それは平気」
リュート「どうして」
シャムシェル「リュート、大物だから」
リュート「おれは小物だって。騎士学校だって最下位だったし」
シャムシェル「大物だよ。お尻の穴に毛が生えてたし。
そういう人って、出世するんだよ」
リュート「ふ~ん。結構物知りなんだな」
シャムシェル「だって、悪魔だもん。何年生きてると思ってんの?」
リュート「何年?」
シャムシェル「レディに年齢は聞かないの」
ぷいとシャムシェルがそっぽを向くと、おれはふと思った。
悪魔にレディもあるのだろうか……?
シャムシェル「今、悪魔にレディもあるのかって思ったでしょ」
リュート「お、思ってない」
シャムシェル「思ったくせに。わたしは悪魔じゃないの、魔族なの。
魔族にも男と女があるんだからね」
リュート「おまえの種族にも男がいるのか」
シャムシェル「ほとんど殺されちゃったけどね」
おれは思わず口をつぐんだ。
200年前までは、この地では魔族と人間が共存していた。
でも、人間側が人間に従属しない魔族の撲滅を訴えて、
魔族が全面抵抗。
魔族はほぼ全滅させられている。
リュート「おまえ、寂しくないのか?」
シャムシェル「別に。仲間はいるし」
リュート「ふうん」
シャムシェル「わたしのこと、心配してくれてるの?」
リュート「べ、別に」
シャムシェル「そうなんだ。優しいね~、くすくす」
シャムシェルが笑う。
シャムシェル「ね。御飯、取ってきてあげよっか」
リュート「あ、そうだ。大広間まで食べに行かなきゃいけないんだ」
ガチャッ!
物音がして、ドアが開いた。
守備兵A「ツイてねえ……朝から死体を見てこいなんて……」
守備兵B「またひからびてるんだろうな……
よそから新しい騎士が配属されるたびに、
餌食になるんだから」
リュート「何がひからびてんの?」
守備兵A「ひええええっ!」
守備兵B「幽霊!」
リュート「あれ、もしかして朝食を持ってきてくれたの?
おれ、腹減っちゃって……白パンがいいな」
守備兵A「ひええええっ、生きてる!」
守備兵B[そんな馬鹿があるか!死んでるんだよ!」
リュート「生きてるけど」
守備兵A「本当に?」
リュート「握手してみる?」
守備兵B「おい、地獄に引きずり込まれるぞ」
リュート「大丈夫だって。あたたかいよ」
守備兵が手を伸ばした。
守備兵A「あ……あたたかい」
リュート「ね」
守備兵A「ひええっ!大変だ!長官にご連絡を~っ!」
守備兵は大騒ぎをして帰っていった。
シャムシェル「くすくす……面白くなりそう」
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しばらくして、おれは長官の部屋で、
複雑な表情の2人と対面していた。
2人とも、開いた口が塞がらない顔をしている。
アーボイン「ぶ、ぶ、ぶ、無事で何よりだったな」
リュート「おれも死ぬかと思いました」
マドワーズ「……」
アーボイン「き、昨日は悪魔が出なかったのか。
め、珍しいこともあるもんだな」
リュート「出たんですけど、なんか死ななくて」
アーボイン「……」
アーボイン「……まさか、本当に退治したのか?」
リュート「退治したというか、下僕になっちゃったというか」
アーボイン「言っている意味がわからんが」
リュート「それがその……僕(しもべ)にするのなら、
もう悪さはしないと言われて」
アーボイン「僕(しもべ)?僕にしたのか?」
リュート「まあ……」
アーボイン「信じられん。悪魔が人間の下僕になるわけがない。
だいたい、悪魔なぞ、どこにいるというのだ?」
リュート「いや、すぐそこにいるんですけど、見えないだけです」
アーボイン「どこにいるんだ」
リュート「長官の隣に」
アーボイン「ひっ!お、脅かすな!」
リュート「普通は人間に見えないんだそうです。
見せようとすると見えるようになるらしいですけど」
アーボイン「……本当にいるのか?」
リュート「シャムシェル、出て来いよ」
シャムシェル「面倒臭いなあ」
アーボイン「ひぃぃっ!」
マドワーズ「ひぃぃっ!」
シャムシェル「失礼なやつね。せっかく出てきてやったのに、ひぃぃって。
食っちゃうぞ」
アーボイン「ひぃぃっ!」
マドワーズ「ひぃぃっ!」
シャムシェル「こいつら、これしか言えないの?」
リュート「シャムシェルの美貌に驚いてんだよ」
シャムシェル「そうなんだ♪」
アーボイン「……」
マドワーズ「……」
アーボイン「そ、それで……
その、本当に悪さはしないと言っているのか?」
シャムシェル「しないよ。リュートがずっとそばにいてくれるのなら、
人間はもう襲わない」
シャムシェル「だって、リュートの、濃くて美味しいんだもん」
アーボイン「……」
マドワーズ「……」
リュート「シャムシェルも反省してるんで」
シャムシェル「もっと早くリュートみたいな美味しい人間に出会ってたら、
だ~れもおそわなかったのに」
アーボイン「……」
マドワーズ「……」
2人とも、口を利かない。
絶対、おれが死ぬと思っていたのだろう。
リュート「あの……それで、約束、いいですか?」
アーボイン「や、約束?」
リュート「お城を1個もらえるというのと、
毎日白パンにしてもらえるっていう------」
アーボイン「し、知らん!わしは聞いとらんぞ!」
リュート「え?」
アーボイン「わしは知らんぞ!そんな約束、した覚えがない!」
リュート「でも、約束------」
アーボイン「そ、そうだな、マドワーズ!」
マドワーズ「え、ええ……あ、あれは、怯えるリュート様を
励ますために長官が口にしただけのことで……。
第一、契約書も書いておりやせんし」
おれは黙った。
どうやら、2人はちゃらにするつもりらしい。はなから、
おれが退治できるとは思ってもみなかったのだろう。
マドワーズ「そ、それに、こうして悪魔はいやすからね」
シャムシェル「何?わたしの言葉が信用できないって言うわけ?
食っちゃうぞ」
マドワーズ「ひぃっ!」
アーボイン「と、とにかく話はもう終わりだ!出ていけ!」
