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エッチな騎士の成り上がり
- 辺境乱乳編12 -

目が覚めると、酒臭かった。

隣で寝ている守備兵たちが、酒臭い息を吐いている。
よっぽど飲みまくったらしい。

忠実でもない夢魔、シャムシェルの姿は見当たらない。

昨夜は何をしていたのだろう。

アイシス「あ」

リュート「おはよう」

現れたのは、アイシスだった。

相変わらず、おっきな胸だ。
でっかいオッパイが、親衛隊の服を思い切り突き上げている。

顔を見る限り、あれから熟睡できたのだろう。
しかし、表情が堅い。

明らかに、おれを訝(いぶか)しんでいる。

リュート「昨夜はよく眠れたろ」

アイシス「何をしたの?」

リュート「いや、話してたら勝手にアイシスが眠くなっただけだけど」

アイシス「……」

リュート「何」

アイシス「変なことをしなかったでしょうね」

リュート「してほしかった?」

アイシス「剣を抜いてほしい?」

アイシスの片手が長剣にかかる。

怖い睨みを利かせると、アイシスは立ち去った。

どうやら、おれが変なことをしたのではないか、
と疑っているようだ。

オッパイが好きだから?

騎士学校の頃にアイシスの胸ばかり見ていたから?

何度も食事に誘っては断られていたから?

とにかく、あの『手』は二度と使わない方がよさそうだ。
やはり、母の言いつけは守ろべし、か……。

???「何やったの?」

リュート「シャムシェル!」

おれは驚いて声を上げた。

シャムシェル「エッチなことした?」

リュート「誰が」

シャムシェル「したいくせに。あの子、オッパイおっきいよ」

リュート「そうだな、シャムシェルより大きいかもな」

わざと当てこすりをしてみたが、
シャムシェルは乗ってこなかった。

シャムシェル「今日、親衛隊は帰るの?」

リュート「じゃないの?」

不意にシャムシェルが口を寄せた。

シャムシェル「帰ったら、思い切りパ〇ズリしてあげる」

エッチなことを言って、シャムシェルは消えた。

相変わらず、頭の中にはエッチなことしかないらしい。
さすが夢魔というべきか、悪魔というべきか。

魔族って、みんなこうなのだろうか……?

考えてから、
結局昨夜どこに行っていたかを聞き忘れたことに気づいた。

まあ、いいさ。

そのうち教えてくれるだろう。

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昼過ぎ、長官に呼ばれて部屋に行くと、
モテールとアイシスが親衛隊姿で待っていた。

どうやら、別れの挨拶は済ませたらしい。

アーボイン「お帰りだ」

長官はおれの顔を見るなり一言、短く言った。
つまり、送っていけというわけだ。

モテール「では、長官。失礼します」

長官はうなずいただけだった。

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馬に乗って、
カッポカッポと音を立てて急な階段を降りていく。

おれにとっては、だんだん慣れてきた景色だ。

モテール「まったく、反吐が出そうな町だ。
     よくこんな町に暮らしていられるな」

リュート「住めば都だけどね」

モテール「何が都だ。
     貴様のようなゴミにはお似合いなのかもしれんがな」

リュート「人のことをゴミって言うやつの方が一番ゴミだと思うけど」

モテール「口だけは一人前だな」

モテールが並んで馬を歩かせる。

モテール「1つ、貴様に尋ねたいことがある」

突然、真顔でモテールが尋ねてきた。

モテール「あの部屋に悪魔がいるという噂はないか?」

おれは黙った。

悪魔って……まさか……。

モテール「おれが臆病とか思うなよ。おれは決してそんな男ではない。
     ただ、気になったから念のために尋ねているだけだ」

リュート「……聞いたことないけど」

モテール「そ、そうか。なら夢か……」

リュート「悪魔が出てきたの?」

モテール「ゆ、夢にだ。現実ではないぞ。現実ならば、
     おれが負けるはずがない。悪魔に尻を
     押しつけられるなど……あんな屈辱、許すものか……!」

リュート「……」

モテール「くそ、きっとこの町のせいだ。
     こんなところで一夜を過ごすから、妙な夢を見たのだ」

おれは黙っていた。

モテールが見たのは、恐らく夢ではあるまい。

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ボーアンの町を見晴らす丘にたどりつくと、
2人は町の方を振り返った。

これでアイシスともモテールとも、しばらくお別れだ。

モテール「世話になったとは言わぬぞ。格下の貴様には当然のことだ」

リュート「久しぶりに会えてよかったよ」

手を差し出すと、

モテール「フン。同期づらするな。おれと手を握れる存在だと思うな」

冷たくはねのけた。

リュート「じゃあ」

アイシスに手を出すと、アイシスはそっぽを向いてしまった。

リュート「道中、気をつけて。クサリヘビに噛まれないようにね。
     2人とも、身体壊さないでがんばって」

モテール「余計なお世話だ。------が、さらばぐらいはしてやる。
     もう貴様と二度と会うことはあるまい」

2人は背を向けると、馬に軽く鞭をくれた。
踵で腹に蹴りを入れる。

毛並みのいい高級な馬は、
しなやかな足運びで、並足で歩いていった。

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2人を見送ると、おれはボーアンの城に戻った。

もちろん、目的はただ1つ------。

シャムシェル「あ、お帰り、リュート♪」

朗らかな調子でシャムシェルが出迎えた。

気まぐれな夢魔のことだ。
きっとどこかでおれが同期の2人を見送るのを
見ていたに違いない。

リュート「モテールに尻を載せたのか?」

シャムシェル「何のこと?」

リュート「モテールのやつ、悪魔の夢を見たって言ってたぞ」

シャムシェル「くすくす。あんまりリュートに対して偉そうにするから、
       こらしめてやった。うんうん唸ってたよ」

リュート「まったく」

シャムシェル「くすくす」

嬉しそうにシャムシェルが笑う。

まったく、悪戯好きの悪魔だ。

でも、なんだか嬉しい。

おれは自分が凄い人間だとか凄い騎士だとか
思っていないけれど、おれのことを大切に思ってくれて
何かをしてくれるのは、悪魔であっても嬉しいことだ。

シャムシェル「で、昨日はやったの?」

不意にシャムシェルが冷やかしの表情を浮かべて尋ねてきた。

リュート「何が」

シャムシェル「奥方」

リュート「まさか。おれは騎士だぞ」

シャムシェル「夜の、でしょ?」

リュート「昼のだ」

シャムシェル「くすくす。待ってるのに」

リュート「けしかけるなって」

シャムシェル「あの人間、わたしより胸おっきいよ。
       王都でも、あんな胸が入るブラジャーってあるのかな」

真顔でシャムシェルが言う。

シャムシェル「リュートも、ほんとはさわりたいって思ってるんでしょ」

リュート「別に」

シャムシェル「嘘。隠したってわかるんだから。わたし、サキュバスだよ」

おれは苦笑した。

やはり、サキュバスには見抜かれてしまう。

昨日だって、あの胸をモテールに奪われてしまうのかと
ハラハラしたのだから。

シャムシェル「ちなみにあの長官は少女専門」

リュート「そうなのか?」

シャムシェル「あの長官と家令には気をつけた方がいいよ。
       裏で何を企んでいるかわからないから」

リュート「そうなのか?」

シャムシェル「そう。利用されないように気をつけないと。
       人妻のこともね」

リュート「人妻って?」

シャムシェル「くす。ほんとリュートって、な~んにも知らないんだから。
       どこかの王子様みたい」

くすくす笑って、
またシャムシェルはどこかへ消えてしまった。

なかなか、気まぐれな夢魔だ。

でも、おれといる限り、
人間を襲わないという約束は守ってくれているらしい。

意外に義理堅いというか、約束を守る夢魔だ。

子供の頃、魔族は嘘つきで謀(はかりごと)ばかり
考えていて、人間を裏切ることしかしない、なんて言っている
町の人もいたけど、シャムシェルはそうではないらしい。

それとも------

------あれって、誰かが流布した噂なのだろうか。

……。

でも、火のないところに煙は立たぬ。

大方、真実なのだろう。
シャムシェルだけ、特別なのかもしれない。

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夕方になると、おれはまた大広間に出て夕食を取った。

昨日は豪勢なご馳走ばかりだったので、
また鱈(たら)の塩漬けに戻ると、ちょっと寂しい気がする。
お祭りの後は、わびしい。

お腹いっぱいになると、おれは部屋に戻ることにした。

ロクサーヌには……会いたいけれど、
会わない方がいいような気がする。
会ってしまうと、今度こそ襲い掛かりそうだ。

リュート「!」

長官の部屋から飛び出してきた妙な男に、
おれはぎょっとした。

男はもの言わず、大広間を通りすぎていったが、
妙に記憶に残った。

確かに、あの男は長官の部屋から現れていたが------
何の用事だったのだろう。

あんなに姿を隠して。

シャムシェルの言葉が脳裏に蘇った。

<<あの長官と家令には気をつけた方がいいよ。
  裏で何を企んでいるんだか、わからないんだから>>

なんだか、きな臭い雰囲気だった。

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リュートが長官に疑心を懐きながら自分の部屋に戻った頃------

アーボイン長官とマドワーズは、
またしても2人顔を突き合わせていた。

マドワーズ「ようやく、先方から返事が来ましたね」

アーボイン「ようやくだな」

マドワーズ「なんと書いてあるんです」

アーボイン「……」

マドワーズ「アーボイン様?」

アーボイン「く……」

マドワーズ「?」

アーボイン「くくくく……あはははははははは!」

マドワーズ「アーボイン様!?」

アーボイン「やったぞ、マドワーズ。ついにこの時が来た!」

マドワーズ「ということは」

アーボイン「わしの力をお借りしたいと」

マドワーズ「おお!やりましたな!」

アーボイン「近いうちにここに来て正式に話をすることになるそうだ」

マドワーズ「おめでとうございます」

アーボイン「いよいよ、わしもこのくそ田舎からおさらばだ」

マドワーズ「となると、奥方も一緒ってことになりやすね」

アーボイン「馬鹿言え。あんな牛女を連れていけるか」

マドワーズ「口の悪いお人だ」

アーボイン「フン」

マドワーズ「じゃあ……やるんですね」

アーボイン「当たり前だ。やつが来た時から考えていたことだ。
      第一、おまえの発案だろ」

マドワーズ「忘れていやした」

アーボイン「調子のいいやつめ」

マドワーズ「くくく」

アーボイン「くくくく」

マドワーズ「じゃあ、あっしは予定通り、
      明日あの成り立て騎士のお坊っちゃまを------」

アーボイン「うまくやれ」

マドワーズ「お任せください。油に火をつけるのなんざ、簡単でさ」

<2016/09/24 18:50 RUKA>消しゴム
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