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エッチな騎士の成り上がり
- 辺境乱乳編10 -

おれは追い出されてしまった。

シャムシェル「リュート、かわいそ」

リュート「仕方ないよ」

シャムシェル「せっかくリュートが色々気づかってるのに、
       当たり散らして。ガキかっつうの」

リュート「きっと親衛隊の仕事が大変なんだよ」

シャムシェル「あいつ、食っちゃおうか」

リュート「やめとけって」

シャムシェル「リュートの悪口ばかり言って。こらしめてやろうかな」

リュート「だからやめろって。おれの同期なんだから」

シャムシェル「向こうはそうは思ってないよ」

リュート「期待が大きいからイライラしてんだよ」

シャムシェル「ほんと、リュートって人がいいんだから。
       でも、そこが好きなんだけどね」

そう言ってシャムシェルがにこにこ笑った。

悪魔に好きと言われたのに、なんだかいい気分だった。
むしろ、嬉しいような、くすぐったいような気がしてしまう。

扉が開いて、モテールが部屋から出てきた。

リュート「あれ?眠れなかった?」

モテール「長官の部屋はどこだ」

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モテールを連れて部屋に入ると、
すでにアイシスも到着していた。
モテールは額に血管を浮き上がらせている。

モテール「貴様……おれに嘘をついたな。
     何が一番いい部屋だ。覚えていろ」

モテールがアーボイン長官を睨みつける。長官は知らん顔だ。
何があっても、自分の部屋を提供するつもりはないらしい。

アイシス「モテール、本題に入りましょ」

モテール「わかっている。------おれがここに来たのは、
     貴様らに協力してもらうためだ」

モテール「最近、このボーアンでよからぬことを企んでいる者が
     いるらしい。平たく言えば、謀叛の計画だ」

アーボイン「謀叛……?」

モテール「陛下が推し進められている騎士官僚制に対して、
     不満に思っている者がいるということだ」

モテールは部屋内の者を睨みつけた。

モテール「貴様らも知っているように、
     インラントで馬鹿な貴族どもが反乱を続けている。
     このボーアンでも反乱を起こさせるわけにはいかぬ」

モテール「ボーアンは決して重要な拠点ではないが、インラントの隣。
     おまけにリンゴバルトと接している」

モテール「リンゴバルトはわが国と姉妹国だが、
     ここで反乱が起きればいつ牙を剥くやもしれぬ。
     心して警戒に当たれ。以上だ」

アーボイン「こんなところで反乱など起きぬわ」

モテール「何っ!」

マドワーズ「いえ、善処しますというお答えです」

リュート「結構物騒なんだな」

モテール「他人事か!
     よもや貴様が謀謀叛に関わっているのではあるまいな!」

リュート「んなわけないだろ」

モテール「貴様は最下位だ。今の境遇を恨んで、
     反旗を翻すということも充分にありうる」

アイシス「断っておくけど、同期のよしみは通用しないわよ。
     あなたが反乱を起こしたら、真っ先に首を刎ねてあげる」

リュート「お優しいことで」

モテール「これ以上、同期の恥の上塗りをするな」

2人は高圧的に言い放って出ていった。

なんだか、
前に会った時より刺々しくなってしまった気がする。

よっぽど親衛隊の仕事は大変なのだろう。

マドワーズ「さすが親衛隊、プライドだけは凄いですな」

アーボイン「エリートなぞ、あんなものだ。
      騎士学校の生み出した負の産物だ」

苦々しく言い捨てて、長官は奥に消えてしまった。

おれは、少しだけ、
長官の言葉が------騎士学校に対する批判が------気になった。

<<騎士学校の生み出した負の産物だ>>

国王ハーゲル1世は、騎士官僚制を押し進めている。
騎士学校は、そのための重要な布石だ。

まさか、アーボイン長官は、騎士官僚制に反対なのだろうか。

騎士学校の卒業生なのに------?

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その日は、宴が開かれた。

もちろん、王都から訪れた親衛隊の歓迎会だ。

おれがここに来た中では一番のご馳走が振る舞われたが、
モテールは不機嫌な顔をしていた。

きっと肉もスープも、口に合わなかったのだろう。

守備兵A「リュート殿」

守備兵B「さきほど伺ったのですが、
     親衛隊の方と同期というのは、本当でありますか?」

リュート「うん」

守備兵A「うひゃあ、ほんとだってよ」

守備兵B「凄いですな。自分には、親衛隊の知り合いなどおりません」

守備兵A「しかし、どうもいけすかない野郎ですね。
     親衛隊の者はいつもあんな感じですか」

守備兵B「どうも気に入りませんな。何が偉いのか、
     自分だけが国を動かしているような顔をして」

モテール「何か言ったか」

守備兵A「ひっ!」

モテール「いけすかないと聞こえたが、気のせいか」

モテールが2人に圧力をかける。

かわいそうに、守備兵は2人ともびびってしまっている。

モテール「プラティーヌ家の者に楯突くと、
     どうなるか知っているのか?」

リュート「ブラジャーを着けさせられるんだろ」

モテール「貴様!」

リュート「脅すの、やめとけよ。
     プラティーヌ家の御曹司がみっともないぞ」

モテール「何ぃっ!」

リュート「おれの部下なんだから大目に見てやってよ」

モテール「貴様の部下なら、ますます大目に見れぬ」

リュート「宰相がいたらどう言うかな」

モテール「ぐっ……!」

リュート「今日はモテールとアイシスのための宴なんだから、
     腹立てないで楽しもうよ」

モテール「うるさい!こんなまずい酒とまずい飯で楽しめるか!」

リュート「じゃあ、博打でもする?」

モテール「博打?」

リュート「マドワーズが賭けチェスするの、
     好きなんだって。モテール、チェス強いだろ」

モテール「おれに敵うものがいると思っているのか」

リュート「おまえの強さ、見せてやれよ」

モテール「ふん」

リュート「マドワーズ!」

大きな声で呼ぶと、マドワーズがやってきた。

マドワーズ「へい、何でしょう」

リュート「モテール、チェス無茶苦茶強いんだ。
     騎士学校でも、勝つ者がいなかったんだ」

マドワーズ「ほう……それはおもしろいですな」

リュート「賭けチェス、やってみる?」

マドワーズ「わたしは願ったり叶ったりですが、親衛隊の方は」

モテール「よかろう。身ぐるみはがしてくれる」

マドワーズ「それはどうですかな。フフフ」

2人はチェスをするために別の場所に移った。

守備兵A「ほっ」

守備兵B「どうなるかと思った」

リュート「ごめんね、性格きついやつで。いいやつなんだけど、
     刺々しくてさ。最初はいつもあんな感じなんだ」

守備兵A「いえ、リュート殿が謝られることではありません」

守備兵B「ありがとうございます」

リュート「じゃあ、飲もっか」

守備兵A「はい!」

おれは酒を注ぎながら、奥方の姿を捜した。

まだ現れていないようだ。
奥方は、下で料理を手伝っているらしい。

しばらくすると、どよめきが起こった。呻き声も聞こえる。

マドワーズが困った顔をしていた。

モテール「フン……口ほどにもない」

マドワーズ「……」

マドワーズはぐうの音も出ない感じだ。
やはり、モテールの圧勝だったらしい。

モテール「約束通り貴様の金はいただくぞ……
     と言いたいところだが、返してやる。
     こんな端金をもらっても、何の得にもならぬ」

マドワーズ「……」

モテール「おれに勝負を挑むのなら、もっと腕を磨くことだ」

マドワーズが去った。

モテール「おい。もっとましな酒はないのか」

ロクサーヌ「お酒はありませんが、プディングはいかがですか?」

ロクサーヌの姿に、モテールが目をまるくしていた。

ようやく厨房から上がってきたらしい。

ロクサーヌ「アーボインの妻です」

モテール「こ、これは……お美しい……
     まさかこんな田舎にこんな美人がいらっしゃるとは」

ロクサーヌ「いえ……」

モテールが不意に手を握った。

ロクサーヌ「あ、あの」

モテール「どうせ賭けるのなら、あなたを賭ければよかった」

モテールがまっすぐロクサーヌを見つめる。
どうやら、口説きにかかっているらしい。

思わず、

(よくも、この……!)

と思ってしまった。

誰がモテールにロクサーヌ様の乳房をさわらせるか。
さわるのはおれだ……!

なんて破廉恥なことまで考えてしまう。

モテール「少しお部屋でお話をしませんか」

ロクサーヌ「い、いえ、その……」

モテール「そうだ。いっそのこと、
     アイシスと寝床を代わってもらおう。
     アイシス、おまえはリュートの------」

どがっ!

モテール「うっ!」

モテールが倒れた。

その後ろに------

アイシスが立っていた。

どうやら強烈な一撃は、アイシスだったらしい。

アイシス「馬鹿」

アイシスはモテールの身体をつかむと、
ズルズルと引っ張っていった。

亡命貴族の娘だけに、それなりの誇りがあるのだろう。

というか、もう婚約したはずなのに、
あれではアイシスでなくても怒って当たり前だ。

リュート「プディング、いただいてもいいですか?」

ロクサーヌ「え、ええ」

おれは1つもらって、ぺろりと平らげた。

リュート「美味しい♪」

ロクサーヌ「よかった」

リュート「これ、おれがみんなに配りますから、
     ロクサーヌ様はみんなのお相手を」

ロクサーヌ「ありがとう」

宴は夜までつづき、お開きになった。

<2016/09/24 18:47 RUKA>消しゴム
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