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エッチな騎士の成り上がり
- 王都淫謀編03 -

アイシスが去ると、冷たい目で宰相はおれを見た。

ベルンシュタイン「お楽しみかな」

リュート「少々疲れました」

ベルンシュタイン「疲れにはワインが効く。是非これを」

宰相がエメラリアからワイングラスを受け取って
おれにさし出した。

赤ワインだ。

飲めないわけではないが、おれは宰相の笑みが気になった。

なぜ……笑っているんだ?

ベルンシュタイン「さあ」

リュート「結構です」

ベルンシュタイン「宰相のワインが飲めぬと」

リュート「英雄は酒に弱いのです」

ベルンシュタイン「閣下のような英雄が、
         ワインぐらい飲めぬとおっしゃるのか?」

挑発的な眼差しで宰相がおれを見つめる。

どうあってもワインを飲ませるらしい。

おれは手を伸ばした。

フェルゼン「無理強いするでない、ルビーンよ」

フェルゼン将軍が割って入っていた。

フェルゼン「英雄に無理矢理酒を飲ませるのが宰相の仕事か」

ベルンシュタイン「将軍には関係のないことだ」

フェルゼン「関係がある。
      わしはリュート閣下の下(もと)で働いたのだ」

ベルンシュタイン「わたしは大切な話をしているのだ」

フェルゼン「大切な話なら、酒は必要なかろう」

ベルンシュタイン「……」

フェルゼン「……」

2人が睨み合う。

ベルンシュタイン「どうやら、将軍はまた地方で働きになりたいようだ。
         もったいないことですな」

フェルゼン「ずっとわしを冷遇してきおって、
      よくそのようなことが言える」

ベルンシュタイン「わたしはこれでも将軍を評価してきたつもりですがな」

フェルゼン「そうであろうよ。
      だから、貴様はわしはずっと遠ざけてきたのだ」

ベルンシュタイン「……」

フェルゼン「今宵の主賓はリュート閣下だ。
      主賓に無理矢理酒を勧める馬鹿がおるか」

ベルンシュタイン「今度はボーアンだぞ」

フェルゼン「勝手にせい」

後にはフェルゼン将軍が残った。

リュート「またお会いできて光栄です、フェルゼン将軍」

フェルゼン「それはわしの台詞です、閣下。
      ザント将軍にはお会いになりましたか」

リュート「祝いに来たわけじゃないって言ってたけどね」

フェルゼン「あのひねくれ者、またそのようなことを」

リュート「さっきはありがとう。
     どうやって断ろうかと思っていたから、助かったよ」

フェルゼン「ルビーンにはいっぱい恨みがありますのでな」

にやっとフェルゼン将軍が笑う。

フェルゼン将軍は、エーデルラント王国切っての武闘家で、
軍師でもある。

格闘術にも優れ、拳での殴り合いには敵う者がいない。

英雄ワッケンハイム将軍の次はフェルゼン将軍と
言われたこともあるが、歯に衣着せぬ言動で、
地方軍の将軍ばかり務めさせられてきた。

上に楯突くので、部下や下の者には人気があるが、
上の者にはあまり覚えがよろしくない。

特に宰相とは犬猿の仲で、陛下に対して宰相の罷免を
迫ったことがあるらしい。それが原因で左遷の人生を
歩んできたという噂だったが、どうやら事実のようだ。

去年、数十年ぶりに王都に戻ったのは、
王妃の遺言によるものだったという。

フェルゼン「飲み物には注意されることです。もちろん、食べ物にも」

リュート「何か入っていたの?」

フェルゼン「ルセリア姫のおそばにいらっしゃるのが、一番安全ですぞ」

一言言い残すと、
フェルゼン将軍は人込みの中に消えていった。

もしかして、宰相が渡そうとしたワインには、
何か入っていたのだろうか。

おれは辺りを見回した。

宰相の姿はない。

ルセリア姫の姿も、ない。
もしかして、身体を壊して欠席しているのだろうか……?

そう思った時、

???「どなたか、お捜しですか?」

振り向いたおれは、あっと息を呑んだ。

まさに捜していたその人------憧れのルセリア姫だった。

ルセリア「おめでとうございます」

リュート「ありがとうございます。
     お姿が見えないものだから、今日はお休みなのかと」

ルセリア「そんなことありません!
     たとえ風邪を引いても参ります!」

ルセリア「あ」

ルセリア「大きな声を上げてごめんなさい……」

ルセリアが恥ずかしがった。

なんだか、凄くかわいい。

それに------

おれは視線を下げた。

本当に大きなオッパイだった。
何度見ても、法外な大きさだ。人間離れしている。
でも、美しく、色っぽいのだ。

何度会っても、
会うたびについついその豊かすぎるバストを見てしまう。

ルセリア「いつも通りのドレスにしてみたのですけど……
     いけませんでした?」

リュート「いえ……凄くいいです」

ルセリア「よかった」

リュート「ずっと、お会いしたいと思っていました」

ルセリア「わたくしもです……
     グラディスお姉様のことも寛大にしていただいて」

リュート「お姉様?」

ルセリア「あ、血はつながっていないんです。
     でも、わたくしには姉がいませんから、勝手にお姉様と……
     子供の頃から、よく遊んでいただいてたんです」

リュート「そうだったんですか」

ルセリア「ですから、グラディスお姉様が反乱軍に加わったって
     聞いた時から心配で……どうしてお姉様が
     そんなことをされるのだろうと」

リュート「そうでしたか……」

ルセリア「本当にありがとうございます。
     リュート様の一言がなければ、
     お姉様は処刑だったとお父様からお聞きしました」

リュート「陛下が寛大な措置を取られただけです」

ルセリア「いいえ、リュート様のおかげです。
     本当に何とお礼を申し上げていいのやら」

リュート「いえ……」

なんだか、嬉しい。

こんなにルセリア姫に感謝されるなんて……。

では、お礼の代わりに乳を一揉みと言いたくなるが、
さすがにそれはまずすぎる。

ルセリア「あの……」

リュート「はい?」

ルセリア「もしよろしければ、明日------」

エメラリア「リュート将軍」

ルセリア姫が何か口にしかけた時、
待っていたようにエメラリアが割って入った。

エメラリア「陛下がお呼びです。大切なお話があると」

リュート「あ、そう。ありがとう」

ルセリア「行かれるのですね」

リュート「ええ」

ルセリア「またお会いできるといいですね」

リュート「是非、お会いしたいです」

ルセリア「はいっ!わたしも……!」

<2016/10/30 15:26 RUKA>消しゴム
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