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エッチな騎士の成り上がり
- 叛乱軍性圧編23 -

コンッコンッ!

ワン・コアン「ワン・コアンです」

ワン・コアン「こ、これは……司令官、縄もつけずによいのですか?
       この者は人間兵器ですぞ」

グラディス「兵器ならおまえの前におる。
      この者は、女にとってもまことに快き兵器であった」

フェルゼン「オ、オホン!」

おれは黙った。

兵器とは、もちろんおれのことである。

ワン・コアン「とにかく、縄はつけさせていただきます」

リュート「その必要はない」

ワン・コアン「司令官!」

リュート「命令だよ」

ワン・コアン「しかし!」

リュート「それよりも、後のことをきっちり決めておきたいんだ。
     反乱軍は誰も処罰しない、グラディスも断頭台に送らない」

ワン・コアン「それは陛下が決められることです」

リュート「陛下から好きにしていいって委任されてるんだ」

ワン・コアン「それは過去のことでございます。今はどう言われるか。
       危険な芽はやはり摘み取っておかねばなりませぬ。
       即刻絞首刑に処すのがよいと思いますが」

グラディス「ククク……何を怖がっておるのだ、ワン・コアン」

ワン・コアン「何のことでございますか」

グラディス「危険な芽とは、おまえにとってということではないのか」

ワン・コアン「よくわかりませぬが」

グラディス「リュート・ヘンデがこの城に到着した時に、
      刺客を放ったのは誰であろうな」

フェルゼン「!」

ワン・コアン「はて、何のことでございましょう」

グラディス「新しい司令官が着任するたびに、
      オレに極秘の情報を送って殺害に手を貸していたのは、
      誰であろうな」

ワン・コアン「どうやらご婦人は昨日のチェスの負けで
       頭がおかしくなってしまわれたようだ。衛兵!衛兵!」

グラディス「見苦しいぞ、ワン・コアン!
      オレはおかしくはなっておらぬ!」

グラディス「貴様は自分からオレの手先になると
      申し込んできたではないか!
      その代わり、命だけは助けてほしいと」

フェルゼン「ワンコイン!貴様!」

ワン・コアン「ワン・コアンです!
       何度お間違えになられたらわかるのですか!」

フェルゼン「名前などどうでもよい!今のは誠か!」

ワン・コアン「これはフェルゼン将軍らしくない。
       早くも敵の術中に引っ掛かるとは」

ワン・コアン「わたくしを亡き者にした後で、
       この城を乗っ取ろうという敵将の戦略が見抜けませぬか!」

グラディス「それはおまえの方であろう。
      ずいぶんと端金(端金)がたまったのではないのか」

ワン・コアン「衛兵!衛兵!」

グラディス「都合が悪くなると兵士に頼るか。
      確か、武器庫を空にしたのも貴様であったな。
      攻め落とすなら今でございますと。オレは乗らなかったが」

ワン・コアン「司令官!この女の戯れ言に惑わされてはなりませぬぞ!
       わたくしがこの城のためにどんなにどんなに心を
       砕いてきたかは------」

リュート「おれ、昨日のアップルパイ、持ってるんだよね。ほら」

取り出したアップルパイを目の前に、
ワン・コアンが初めて狼狽の表情を見せていた。

リュート「これ、食べてみる?」

フェルゼン「は?今はアップルパイなど------」

リュート「ワン・コアン、食べる?」

ワン・コアン「結構でございます」

リュート「遠慮しなくていいよ」

ワン・コアン「いえ、お腹がいっぱいでございますから」

リュート「命令だ。このアップルパイを食べよ」

フェルゼン「……司令官」

リュート「いいから食べよ」

ワン・コアン「お……お断りいたします」

リュート「毒でも盛ってると思ってるの?」

ワン・コアン「わたくし、アップルパイは嫌いでございます」

リュート「ならば、なおのこと命ずる。
     ただちにこのアップルパイを食べよ」

ワン・コアン「……」

リュート「どうして食べぬ?」

ワン・コアン「お腹が……」

ぐぅぅ……。

ぐぅぅと腹の音が鳴った。ワン・コアンの腹の音だった。

リュート「お腹ねえ」

ワン・コアン「……」

フェルゼン「司令官、これは------」

リュート「この中に、腹下しが入っていたんだ」

フェルゼン「腹下し!?」

リュート「これを料理人につくらせたやつがいる」

フェルゼン「料理人に!?」

フェルゼンの目がワン・コアンを向いた。

フェルゼン「まさか、貴様------」

リュート「料理人に聞いてみようか。
     昨日おれにアップルパイをつくるように命令したのは誰か」

ワン・コアン「……」

リュート「食べられないのは、
     この中に腹下しが入っているのを知っていたから」

リュート「そしてそのことを知っているのは、料理人と、
     その料理人に命令をしたその張本人だけ------」

フェルゼン「ワンコイン!貴様、司令官を------!」

ワン・コアン「ち、違います!わたくしではございません!」

フェルゼン「貴様意外に誰がおる!」

ワン・コアン「わたくしが自分の意思でやったのではございません!
       わたくしは上からの命令で------」

フェルゼン「上から!?誰だ、それは!」

ワン・コアンがはっとした表情を見せた。

そのことは口にしてはいけないことになっていたに違いない。

不意に懐から妙な包みを取り出すと、いきなり呷った。

グラディス「しまった!」

フェルゼン「待て、貴様!」

ワン・コアン「自分の意思でございます。
       わたくしは自分の意思で------ごわぁぁぁっ!」

グサッ!

血を噴いて、ワン・コアンはその場に倒れていた。

フェルゼン「ワン・コアン!ワン・コアン!」

ようやくフェルゼン将軍がまともに名前を呼んだというのに、
すでにワン・コアンはこと切れていた。

グラディス「これで誰が裏切り者か、わかったようだな」

フェルゼン「……他に内通者は?」

グラディス「こいつだけだ。
      チェスの話を持ってきた時のやつの顔が思い出される」

グラディス「あの馬鹿司令官はチェスがだめだから、
      チェスで行きましょうと、ニヤニヤしながら言いおった」

フェルゼン「……」

リュート「……やっぱり、手紙通りだったのか」

フェルゼン「手紙?」

リュート「陛下から密書に、裏切り者がいるって書いてあったんだ。
     名前はわからなかったみたいだけど」

フェルゼン「まさか、こやつだったとは……」

グラディス「報告することが1つ増えたようだな、フェルゼン」

フェルゼン「むぅ……」

グラディス「親衛隊の馬鹿どもを呼ぶがいい。
      こういうことには役に立つ」

フェルゼン「衛兵~~っ!衛兵~~っ!」

フェルゼンが声を張り上げた。

おれは黙って、ワン・コアンの死体を見下ろしていた。

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------夜が、ビュステンハルター城に訪れていた。

おれの部屋に呼び出されたモテールとアイシスは、
驚いていた。

まさか、
ワン・コアンが裏で手を引いていたとは思わなかったようだ。

死体を片づけて、グラディスからも話を聞いていた。

その後、再び将軍たちも集めて、
反乱軍をどうするかの話をして、ようやく、夜に解散した。

シャムシェル「大変な一日だったね~」

リュート「どこにいたんだ」

シャムシェル「大聖堂」

リュート「……」

おれは思わず沈黙した。

その話を聞くと、
あそこで祈りを捧げるのはやめようという気分になってくる。

リュート「アップルパイ、助かったよ。
     あれがなかったら、しらばっくれてたと思う」

シャムシェル「くす。リュート、また出世だね」

リュート「うん……でも、自分の力じゃなくて、
     シャムシェルのおかげだからな」

シャムシェル「わたしを惚れさせたリュートの力なのっ。
       自分1人でやることだけが偉いわけじゃないんだよ?
       人から助けてもらえるのも、その人の力なんだから」

リュート「そうなのかな」

シャムシェル「そうなの。というわけで、ご褒美くれない?」

おれは微笑んだ。

豊満に発育した身体を引き寄せて、ちゅっとキスをする。

シャムシェルが夢中でおれの舌を吸う。
それだけで痺れそうになる。

シャムシェル「王都に行ったら……またいっぱいエッチしようね……」

リュート「うん……」

シャムシェル「リュートのお嫁さんに……わたしも考えてね……」

どうやら、グラディスの話を聞いていたらしい。

リュート「しっかり考えておくよ」

シャムシェル「正妻はわたしなんだから……」

おれも夢中でシャムシェルの舌を吸い返しながら、
それも悪くない……なんて、ふざけたことを、
本気で考えていた。

投稿遅れました。
すいません
<2016/10/23 10:19 RUKA>消しゴム
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