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エッチな騎士の成り上がり
- 辺境乱乳編09 -

おれは長官に追い出されていた。

シャムシェル「ひどいの。人間って、ほんと嘘つきなんだから」

リュート「まあ、仕方ないよ。白パンもお金がかかっちゃうからね」

シャムシェル「わたしがあの2人、襲ってやろっか?」

リュート「ほっときゃいいよ。いなくなったらいなくなったで、
     困るし。荘園を見回るのも人と会うのも、
     全部自分でするのってしんどいし」

シャムシェル「つまんないの。リュートったら、
       変なところで人がいいんだから」

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リュートとシャムシェルが大広間で話をしている頃------
アーボイン長官とマドワーズの2人は、
顔を突き合わせてヒソヒソ話をしていた。

マドワーズ「驚きやしたね……まさか、生きているとは」

アーボイン「信じられん。
      悪魔に襲われて生きているなど……とても人間とは思えん」

マドワーズ「さ、さすが騎士学校でやすね……」

アーボイン「馬鹿者!悪魔と戦う方法など、騎士学校では教わらん!」

マドワーズ「す、すいやせん」

アーボイン「……」

マドワーズ「どうしやしょう」

アーボイン「ど、どうしようって、聞けるわけなかろう」

マドワーズ「そのことじゃなく、計画です。
      生き残ったということは、奥方は------」

アーボイン「そっちのことか」

マドワーズ「まだ使えやすぜ」

アーボイン「しかし、悪魔がいるぞ」

マドワーズ「気にするこたありやせんよ。魔族ですぜ。
      司祭に懺悔するとでも言うんですかい?」

アーボイン「それもそうだが……」

マドワーズ「予定通り、奥方とはくっつけましょう」

アーボイン「うむ……そうだな」

マドワーズ「あっちの方は------」

アーボイン「もちろん、続行だ。
      こんなど田舎に、一生縛りつけられてたまるものか」

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すでに昼をすぎて夕方に近づいていた。

おれは、馬に鞭をくれるとボーアンの町にくり出した。

急遽、王都から使者が来るということになって、
そのお出迎えに行けと命令されてしまったのだ。

村人A「あ、騎士様!」

町に出ると、村人たちが取り囲んだ。

村人B「騎士様!」

村人C「騎士様ぁ!ありがとうございますだぁっ!」

リュート「何が?」

村人B「さっきお城からお触れがあって、
    悪魔は退治したからもう安心しろと」

リュート「へ?」

村人C「これでわしら、やっと安心して眠れます!
    さすが王都から見えた方だ!」

村人B「ありがとうございます!」

村人C「ありがとうございます!騎士様は、わしらの英雄です!」

頭を下げると、村人たちは去っていった。

別に解決したわけでもなく、
その諸悪の根源はすぐそばにいるのだけれど、
あまり悪い気はしない。

シャムシェル「人気あるね~」

リュート「退治したわけじゃないんだけどな。ここにいるし」

シャムシェル「姿見せてやろっか」

リュート「やめろ」

シャムシェル「ククク」

リュート「やっぱりご褒美はもらえないんだろうなあ」

シャムシェル「ぶんどってきてやろっか?」

リュート「いい。町の人も、みんなよろこんでくれてるし」

シャムシェル「欲がないんだから」

リュート「あ。でも、やっぱり白パンはほしいな」

シャムシェル「ククク。リュートって、かわいいの」

リュート「何だよ、それ」

シャムシェル「ククク」

シャムシェル「王都から来る人って、どんな人間?」

リュート「さあ」

シャムシェル「長官みたいなケチ?」

リュート「ははは……」

シャムシェル「家令みたいな腹黒?」

リュート「シャムシェル、結構毒舌だな」

シャムシェル「真実はいつでも毒舌なの」

確かにその通りだった。

真実はいつでも毒舌だ。

リュート「実は、どんな人かは聞いてないんだ」

シャムシェル「ふ~ん」

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シャムシェル「ここに来るの?」

リュート「日暮れまでには着くって話だけど」

シャムシェル「誰も来ないんだったらエッチしよっか?」

リュート「え?ここで?」

シャムシェル「刺激的でしょ?」

リュート「刺激的っていうか------」

???「迎えの者か。ご苦労」

???「あなた……!」

モテール「げぇっ……。よりによって貴様とは、不吉な」

現れたのは、同期のモテールとアイシスだった。
1位と2位のコンビだ。

リュート「久しぶり」

おれはにっこり微笑んで手を差し出した。

モテール「寄るな!貴様の抱擁など、受けたくない!」

リュート「あ、そう」

アイシスがじっとおれを見た。
次に来る言葉は、なんとなく予想がつく。

アイシス「抱きついたら、剣で突き刺してあげるわ」

思った通りだった。

おれは彼女のことは嫌いじゃないのだけれど------
いいオッパイもしているし------
アイシスの方はそうではないらしい。

リュート「よくこんな田舎まで来てくれたね」

モテール「まったくのど田舎だ。
     なぜ我等がこんな田舎に来なければならんのか」

リュート「さあ」

モテール「いい女ぐらいいるんだろうな」

リュート「いない」

モテール「なんて町だ」

モテールが愚痴る。あまり機嫌はよくない。

リュート「じゃあ、案内するからついてきて」

モテール「ご案内しますと言え!
     おれは王都の使いとして来たんだぞ!?
     同期でも何でもない!貴様とは格が違うのだ!」

モテールがプライドむき出しに怒鳴った。

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モテール「くだらん……なんて町だ。これでも町か?」

アイシス「モテール。聞こえるわよ」

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アーボイン「これはこれは、わざわざ王都からようこそ------」

マドワーズ「家令をしておりやすマド------」

モテール「挨拶はいい。部屋はどこだ」

マドワーズ「へい、こちらに」

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マドワーズが案内したのは、おれの部屋だった。

まさか、おれの部屋に泊まらせるつもりだろうか……?

客人を泊めるならもっといい部屋が------
長官の部屋があるのに……。

モテール「なんだ、このぼろい部屋は。もっといい部屋はないのか」

早速モテールが噛みついた。

マドワーズ「これが一番いい部屋でして……」

モテール「フン。まったく最低の場所だな」

おれの部屋と知らずにモテールが言いたい放題に言う。

モテール「プラティーヌ家の者がこんなみずぼらしい部屋など……
     屈辱だ」

マドワーズ「あいすみませぬ」

少しも詫びていない調子でマドワーズが言う。

マドワーズ「あ、それからリュート様は大広間で寝てください」

リュート「それはいいけど」

アイシス「わたしはどこの部屋?」

マドワーズ「アイシス様は奥方のお部屋で」

アイシス「そ」

マドワーズ「こちらへ。ご案内します」

マドワーズとアイシスは部屋を出ていった。

モテール「貴様、いつも大広間で寝ているのか?」

リュート「いや、いつもは違うけど」

モテール「いつもはどこだ?もっといい部屋か?」

リュート「いや……ここだけど」

モテール「何っ!?ここが貴様の部屋だと!?」

モテール「はっはっはっ!実にいい!貴様にはお似合いだ!」

モテール「しかし、おれには屈辱だ!騎士学校を1位で卒業し、
     親衛隊に迎えられた未来あるおれが、こんな部屋とは……!
     おれを愚弄するにもほどがある!」

リュート「あんまりカリカリするなよ」

モテール「うるさい!格下がおれにものを言うか!」

リュート「白パンかワイン、もらってきてあげよっか」

モテール「あげよっかとは、どういう言葉づかいだ!」

モテールは相当に不機嫌らしい。道中何かあったのだろうか。

リュート「ゆっくり休みなよ。
     ちゃんと掃除はしてるから虫はいないよ」

モテール「当たり前だ!そんな部屋で寝られるか!」

リュート「仕事うまく行ってないの?」

モテール「うるさい!くそ……なんで親衛隊がこんな田舎に
     行かねばならんのだ……陛下のそばにいて陛下を
     お守りするのが我らの仕事なのに……」

リュート「……」

モテール「用が済んだのなら、出ていけ。
     貴様と思い出話をする気はない」

<2016/09/24 18:45 RUKA>消しゴム
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