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エッチな騎士の成り上がり
- 叛乱軍性圧編11 -

お城に戻ると、
ワン・コアンが早速おれをみつけて駆け寄ってきた。

ワン・コアン「リュート様!いったいどちらへ------」

リュート「大聖堂に行ってた」

ワン・コアン「大聖堂?お祈りにですか?」

リュート「密会」

ワン・コアン「は?」

リュート「冗談だよ」

おれは嘘をついた。

グラディスと会っていたなんて言ったら、
卒倒してしまうかもしれない。

ワン・コアン「王都からお客様がお見えです。早くお部屋へ」

リュート「お客様って、誰だろう」

シャムシェル「女将軍だったりして」

リュート「まさか」

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コンッコンッ!

部屋で待っていると、ノックの音がした。

ワン・コアン「王都からのお客様をお連れいたしました」

リュート「入って」

ガチャッ!

リュート「アイシス!それに、モテール!」

おれは思わず立ち上がった。

同期のアイシスとモテールだった。

リュート「いったいどうしたの?」

モテール「武器を……届けに来ただけだ」

リュート「持ってきてくれたんだ!よかった~、
     武器庫が空っぽでさ、どうしようって思ってたんだ」

モテール「貴様のためにやったわけではない!」

リュート「事前に連絡をくれたらよかったのに」

モテール「今回の任務は隠密だったのでな」

モテールは、苦虫を噛みつぶしたような顔で
部屋の中を見回した。

モテール「分不相応な部屋で暮らしているな。
     貴様にはもったいなさすぎる」

リュート「そうなんだよ、凄い部屋で驚いてるんだ。
     ボーアンは結構ぼろかったからね」

モテール「くっ……おれよりいい部屋に住むなど、
     冗談にもほどがある。用兵も知らぬ貴様が司令官など……」

アイシス「モテール!」

モテール「わかっている」

リュート「アイシスもしばらく見ないうちにまた美人になったね」

アイシス「お世辞は結構です、司令官殿」

リュート「まあ、今日はゆっくりしていってよ。
     敵さんも攻撃してこないと思うし」

モテール「その自信はどこから湧いて出てくる!」

リュート「さあ、どこだろう」

モテール「貴様……先に出世したと思って馬鹿にしているのだろう」

リュート「別に。馬鹿にしているのはモテールだろ?
     別に気にしないけど」

モテール「覚えていろよ。貴様が落ちぶれた暁には、
     ゴミを投げつけてやる」

ワン・コアン「コホン」

ワン・コアンが渋い顔をして立っていた。

ワン・コアン「言葉づかいには注意されますように。
       たとえ実力のない司令官といえど、司令官です」

なかなかはっきり言う。

でも、あまり気にならない。

モテール「フン。おまえの様子を見たら、明日には帰る」

3人は部屋を出ていった。

シャムシェル「相変わらず生意気なやつ。あいつも食っちゃおうか?」

リュート「だから食わなくていいって」

シャムシェル「ほんと、むかつく。リュートのことを馬鹿にして」

リュート「またお尻を載せるとかするなよ」

シャムシェル「今度はオッパイビンタしてやろうかな」

リュート「……」

シャムシェル「あ。オッパイはおれのもんだって思ったでしょ」

リュート「別に」

シャムシェル「くすくす。じゃあ、オッパイではしない。
       代わりに部屋から放り出してやろうかな」

リュート「だからやめとけって」

シャムシェル「リュートったら、ほんと人がよすぎるんだから」

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それからちょっとした宴がおれの部屋で開かれた。

夕食が終わると、チェスだった。

ワン・コアンとモテールの対決だ。

老将たちが見守る中、モテールは圧勝してみせた。

モテール「フン。相手に不足ありすぎだな」

ワン・コアン「非常にお強いですな」

モテール「当たり前だ。おれに勝てる者は、グラディス以外おらん」

リュート「グラディス?
     グラディスって、あのワッケンハイム伯爵の娘?」

モテール「馬鹿者め。彼女しかおらんだろう」

リュート「剣じゃなくてチェスも強いんだ」

モテール「昔教わっていた。彼女が叛乱に加担など、愚かすぎる。
     剣とチェスの腕前はよくても、頭はからっきしだな」

おれはその逆だと思った。

恐らく、グラディスは猛烈に頭がいい。

頭がいいから、逆に叛乱に加担しているのだ。
彼女には、モテールには見えないものが見えているに
違いない。

ワン・コアン「それでは、そろそろわたくしは眠らせていただきます。
       明日の準備がございますので」

モテール「そんな時間か。おれもそろそろ寝るかな。
     部屋は別々にしてくれただろうな」

ワン・コアン「はい」

モテールが不意にワン・コアンに顔を近づけた。

モテール「女は用意してあるか」

ワン・コアン「はい、ゆっくりお休みになれるようになっております」

モテール「そうか。では、寝るか」

モテールとワン・コアンは一足先に出ていった。

アイシス「……」

アイシスは一人、沈黙していた。

婚約者の彼女は、
本来ならモテールと同じ部屋に寝てもおかしくはないはずだ。

でも、別々の部屋。

婚約者なのに、一向に距離が近づく気配はない。
仕事場も同じなのに------二人は不仲なのだろうか。

フェルゼン「我々も下がらせてもらう」

リュート「遅くまでお疲れ様です」

ザント「まあ、よく寝ることだな」

シュラム「知らぬことはいいことだ」

リュート「?」

3人は出ていった。

リュート「あれ?まだ残ってたの」

アイシス「ええ。仕事だから」

リュート「よかったらおれといっしょに寝ていく?」

アイシス「成り上がり者と寝る趣味はないわ」

リュート「やっぱり」

アイシス「……」

リュート「じゃあ、お休み」

おれが背を向けようとすると、

アイシス「------これ」

アイシスは不意に密書を取り出していた。

アイシス「陛下から。あなたに渡してくれって」

リュート「おれに?何が書いて------」

アイシスはすぐに部屋を出ていった。

リュート「何だろうね」

シャムシェル「エッチの仕方が書いてあるんじゃない?」

リュート「んなわけないだろ」

シャムシェル「ククク」

シャムシェルが笑う。

明らかにウケ狙いで言ったらしい。

シャムシェル「じゃあ、宝のありか」

リュート「もっとありえないだろ」

シャムシェル「くすくす」

リュート「読んでみればわかるか」

おれは密書を開いて読み始めた。

それは------ひとつの警告と告発だった。

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リュート・ヘンデが自室で密書を熟読している頃、
お城の中では2人の男が密かに顔を合わせていた。

モテールと副官ワン・コアンである。

モテール「宰相閣下からのものだ」

手渡したのは、同じく密書だった。

モテール「読んだらすぐ燃やすようにとのお達しだ」

ワン・コアン「ありがたくいただきます」

モテールが立ち去ると、
ワン・コアンはにやりと笑みを浮かべた。

ワン・コアン「さて、閣下は何をお願いされているのやら……
       恐らくあれのことであろう」

ワン・コアン「どう始末してくれるかな……ククク……」

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やがて------

モテールとアイシスが別の部屋で眠り、
城中のほとんどが寝静まった頃------

------ビュステンハルター城の司令官の部屋に、
怪しい男2人組が現われていた。

昨夜雇われた暗殺者である。

見張りの兵はいったいどうしたのか。
監視の目をすり抜けて来たのか。

リュート「zzz……zzz……」

リュートは鼾をかいて、すっかり眠り込んでいる。

暗殺者D「ふふふ、よく寝ておる」

暗殺者E「間抜け面もいいところだな」

その隣に、悪魔が一匹降り立った。
もちろん、2人の暗殺者は知らない。

シャムシェル「誰が間抜けだ。リュートのことを無茶苦茶に言って。
       食っちゃうぞ」

独り言を呟(つぶや)く。

もちろん、2人の暗殺者には聞こえない。

暗殺者D「たんまり金をもらったが、苦労せずに済みそうだな」

暗殺者E「楽な仕事だ」

暗殺者D「悪く思うなよ。こっちも仕事なんでね」

暗殺者E「まあ、明日には顔が腫れて口も利けねえだろうよ。おらっ!」

サッ!

暗殺者2人が身構えた途端、

リュート「うがぁぁっ!」

リュートが寝返りを打っていた。
と同時に、ぶんと振り回された拳が猛烈な勢いで
暗殺者の顔面を直撃していた。

ドンッ!

暗殺者D「ぐおおおっ!」

どさっ!

見事な一撃に、1人がその場に倒れた。

暗殺者E「おおう!ま、まさか、こやつ、起きてるのか?」

リュート「zzz……」

暗殺者E「おい。起きろ」

リュート「zzz……」

暗殺者E「まさか、こいつ寝ながら倒したというのか?
     そんなはずはない」

リュートは爆睡している。

暗殺者E「依頼通り軽くぶちのめすつもりだったが、気が変わった。
     骨を一本折ってやる」

暗殺者が手首をつかもうとした途端、
勢いよく伸びた足が男の膝の裏を直撃していた。

暗殺者E「ぐおおおうっ……!」

思わずよろめく。

そこへ、

リュート「うがぁぁっ……!」

リュートの拳が飛んでいた。

ドンッ!

暗殺者E「ふげっ……!!」

暗殺者はその場に倒れた。

うんともすんとも言わない。

シャムシェル「凄いなあ。リュート、一撃。起きてる時より強いかも」

シャムシェル「くす。さすがリュート。ほんと、『夜』は強いんだから」

リュート「むにゃむにゃ……」

シャムシェル「こいつ、どうしようかな。食っちゃおうかな」

リュート「zzz……」

シャムシェル「ねえ、リュート。どう思う?」

リュート「ううん……むにゃむにゃ……」

シャムシェル「あ、そう、リュートも食った方がいいって思う?
       そうだよね、悪いことしたもんね。天罰が必要だよね」

リュート「zzz……」

シャムシェル「じゃ、食っちゃおっと。いただきま~す」

シャムシェルがしゃがみこみ、男の身体が跳ね上がった。
悲鳴は上がらなかった。

男2人は、絶頂の中で呆気なく死を迎えた。

<2016/09/29 00:06 RUKA>消しゴム
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