翌日、朝------
おれは王宮前に来ていた。
ヴンダーバルト城に戻ることになった
グラディスの見送りだった。
グラディス「昨日は許せよ。せっかくおまえを気持ちよくしてやろうと
思っていたのに、オレったら寝ちまって」
リュート「いいよ」
グラディス「おまえとできなかったのが心残りだ。
おまえの気持ちいいの、味わいたかったのに」
リュート「はは……」
なかなか露骨である。
グラディス「オレ、おまえと別れたくない」
リュート「おれもだよ」
グラディス「絶対来てくれよ。おまえが来てくれなかったら、
オレ、押しかけるからな」
リュート「その時は思い切りいろんなことしてやるから」
グラディス「いいぞ。オレ、おまえにならいろんなことをされてもいい」
リュート「はは……」
またしても、大胆すぎる告白である。
グラディス「リュート……ちゅっ!」
グラディスがおれの唇を塞いだ。
グラディス「リュート……」
切なそうにグラディスが見る。
グラディス「どんなに離れていても、オレはおまえの女だからな」
リュート「ああ。1ヶ月したら会いに行くよ」
グラディス「きっとだぞ!」
リュート「うん」
グラディスは手を振って、馬車に乗って去っていった。
通りの向こうに姿が消えると、
さすがに、ちょっと寂しさを覚えた。
知り合ってそんなに日が経つわけではないけれど、
グラディスといるのは楽しかった。
豪放磊落。
豪胆で、器が大きく、おれが知り合った中でも
1、2位の大物だ。
おれはモテールとアイシスの2人と目が合った。
モテール「き、き、き、貴様……」
リュート「あれ?見てたの?」
モテール「ゆ、許せん!ビュステンハルターでは見逃したが、
許せん!キスをするなど……グラディス様は、
おれが狙っていたのにぃぃっ!」
リュート「お、落ち着け、モテール」
モテール「貴様、おれの女ばかりを~~っ!」
モテールがおれに飛び掛かった。
アイシス「モテール!やめなさい!」
衛兵C「元帥閣下が襲われたぞ!」
衛兵D「元帥閣下をお救いしろ!」
モテール「き、貴様ら、何をするか!おれは親衛隊モテールだぞ!」
ドンッ!
モテールが衛兵の槍を蹴り飛ばす。
モテール「貴様、おれに逆らう気か!」
ドンッ!
モテール「ぐへっ!」
ザント将軍とフェルゼン将軍だった。
モテール「こ、これは、ザント将軍にフェルゼン将軍」
フェルゼン「貴様、何をやっておる」
モテール「はっ。わ、わたくしは------」
フェルゼン「衛兵。この者は元帥閣下に狼藉を働いた無礼者である。
わしからの命令だ。こらしめよ」
衛兵D「はっ!」
モテール「おれに触れるな!」
フェルゼン「逆らうか、貴様!」
フェルゼン将軍、自らモテールに飛び掛かる。
ドンッ、ドンッ、ドンッ!
モテール「ふげっ!もがっ!ぐえっ!ひぐぅっ!あごおっ!」
モテール「ぐぇ……将軍、お助けを、ぐごぉぉぉぉっ……!」
モテールの顔は、ぶくぶくに膨れ上がっていた。
拳の殴り合いでは当代一のフェルゼン将軍に拳を
打ち込まれたのだ。老人になったとはいえ、
その拳はまだ力を失っていなかったらしい。
フェルゼン「この馬鹿者め。さっさと元帥閣下に対して詫びぬか」
モテール「……」
フェルゼン「モテール!」
ドンッ!
モテール「げ、元帥閣下……どうか、わたくしのご無礼を……
お許し……ください……」
リュート「ごめんね、こんな目に遭わせちゃって……」
モテール「そうだ、貴様のせいだ!」
フェルゼン「まだ言うか!」
ドンッ!
モテール「ぐへっ……フェルゼン将軍……強すぎます……」
フェルゼン「さっさと詫びぬか!」
ドンッ!
モテール「ず……ずみませんでした……リュ、リュート閣下……
ぶ、無礼をお許しくださいまへ……」
リュート「いいよ、モテール。ごめんね、こんなことになっちゃって」
モテール「あ、ありがたき……お言葉……」
モテールはその場に倒れた。
フェルゼン「無礼者を片づけよ」
衛兵D「はっ!」
衛兵はモテールを運んでいった。
リュート「はは……あんなにしなくてもよかったのに」
フェルゼン「薬です。やつにはプライドがありすぎる。
あれくらいせねば、やつのプライドは崩せませぬ」
リュート「それは確かに……」
フェルゼン「相変わらずあの女狐は、閣下にぞっこんのようですな」
リュート「グラディス?うん……なんでだろうね」
フェルゼン「閣下の器に惚れたのでしょう」
リュート「はは……」
不意にフェルゼン将軍は耳打ちした。
フェルゼン「ベルンシュタインにはご注意ください。
閣下を狙っております。やつは本気ですぞ」
フェルゼンの言葉がおれは気になった。
グラディスも、フェルゼンも同じ人間に注意しろと
言っている。もしかして、昨日の一件でおれは思い切り
宰相を敵に回してしまったのだろうか。
ちょっとやばいことをやっちゃったかもしれない。
でも、あの時のおれが間違っていたとは思えない。
ベルンシュタインは、わざと国を混乱に貶め衰退させる
案を出してきたのだ。
一国の宰相がなぜ……?
隣国のリンゴバルトのスパイかな?
おれはワン・コアンのことを思い出した。
恐らく、ワン・コアンのバックには、ベルンシュタインが
いたはずだ。ワン・コアンは自分一人でやったことと
言い張っていたが……。
-------------------------------------------------------------------------------
衛兵A「あっ!」
衛兵B「げ、元帥閣下!」
衛兵が声を上げた。
さきほどの衛兵に代わってやってきたのは、
おれが初めて王宮に入ろうとした時、
意地悪をした衛兵だった。
衛兵A「い、以前は大変、し、失礼いたしました!」
衛兵B「わ、我々、またしても我が国の英雄に
お目にかかることができて光栄でございます!」
リュート「そんな堅苦しく挨拶しないでよ」
衛兵A「し、しかし」
衛兵B「閣下は元帥であらせられますから」
リュート「そんなに敬語を使わなくていいよ」
衛兵A「は、はっ!」
衛兵B「ありがとうございます!」
衛兵A「……」
衛兵B「……」
リュート「何?」
衛兵A「きょ、恐縮でございますが、
あ、握手をよろしいでしょうか!」
衛兵B「わたくしも!」
リュート「いいよ」
衛兵A「ありがとうございます!」
おれは2人と握手を交わした。
衛兵B「感激です!もう一生この手は洗わないぞ!」
リュート「はは……」
思わず苦笑してしまったおれに、
王都の人たちが立ち止まった。
王都の民A「おい!リュート閣下だぞ!」
王都の民B「英雄だ!」
王都の民A「リュート将軍!」
王都の民C「リュート様~~っ!」
王都の民B「リュート陛下万歳~~っ!」
王都の民C「リュート陛下万歳~~~~~っ!」
おれは苦笑した。
陛下って……おれはまだ国王じゃないから。
ちょっと困ったような気分だったけど、
決して悪い気分ではなかった。
-------------------------------------------------------------------------------
王宮の中に戻ると、アイシスもおれに従った。
リュート「モテール、大丈夫かな……?
今度、将軍に殴らないでって言っておこう。
顔はあいつの命だからな」
アイシス「優しいのね」
リュート「え?そう?」
アイシス「普通、あれだけ罵倒されたら、嫌いになるわ」
リュート「だって、あいつ面白いし」
アイシス「ぷっ……面白いって」
リュート「面白くない?」
アイシス「わたしはいつも困らされてるけど」
リュート「そっか……婚約者だもんな」
アイシス「うん……」
リュート「どうしたの?」
アイシス「実は……婚約のこと、なしにしようかなと思っているの」
リュート「え?解消するの?」
アイシス「底が見えちゃったし……
もっとステキな人が見つかったから……」
リュート「そ、そう」
おれは黙った。
その人は誰?と尋ねるのが怖い。
リュート「あ、あのさ。フェルゼン将軍の言葉、どう思う?」
アイシス「フェルゼン将軍は、嘘は言わない人よ」
リュート「宰相って、そんなにおれのことを憎んでるのかな」
アイシス「好きではないみたい。親衛隊の先輩たちも、
よく言っているのを聞いたことがないって」
アイシス「でも、親衛隊も、宰相の飼い犬みたいなところがあるから」
リュート「アイシスも……宰相派なの?」
アイシス「わたしは、リュート派よ」
リュート「リュート派?」
アイシス「次期国王にあなたをって……
フェルゼン将軍が動き始めているの。
ザント将軍もいっしょよ」
リュート「そこに入ってるの?」
アイシス「だって……あなたしか、いないから」
リュート「そう……」
アイシス「町の人も、同じなのよ。
あなたを国王にって、みんな言ってるわ」
リュート「気が早いな」
アイシス「ハーゲル1世も、本心では引退したがっているみたい。
去年、王妃を無くされたのが響いているのかも」
リュート「ボボン王子はどうなの?」
アイシス「擁立する動きはあるみたいだけど、人気はないわ。
今はずっとリンゴバルトに帰っているみたいだし」
リュート「そうか……」
エメラリア「リュート閣下」
エメラリアが、背後から歩み寄っていた。
相変わらず、いい胸をしている。こんな理知的な顔をして、
本当はスケベなんじゃないか、と思ったりする。
こんな顔を見ながらパ〇ズリしてもらったら、
最高だろうな…………って、そんなことを考えてる
場合じゃなかった。
リュート「何?」
エメラリア「後でお話があります」
リュート「何の話?」
エメラリア「グラディス様のことです」
リュート「あ、そう」
エメラリア「後で部屋に参ります」
リュート「うん」
エメラリア「では」
エメラリアは立ち去った。
後ろから見ても、なかなかいいお尻だ。
やはり、あの身体は抱くに限る。
アイシス「何お話?」
リュート「グラディスの話だって。
イチャイチャするのはやめてくださいとか、
そういうことじゃない?」
アイシス「馬鹿……」
おれは王宮前に来ていた。
ヴンダーバルト城に戻ることになった
グラディスの見送りだった。
グラディス「昨日は許せよ。せっかくおまえを気持ちよくしてやろうと
思っていたのに、オレったら寝ちまって」
リュート「いいよ」
グラディス「おまえとできなかったのが心残りだ。
おまえの気持ちいいの、味わいたかったのに」
リュート「はは……」
なかなか露骨である。
グラディス「オレ、おまえと別れたくない」
リュート「おれもだよ」
グラディス「絶対来てくれよ。おまえが来てくれなかったら、
オレ、押しかけるからな」
リュート「その時は思い切りいろんなことしてやるから」
グラディス「いいぞ。オレ、おまえにならいろんなことをされてもいい」
リュート「はは……」
またしても、大胆すぎる告白である。
グラディス「リュート……ちゅっ!」
グラディスがおれの唇を塞いだ。
グラディス「リュート……」
切なそうにグラディスが見る。
グラディス「どんなに離れていても、オレはおまえの女だからな」
リュート「ああ。1ヶ月したら会いに行くよ」
グラディス「きっとだぞ!」
リュート「うん」
グラディスは手を振って、馬車に乗って去っていった。
通りの向こうに姿が消えると、
さすがに、ちょっと寂しさを覚えた。
知り合ってそんなに日が経つわけではないけれど、
グラディスといるのは楽しかった。
豪放磊落。
豪胆で、器が大きく、おれが知り合った中でも
1、2位の大物だ。
おれはモテールとアイシスの2人と目が合った。
モテール「き、き、き、貴様……」
リュート「あれ?見てたの?」
モテール「ゆ、許せん!ビュステンハルターでは見逃したが、
許せん!キスをするなど……グラディス様は、
おれが狙っていたのにぃぃっ!」
リュート「お、落ち着け、モテール」
モテール「貴様、おれの女ばかりを~~っ!」
モテールがおれに飛び掛かった。
アイシス「モテール!やめなさい!」
衛兵C「元帥閣下が襲われたぞ!」
衛兵D「元帥閣下をお救いしろ!」
モテール「き、貴様ら、何をするか!おれは親衛隊モテールだぞ!」
ドンッ!
モテールが衛兵の槍を蹴り飛ばす。
モテール「貴様、おれに逆らう気か!」
ドンッ!
モテール「ぐへっ!」
ザント将軍とフェルゼン将軍だった。
モテール「こ、これは、ザント将軍にフェルゼン将軍」
フェルゼン「貴様、何をやっておる」
モテール「はっ。わ、わたくしは------」
フェルゼン「衛兵。この者は元帥閣下に狼藉を働いた無礼者である。
わしからの命令だ。こらしめよ」
衛兵D「はっ!」
モテール「おれに触れるな!」
フェルゼン「逆らうか、貴様!」
フェルゼン将軍、自らモテールに飛び掛かる。
ドンッ、ドンッ、ドンッ!
モテール「ふげっ!もがっ!ぐえっ!ひぐぅっ!あごおっ!」
モテール「ぐぇ……将軍、お助けを、ぐごぉぉぉぉっ……!」
モテールの顔は、ぶくぶくに膨れ上がっていた。
拳の殴り合いでは当代一のフェルゼン将軍に拳を
打ち込まれたのだ。老人になったとはいえ、
その拳はまだ力を失っていなかったらしい。
フェルゼン「この馬鹿者め。さっさと元帥閣下に対して詫びぬか」
モテール「……」
フェルゼン「モテール!」
ドンッ!
モテール「げ、元帥閣下……どうか、わたくしのご無礼を……
お許し……ください……」
リュート「ごめんね、こんな目に遭わせちゃって……」
モテール「そうだ、貴様のせいだ!」
フェルゼン「まだ言うか!」
ドンッ!
モテール「ぐへっ……フェルゼン将軍……強すぎます……」
フェルゼン「さっさと詫びぬか!」
ドンッ!
モテール「ず……ずみませんでした……リュ、リュート閣下……
ぶ、無礼をお許しくださいまへ……」
リュート「いいよ、モテール。ごめんね、こんなことになっちゃって」
モテール「あ、ありがたき……お言葉……」
モテールはその場に倒れた。
フェルゼン「無礼者を片づけよ」
衛兵D「はっ!」
衛兵はモテールを運んでいった。
リュート「はは……あんなにしなくてもよかったのに」
フェルゼン「薬です。やつにはプライドがありすぎる。
あれくらいせねば、やつのプライドは崩せませぬ」
リュート「それは確かに……」
フェルゼン「相変わらずあの女狐は、閣下にぞっこんのようですな」
リュート「グラディス?うん……なんでだろうね」
フェルゼン「閣下の器に惚れたのでしょう」
リュート「はは……」
不意にフェルゼン将軍は耳打ちした。
フェルゼン「ベルンシュタインにはご注意ください。
閣下を狙っております。やつは本気ですぞ」
フェルゼンの言葉がおれは気になった。
グラディスも、フェルゼンも同じ人間に注意しろと
言っている。もしかして、昨日の一件でおれは思い切り
宰相を敵に回してしまったのだろうか。
ちょっとやばいことをやっちゃったかもしれない。
でも、あの時のおれが間違っていたとは思えない。
ベルンシュタインは、わざと国を混乱に貶め衰退させる
案を出してきたのだ。
一国の宰相がなぜ……?
隣国のリンゴバルトのスパイかな?
おれはワン・コアンのことを思い出した。
恐らく、ワン・コアンのバックには、ベルンシュタインが
いたはずだ。ワン・コアンは自分一人でやったことと
言い張っていたが……。
-------------------------------------------------------------------------------
衛兵A「あっ!」
衛兵B「げ、元帥閣下!」
衛兵が声を上げた。
さきほどの衛兵に代わってやってきたのは、
おれが初めて王宮に入ろうとした時、
意地悪をした衛兵だった。
衛兵A「い、以前は大変、し、失礼いたしました!」
衛兵B「わ、我々、またしても我が国の英雄に
お目にかかることができて光栄でございます!」
リュート「そんな堅苦しく挨拶しないでよ」
衛兵A「し、しかし」
衛兵B「閣下は元帥であらせられますから」
リュート「そんなに敬語を使わなくていいよ」
衛兵A「は、はっ!」
衛兵B「ありがとうございます!」
衛兵A「……」
衛兵B「……」
リュート「何?」
衛兵A「きょ、恐縮でございますが、
あ、握手をよろしいでしょうか!」
衛兵B「わたくしも!」
リュート「いいよ」
衛兵A「ありがとうございます!」
おれは2人と握手を交わした。
衛兵B「感激です!もう一生この手は洗わないぞ!」
リュート「はは……」
思わず苦笑してしまったおれに、
王都の人たちが立ち止まった。
王都の民A「おい!リュート閣下だぞ!」
王都の民B「英雄だ!」
王都の民A「リュート将軍!」
王都の民C「リュート様~~っ!」
王都の民B「リュート陛下万歳~~っ!」
王都の民C「リュート陛下万歳~~~~~っ!」
おれは苦笑した。
陛下って……おれはまだ国王じゃないから。
ちょっと困ったような気分だったけど、
決して悪い気分ではなかった。
-------------------------------------------------------------------------------
王宮の中に戻ると、アイシスもおれに従った。
リュート「モテール、大丈夫かな……?
今度、将軍に殴らないでって言っておこう。
顔はあいつの命だからな」
アイシス「優しいのね」
リュート「え?そう?」
アイシス「普通、あれだけ罵倒されたら、嫌いになるわ」
リュート「だって、あいつ面白いし」
アイシス「ぷっ……面白いって」
リュート「面白くない?」
アイシス「わたしはいつも困らされてるけど」
リュート「そっか……婚約者だもんな」
アイシス「うん……」
リュート「どうしたの?」
アイシス「実は……婚約のこと、なしにしようかなと思っているの」
リュート「え?解消するの?」
アイシス「底が見えちゃったし……
もっとステキな人が見つかったから……」
リュート「そ、そう」
おれは黙った。
その人は誰?と尋ねるのが怖い。
リュート「あ、あのさ。フェルゼン将軍の言葉、どう思う?」
アイシス「フェルゼン将軍は、嘘は言わない人よ」
リュート「宰相って、そんなにおれのことを憎んでるのかな」
アイシス「好きではないみたい。親衛隊の先輩たちも、
よく言っているのを聞いたことがないって」
アイシス「でも、親衛隊も、宰相の飼い犬みたいなところがあるから」
リュート「アイシスも……宰相派なの?」
アイシス「わたしは、リュート派よ」
リュート「リュート派?」
アイシス「次期国王にあなたをって……
フェルゼン将軍が動き始めているの。
ザント将軍もいっしょよ」
リュート「そこに入ってるの?」
アイシス「だって……あなたしか、いないから」
リュート「そう……」
アイシス「町の人も、同じなのよ。
あなたを国王にって、みんな言ってるわ」
リュート「気が早いな」
アイシス「ハーゲル1世も、本心では引退したがっているみたい。
去年、王妃を無くされたのが響いているのかも」
リュート「ボボン王子はどうなの?」
アイシス「擁立する動きはあるみたいだけど、人気はないわ。
今はずっとリンゴバルトに帰っているみたいだし」
リュート「そうか……」
エメラリア「リュート閣下」
エメラリアが、背後から歩み寄っていた。
相変わらず、いい胸をしている。こんな理知的な顔をして、
本当はスケベなんじゃないか、と思ったりする。
こんな顔を見ながらパ〇ズリしてもらったら、
最高だろうな…………って、そんなことを考えてる
場合じゃなかった。
リュート「何?」
エメラリア「後でお話があります」
リュート「何の話?」
エメラリア「グラディス様のことです」
リュート「あ、そう」
エメラリア「後で部屋に参ります」
リュート「うん」
エメラリア「では」
エメラリアは立ち去った。
後ろから見ても、なかなかいいお尻だ。
やはり、あの身体は抱くに限る。
アイシス「何お話?」
リュート「グラディスの話だって。
イチャイチャするのはやめてくださいとか、
そういうことじゃない?」
アイシス「馬鹿……」
