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エッチな騎士の成り上がり
- 辺境乱乳編11 -

守備兵A「うへえ……うまいもん食えてよかったな」

守備兵B「ウサギのスープ、最高だった……」

守備兵C「おれはもう飲めないぞ……
     ワインで腹がたぷたぷだぞ……うへ」

守備兵たちは、大広間にごろりと横たわった。

早くもいびきをかき始めている。

かつてお城が生まれた頃は、城主も兵士も、
大広間で食事をし、
大広間で休んで寝食をともにしていたそうだ。

しかし、今や城主は別の部屋に引きこもり、
兵だけが大広間に残っている。時代は変わるものだ。

おれも兵士のそばに寝転がったが、
なかなか睡魔は訪れなかった。

シャムシェルもどこに行ったのか、姿が見えない。

(眠れないな……)

少し大広間の中心から離れると、見知った人影が立っていた。

そこにいたのは、同じように眠れない様子のアイシスだった。

リュート「眠れないのか」

アイシス「別に」

リュート「眠れないんだろ」

アイシスは答えなかった。

やはり、眠れないらしい。

アイシス「お腹がムカムカするわ。ひどいお酒。ここって最低ね」

リュート「そう、最低最低って言うなよ。
     王都が世界の基準ってわけじゃないだろ」

アイシス「人に意見できると思っているの?」

リュート「親衛隊だからって偉そうにしていたら、
     いざって時に人がついてこなくなるぞ」

アイシスが黙った。

痛いところを突かれてしまったらしい。

リュート「モテールのこと、考えているのか?」

アイシス「あなたに関係ないでしょ」

声が少し険を帯びていた。

やはり、そうだった。

モテールとアイシスは確か婚約者になったはずだ。

でも、モテールには女がいる。別の女と遊びまくっている。
きっとその女とは、今も関係が続いているのだろう。

なぜ、モテールなどと婚約したのだろう。

アイシスにだって選ぶ権利はあると思うが……。

アイシス「はあ……」

アイシスがため息をついた。

リュート「ベッドが変わると眠れないタイプだろ」

アイシス「だったら、何?」

リュート「眠れるようにしてやろっか?」

アイシス「あなたに何ができるっていうの?」

リュート「いいからじっとしてろ」

おれはアイシスの頭に手を伸ばした。

アイシス「汚い手でさわら------ひぁっ!」

伸ばした手を頭に置くと、ビクッとアイシスがふるえた。

アイシスはもう眠そうな顔をしている。
おれはゆっくりと手を離した。

アイシス「何を……したの……」

リュート「おまじない」

アイシス「わたしに変な真似をしたら……
     許さないん……だか……ら……」

倒れたアイシスを、慌てておれは抱き留めた。

まぶたはすでに閉じて、あちらの世界に行ってしまっている。

(ちょっとやりすぎたかな)

寝て重くなったアイシスの身体を両腕に抱くと、
おれは奥方の部屋へ運び込んだ。

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ロクサーヌ「まあ……」

ロクサーヌが驚いた顔をしていた。まだ普段着を着ている。
下着姿にはなっていなかったらしい。

リュート「夜分遅くにすみません……こいつが寝ちゃって」

ロクサーヌ「くす。きっと王都からの長旅で疲れたのね」

リュート「たぶん」

嘘だった。

おれが眠らせたのだ。

ロクサーヌ「こちらに寝かせて」

ロクサーヌは普段自分が使っているベッドに案内した。

旦那の長官には自分の寝室を譲ってまで
もてなそうという気がないらしいが、奥方は違うらしい。

アイシスの身体を横たえると、ロクサーヌは微笑んだ。

ロクサーヌ「この子も、もっと素直になればいいのにね。
      変に片意地なんか張らないで……。所詮、女は女なのに」

リュート「ええ……」

おっしゃる通りだ。

黙っていれば巨乳だし、結構いい女だと思うのだが、
なにぶん、性格に難がある。

リュート「で、では、おれはこれで……」

ロクサーヌ「待って。せっかくだからもう少し……」

リュート「いや、でも、女性の部屋に男がいるというのは------」

ロクサーヌ「二人きりではないわ。3人よ」

リュート「でも------」

ロクサーヌ「わたしのこと、お嫌い?」

そう言われると、首を振れなかった。

リュート「では、もう少し」

おれがそう言うと、ロクサーヌは安心したように微笑んだ。

リュート「ずいぶん遅くまでおきていらしたんですね」

ロクサーヌ「ええ……なんだか、お乳が張っちゃって」

リュート「……い?」

ロクサーヌ「わたし、変なの。子供もいないのに、お乳が出ちゃうの。
      だから、毎日搾らなきゃいけなくて……」

突然の告白にドキマギしてしまった。

ロクサーヌは母乳が出るというのだ。

思わず、飲みたい……と思ってしまったおれは、
自分を恥じた。

(だめだ!そんなけしからん妄想をするなんて!)

ロクサーヌ「ごめんなさい、変なお話をして」

リュート「い、いえ……いいお話です」

ロクサーヌ「そ、そう」

リュート「はい」

妙な会話である。

ロクサーヌ「いつもは召使におねがいするのだけど、
      酔っぱらって動かなくなっちゃったものだから……」

リュート「ま、まあ……宴会でしたし……」

二人はまた無言になった。

夜だけに、妙な雰囲気になってくる。

ロクサーヌ「リュート殿……」

ロクサーヌが、意味のある視線を向けてきた。

ドキッとした。

まさか。

乳を搾ってくださいとか言われるのか?

それはまずい。

自分の仕える長官の奥方。
しかも、不倫。国家が信奉する聖十字教は、
不倫を禁じている。

サキュバスとエッチするのまではまだいいとしても------いや、
あんまりよくはないが------奥方はさすがにまずい。

ロクサーヌ「またお会いできてよかった……
      悪魔と対決するってお聞きした時、
      もうお会いできないのかと……」

リュート「いや、まあ……」

ロクサーヌ「もう、今生のおわかれになるのかと……思っていました」

リュート「いえ……」

ロクサーヌ「でも……またお会いできて、本当によかった……」

リュート「……」

ロクサーヌ「リュート殿は、王都にステキな方とかいらっしゃるの?」

リュート「い、いえ、いませんけど」

ロクサーヌ「そう」

リュート「……」

ロクサーヌ「もし王都でリュート殿にお会いしていたら……」

リュート「え?」

ロクサーヌ「いえ。なんでもありません」

リュート「……」

ロクサーヌ「リュート殿」

リュート「は、はい」

ロクサーヌ「また、明日も部屋に来てくださる?」

リュート「は、はい」

ロクサーヌ「ほんとよ。わたし、毎日寂しいの」

リュート「は、はい、必ず」

ロクサーヌ「待ってます。絶対、会いにいらしてね」

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言われて外に出た。

大広間はもう静かになっていた。
みんな、すっかり寝ているらしい。

しかし、おれの方はまだ眠れそうになかった……。

<2016/09/24 18:48 RUKA>消しゴム
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