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エッチな騎士の成り上がり
- 叛乱軍性圧編04 -

リュート「殺し屋?」

早朝------部屋に運び込まれた朝食の白パンを食べながら、
おれはシャムシェルに聞き返した。

リュート「撃退してくれたの?」

シャムシェル「ううん」

リュート「え?倒してくれたんじゃないの?」

シャムシェル「だって、勝手に帰っちゃったよ」

リュート「どうして?」

シャムシェル「腕と足に聞いてみたら?」

リュート「腕と足?」

おれは自分の腕と足を見てみたが、別段異常はない。
いったい、寝ているうちに何をしたというのだろう。

昔から、相当寝相が悪くて、
同い年の友達はいっしょに寝るのをいやがっていたが……。

リュート「わざわざ暗殺に来るなんて、暇な連中だな」

シャムシェル「早すぎると思わない?」

リュート「何が?」

シャムシェル「到着してその日だよ」

リュート「なかなか準備がいいな」

シャムシェル「感心してる場合じゃないよ。
       きっとリュートが来る前から暗殺の計画を立ててたんだよ」

リュート「ふ~ん。おれなんか殺したって、大勢変わらないのにね」

コンッコンッ!

リュート「誰?」

ワン・コアン「ワン・コアンでございます」

リュート「入って」

ワン・コアン「おはようございます。朝のデザートをお持ちしました。
       パイでございます」

リュート「ありがとう。昨夜、侵入者がいたみたいだね」

ワン・コアン「侵入者?」

リュート「なんか、おれを殺しに来たみたい」

ワン・コアン「それは本当でございますか」

リュート「らしいんだけど、知らない?」

ワン・コアン「きっとヴンダーバルト城の者でございましょう。
       過去にも、何度も司令官が暗殺されておりまして、
       恐らく、ワッケンハイムの差し金かと」

リュート「敵も耳が早いな」

ワン・コアン「申し訳ございません。早速警備を強化するように、
       兵士に強く申しつけておきます」

副官は礼をして立ち去った。

シャムシェル「過去に何度もだって」

リュート「ワッケンハイムって人、そういうことをする人なのかな」

シャムシェル「さあ。知らないけど」

おれは首をひねった。

英雄ワッケンハイム将軍は、決して策謀のない人ではない。

でも、何度も暗殺を繰り返すような将軍ではなかったように
思う。今は跡継ぎの『伜』が司令官に就いているというから、
もしかして宗旨変えをしたのかもしれないが------。

ガチャッ!

不意にノックなしにドアが開いていた。

なかなか礼儀知らずの人間がいたものである。
誰かと思って首を向けると------

入ってきたのは、こともあろうに老将3人だった。

リュート「あれ?昨日帰ったんじゃなかったの?」

フェルゼン「刺客が来たというのは本当か?」

リュート「本当だよ」

フェルゼン「そんなはずがない。
      もし来たとすれば、貴様に倒せるはずがない」

リュート「それが3人ともやられちゃったみたい」

ザント「フェルゼン殿、こやつ……」

フェルゼン「なるほど。そういうことか」

突然、フェルゼン将軍がにやりと笑った。

フェルゼン「飛んだ猿芝居だな」

リュート「猿芝居?」

フェルゼン「自分に中身がないことがわかっておるから、
      刺客を撃退したと嘘の武勇伝をこしらえて、自分が優れた
      騎士であるかのように見せつけようという魂胆であろう」

リュート「え?そんなずるい方法があるの?」

フェルゼン「貴様が今行ったことだ!」

リュート「おれ、何もしてないけど」

フェルゼン「司令官といえど、所詮最下位は最下位だな。
      恥知らずに変わりはない。今すぐ、司令官の職を辞せ」

リュート「やることやったら辞めるよ」

フェルゼン「貴様……本気でヴンダーバルトを落とすつもりか」

リュート「ヴンダーバルト城を落とせなくても、
     敵将を落とせばいいんでしょ?」

ザント「それができれば苦労せぬわ。
    相手はワッケンハイムの『伜』だぞ!?」

リュート「うん、だから偵察してこようかなと思って」

ザント「そのような下っぱのすることを------」

リュート「でも、人から聞くのと自分の目で確かめるのって
     違うじゃない?だから、見ておこうと思って」

フェルゼン「いくらやっても無駄なことだ。貴様にはお似合いだがな」

おれは白パンを口に入れてムシャムシャと頬張った。

リュート「ヴンダーバルト城って、落とすのは難しい?」

フェルゼン「貴様に説明してもわかるまい」

リュート「3人の中で、一番城攻めが得意なのは
     フェルゼン将軍でしょ?将軍に一任しても、無理?」

フェルゼン「できると言ったら、わしに任せるつもりか」

リュート「うん」

フェルゼン将軍は少し沈黙した。

フェルゼン「過去100年、あの城を陥落させた者はおらぬ」

リュート「将軍に秘策はある?」

フェルゼン「……」

リュート「少し考えておいてよ。おれも、昼頃に偵察してくるから。
     お城のまわりをぐるっとまわってくる」

フェルゼン「偵察しても無駄なことだ」

リュート「いっしょに来る?」

フェルゼン「断る」

老将たちは部屋の外に立ち去った。

シャムシェル「相変わらず感じ悪いの。食っちゃおうか?」

リュート「だからやめろって……」

<2016/09/25 19:16 RUKA>消しゴム
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