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エッチな騎士の成り上がり
- 辺境乱乳編28 -

王都に着いたのは、3日後のことだった。

王子とマドワーズは即、牢獄に放り込まれ、
取り調べを受けた。おれは王都の宿に一泊し、
翌日、王宮に出かけた。

2週間ぶりとはいえ、懐かしい景観だった。

ボーアンに比べると、雲泥の差と思えるほど町が開けている。

華やかで、明るい騒々しさがあって、活気がある。

シャムシェル「人間って変なところに住んでるよね。
       魔族の宮殿の方が全然いかしてる」

シャムシェルが早速感想を披露してみせた。

リュート「魔族の宮殿なんかあるのか」

シャムシェル「あるよ」

リュート「魔族の遺跡は全部ぶっ壊したって聞いたけど」

シャムシェル「それがちゃんとあるのっ。覚えてない?」

リュート「なんで覚えてんだ?」

シャムシェル「ああ……そっか」

シャムシェルは黙った。

おれは宮殿のいかめしい門扉に近づいた。
伝令によると、宮殿内の謁見の間で
陛下が会ってくださると言う。

でも、謁見の間がどこにあるのか、おれにはわからない。

ガチッ!

衛兵A「待ていっ!」

おれが入ろうとすると、衛兵が立ちふさがった。

衛兵B「ン?おまえ、あの時の落ちこぼれか!
    ここは貴様のようなビリケツが来るところではない!
    帰れ!」

リュート「陛下に招待されたんだけど------」

衛兵A「は~っはっはっ!こいつ、勝手に話をつくってるよ!」

衛兵B「ビリケツすぎて、ついに頭の中
    おかしくなっちまったか、はっはっはっ!」

リュート「いや、本当なんだって。聞いてくれたらわかるから。
     謁見の間まで来いって言われてて」

衛兵A「信じるものか!ボーアンに飛ばされた人間が、
    どうしてここに舞い戻ってこれる!?」

衛兵B「大方都が恋しくて陳情しに来たのだろう。
    ククク、あきらめろ」

リュート「う~ん、どうしたら信じてくれるんだろう。
     お達し、来てないのかな}

衛兵A「さ、早く帰った帰った!
    帰らないと、この槍で串刺しにするぞ!」

リュート「そこのところを------」

???「リュート様」

衛兵を押し分けて、あの眼鏡の女性が現れていた。

相変わらずきりっと引き締まった感じで、隙がない。
にもかかわらず、その胸だけは大きく突き出している。

いいオッパイだ。無性に脱がしてみたくなるような乳だ。

眼鏡の女「今見えたのですか?」

リュート「あ、うん……だいたい、今」

エメラリア「お待ちしておりましたわ。わたくし、エメラリアと申します。
      どうぞ中へ」

衛兵B「いっ?」

リュート「入っていいの?」

エメラリア「陛下がお待ちです」

リュート「本当に入って平気?」

エメラリア「何か?もしかして、衛兵が失礼なことをしましたか?」

衛兵A「ぎくっ!」

衛兵B「ぎくぎくっ!」

エメラリア「もし失礼なことがありましたら、
      わたくしの方で処分いたしますが」

衛兵A「ど、どうしよう……」

衛兵B「首が飛んじゃう……」

おれは黙った。

正直に言ったら、
この衛兵は職がなくなってしまうかもしれない。

リュート「……その……」

おれは少し考えて口を開いた。

リュート「……卒業式の時に2人としゃべったことがあって、
     それで懐かしくて」

衛兵A「ほっ……」

衛兵B「よかった……」

エメラリア「そうでしたか。では、こちらへ」

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久々に入る宮殿の中だった。

何度見ても、この中にはの景色は美しい。
芸術と知性に満ち溢れている。

これこそが宮殿だ。

エメラリア「今回の働きについて、陛下は感謝されています」

リュート「たまたまなんだけど……」

エメラリア「騎士としてあるべき姿です」

リュート「ありがとう。あんまり誉めてもらったことないから、
     嬉しいね」

エメラリア「陛下が奥でお待ちです。こちらへ」

先にエメラリアが歩き出す。

シャムシェル「ご褒美、たんまりもらえるかもよ」

リュート「はは……」

シャムシェル「わたしも欲しいな~」

リュート「何がいい?」

シャムシェル「ブラジャー」

リュート「え?」

シャムシェル「くすくす。冗談。早く行っといで。
       わたしはこのあたりでブラブラしてるから」

リュート「うん……。ありがとうな」

シャムシェル「くす」

おれは小さく手を振ってシャムシェルと別れた。

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謁見の間に入った瞬間、おれは息を呑んでいた。

高く抜ける天井に、美しい天井画。
広々とした空間。その奥に、玉座のある二階がある。

前回宮殿に入った時には、ここには来ていなかった。

きっと騎士学校の卒業式はここで行われたに違いない。

おれは、その内装に圧倒されていた。

???「ほぼ時間通りか」

ぬぅっと不気味な人影が現れていた。

おれは一瞬、緊張を覚えた。

あの時出会った髭面の男------
エーデルラント王国の
宰相ルビーン・フォン・ベルンシュタインだ。

エメラリア「リュート・ヘンデを連れて参りました」

ベルンシュタイン「そのようだな」

宰相はおれをちらっと見やったが、
すぐに眼鏡の女性に顔を向けた。

ベルンシュタイン「すぐ陛下を」

エメラリア「はい」

眼鏡の女性が引き下がり、おれは宰相と二人きりになった。

なんだか、陰鬱な雰囲気だった。

黒く重たい圧力と雰囲気が、どよ~んとのしかかってくる。

この重たいいやな感じは何だろう。

あまり近づきたくないような気がする。

ベルンシュタイン「一度……会ったか」

リュート「は、はい」

ベルンシュタイン「貴様の顔には、高貴さが足りぬな」

リュート「え?」

ベルンシュタイン「のぼせるな。貴様は所詮、衛兵と同じだ。
         今回のことはたまたまにすぎぬ」

唐突な一言だった。

ベルンシュタイン「この世界に残りたければ、
         陛下の前では一言も口を利かぬことだ。よいな」

リュート「……」

ベルンシュタイン「返事は」

???「おおっ!そちがリュート・ヘンデか?」

部屋の中がぱっと明るくなったかと思うと、
階段を下りて元気な姿が現われていた。

身体中からエネルギーが放散している。

普通の人間とはオーラが違う。

エーデルラント国王ハーゲル1世陛下に間違いなかった。
おれは、即座に片膝をついてお辞儀をした。

ハーゲル1世「よいよい、堅苦しい挨拶は抜きだ。顔を見せよ」

おれは顔をあげた。

ハーゲル1世「待っておったぞ、リュート・ヘンデ!
       思ったよりも平凡な顔だな」

リュート「よく言われます」

ベルンシュタイン「!」

ハーゲル1世「ははは!素直な男だ!素直であることはいい!
       何よりも美徳だ!そう思わぬか、ベルンシュタイン!」

ベルンシュタイン「……た、確かに」

ハーゲル1世「聞いたぞ。ボーアンを荒らしまくっていた悪魔も
       退治したそうだな。奇跡を起こす顔というのは
       こういう顔かもしれんな。どう思う、ベルンシュタイン」

ベルンシュタイン「奇跡かどうかはわかりませぬが……」

ハーゲル1世「この者は器の大きな顔をしておる。将たる顔だ。
       大きなことはこういう顔に任せるに限る。そう思わぬか」

宰相が沈黙する。かまわず、ハーゲル1世は続けた。

ハーゲル1世「お手柄であったな、リュートよ。
       我が息子といえど、情けないことだ。
       真実を告げられて謀叛を企むとは、まるで子供だ」

リュート「……」

ハーゲル1世「皮肉にも我が息子がいかに王として不適格かが
       証明された形になってしまったが、
       今、このことを公にするわけにはいかぬ」

ハーゲル1世「今公にすれば、インラントの連中は元気づいて、
       ますます余への反抗を強めるだろう。
       そちは沈黙を守れるか?」

リュート「はい、陛下」

ハーゲル1世「うむ。国の危機は、いつでも驚きの形で訪れるものだ。
       しかし、今更貴族が主役の時代に戻すわけにはいかぬ。」

ハーゲル1世「いかなる犠牲を払ってでも、
       騎士官僚制は貫かねばならんのだ」

ベルンシュタイン「おっしゃる通りです、陛下」

ハーゲル1世「今、国内で長官職を置いてある箇所は24ある。
       そのうち半数が騎士学校出身の者、残りは地元の貴族だ。
       それでは国政は安定せぬ」

ハーゲル1世「残り12も、騎士が長官を務めるようにせねばならぬ。
       もちろん、貴族連中の抵抗はあるだろうが、
       それを乗り越えねばならぬ」

ハーゲル1世「時代は変わってあるのだ。これからは余の許に国が
       1つにまとまるようにせねばならぬ。そのためにも、
       騎士官僚制は、是非推し進めねばならぬのだ」

リュート「はい」

ハーゲル1世「うむ。ところで、そちには褒美を与えねばならぬな。
       危険な芽を摘み取ってくれたのだ。
       それ相応のことをせねば」

ベルンシュタイン「役職を与えるというのはいかがでしょう」

ハーゲル1世「役職か。役職なら、
       余はそちを親衛隊に取り立てたいと思うがどうだ?」

リュート「え------」

ベルンシュタイン「親衛隊ですか」

ハーゲル1世「不服か、ベルンシュタイン」

ベルンシュタイン「すでに今年の卒業者2名が入っておりますゆえ」

ハーゲル1世「この者は余の危険な芽を摘み取ってくれた者だ。
       手許に置いておきたいと思うのは自然ではないのか?」

ベルンシュタイン「しかし、危険といえば、インラントの反乱軍でございます」

ハーゲル1世「ああ……ワッケンハイムの『伜』か。
       ヴンダーバルト城は余の頭痛の種だ」

ベルンシュタイン「はい。陛下の推し進める騎士官僚制に
         不満を持つ者の拠点となっております」

ハーゲル1世「困った輩だ。もう5年も余に反抗しておる」

ベルンシュタイン「かつてのように城ごとに関税を認めよ、
         長官は必ず貴族から出せなどと、
         ふざけた戯れ言を申す不届き者でございます」

ハーゲル1世「当初からワッケンハイムは余に反対であった。
       今は早すぎる、時機を待てとうるさく詰め寄ったものだ」

ベルンシュタイン「伯爵には王国の未来が理解できなかったのでありましょう」

ハーゲル1世「『伜』になって解決するかと思ったが、
       相変わらずインラントにこもっておる」

ベルンシュタイン「はい。何度も将軍を送り込んではおりますが、
         いまだに討伐した者はおりませぬ。
         その司令官に任じるというのはいかがでしょう?」

ハーゲル1世「司令官にか……?」

ベルンシュタイン「はい」

ハーゲル1世「しかし、まだ軍を束ねた経験はなかろう」

ベルンシュタイン「はい。されど、陛下はさきほど、奇跡を起こす顔だと
         評されました。数年討伐できぬ敵を倒すためには、
         奇跡を起こす顔が必要ではないでしょうか」

ハーゲル1世「一理あるな。力ではなく、運で崩すか」

ベルンシュタイン「いかがいたしましょう」

ハーゲル1世「うむ。大胆な案だ。気に入ったぞ」

ベルンシュタイン「では------」

ハーゲル1世「ただ、余としては親衛隊も捨てきれぬ。
       いっそのこと、この者に選ばせてはどうか」

ベルンシュタイン「選ばせる……ですか」

ハーゲル1世「不服か?」

ベルンシュタイン「いえ」

ハーゲル1世「うむ。どうだ、リュート。そちはどちらがよいか」

<2016/09/24 22:11 RUKA>消しゴム
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