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エッチな騎士の成り上がり
- 辺境乱乳編25 -

それからは、シャムシェルの言う通りだった。

インラントから役人が駆けつけ、おれに事情聴取。
立ち会いの上、連日、ボボン王子とマドワーズの取り調べ。

1週間後には、王都からの使者が到着。
またボボン王子たちの取り調べとなった。

もちろん、ボボン王子は無罪を主張していた。

これは何かの陰謀で、自分は悪いことはしていない。
きっと自分をはめようという奸計だ。ここにいる
マドワーズとリュート・ヘンデが自分をはめたのだ。

でも、長官と王子の間に交わされた手紙の筆跡は、
間違いなくボボン王子のものだった。

マドワーズも、開き直ったのか洗いざらいを告白。

その告白にボボン王子は青ざめた。

ボボン王子は最後まで認めなかったが、
インラントの役人と王都の使者は、黒と判定したようだった。

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使者「明朝、容疑者を連れて帰る」

使者は、おれに対して言い放った。

リュート「ボボン王子とマドワーズをですか?」

使者「長官もだ」

リュート「長官は恐らく何も話ができないと思いますが……」

使者「容疑者をすべて王都に連行しろというのが、
   陛下のご命令だ。裏切り者はすべて、王都で裁く」

リュート「よろしくお願いいたします」

使者「もちろん、おまえにも来てもらうぞ」

リュート「わたしも王都に行くんですか?」

使者「当たり前だ。発見者はおまえだ。
   おまえが来なくてどうする」

確かにその通りなのだが、少し気になる。

リュート「何日ぐらいの逗留になるのでしょうか」

使者「何日?それはどういう意味だ」

リュート「いつ、ボーアンには戻れるのでしょう」

使者「おまえもなかなかおもしろいことを言うやつだな」

リュート「と言われますと?」

使者「これだけの手柄を立てた者を、
   こんなど田舎に放っておくわけばなかろう。
   王都に呼び戻されるものと思って間違いない」

リュート「え?
     まさか、ボーアンから異動になってしまうんですか?」

使者「運のいいやつだ」

リュート「そんな」

使者「そんな?おまえ、いやなのか?」

リュート「自分はここで充分です」

使者「それは陛下がお決めになることだ。
   陛下はおまえにたいそう興味をお持ちでいらっしゃる。
   ボーアンに戻ることはなかろう」

おれは目の前が真っ暗になった。

もうボーアンに戻ってこれない?

ロクサーヌには二度と会えないのか?

使者「出発は明日だ。すぐ準備をしておけ」

リュート「お待ちください。
     本当に、自分はボーアンに戻ってこられないんですか?」

使者「陛下はそのおつもりだ。滅多にないことだぞ。
   謹んでお受けしろ」

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おれは呆然としてしまった。

ずっとここにいるつもりだったのに------
ロクサーヌといるつもりだったのに、異動?

王都へ異動?

そんな。

そんな馬鹿な。

ようやくこのお城の主になったかと思ったのに、
わずか1週間。

このお城とも、1か月もせぬうちにおさらばだなんて……。

シャムシェルとも別れてしまうなんて……。

シャムシェル「な~にやってるの」

またシャムシェルが現れていた。

シャムシェル「王都に行くんだってね」

リュート「聞いてたのか」

シャムシェル「うん。よかったね」

リュート「よくないよ……おれ、ずっとここにいるつもりだったのに」

シャムシェル「いいじゃん。リュートは中央に行くべきなの」

リュート「そんな……おれ、ここでもよかったのに」

シャムシェル「リュートはそんなタマじゃないの」

リュート「でも……」

シャムシェル「でも、何?」

リュート「おれ、王都で成功したいとか、そういう気持ちないよ」

シャムシェル「あのね、リュート。人には器ってのがあるの。
       器には逆らえないの。大きな器の人は、
       器にしたがって人生を歩むの」

リュート「おれ、そんなに器なんて大きくないぞ」

シャムシェル「んもう、リュートは自己評価低いんだから。
       わたしが器が大きいって言ったら器が大きいのっ」

リュート「……」

おれは黙った。

ここは、おれにとってはただの町ではない。

初めてシャムシェルに出会った場所。

そして、ロクサーヌに出会った場所だ。

ロクサーヌばかりか、シャムシェルまでも失うのは、つらい。

シャムシェル「いっしょに王都に行こ。わたしもついてってあげる」

リュート「え?」

シャムシェル「来ないって思ってた?」

リュート「だって、王都までは------」

シャムシェル「悪魔はどこまでも行けるんだよ」

シャムシェルがくすっと笑ってみせる。

シャムシェル「わたしはいつだって、リュートのそばにいるよ」

リュート「シャムシェル……」

おれは思わず熱くなった。

ロクサーヌばかりか、
シャムシェルとも別れてしまうのかと思っていたのだ。

シャムシェル「早く出発の準備しよ。わたしも手伝ってあげる」

リュート「ありがとう……シャムシェル」

シャムシェル「王都に着いたら、倍返しね」

茶目っ気ある笑みを見せて、シャムシェルは笑ってみせた。

<2016/09/24 19:47 RUKA>消しゴム
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