大広間に出ると、守備兵たちと鉢合わせになった。
守備兵A「はっ!」
守備兵B「かわいそうに……島流しの上に、早々と命を失うとは……」
守備兵C「また、これで騎士がいなくなるな」
守備兵が去ると、おれはさすがに重い気分になった。
やはり、みんなの中ではおれが死ぬことになっているらしい。
相手は10人の命を奪った悪名高きサキュバス。
かつてこの国にいた魔族の生き残り。
今は全滅させられて生き残っているものは
いないと言われているが、そうではなかったらしい。
<<恭順を示さぬ魔族は、すべてこれを殲滅すべし>>
王国の法典にもそう書き込まれている。
魔族は、悪魔の血を引く異形種の末裔だ。
その中でも、夢魔は悪魔の血が濃いという。
悪魔そのものだと言う者もいる。
きっと悪魔のようなおどろおどろしい顔だちをしているに
違いない。身体つきこそグラマーだが、
恐ろしい形相をしているのだろう。
襲撃は真夜中に違いない。
それまでに、なんとしても武器を見つけねば------。
-------------------------------------------------------------------------------
武器庫に立ち寄ったものの、結局手ぶらで戻った。
サキュバスに有効な武器は見つからなかった。
我が手にあるは、長剣と短剣のみ。
いったい、こんなのでどうやって戦うというのか。
-------------------------------------------------------------------------------
???「あ。遅かったじゃん」
部屋に戻ると、見知らぬ女の子が出迎えた。
ちょっと悪戯っぽい表情のかわいい子だった。
思わず、視線が胸に行く。
------おっきい。
誰だろう。
まさか、娼婦?
娼婦なら、かなりの上物だ。正直言って、結構かわいい。
おまけに、王都で最近流行りのの言葉でいえば、巨乳だ。
腰も見事にくびれて、
ヒップもしっかり出っ張って、まさに理想の体型だ。
やはり、踊り子か娼婦に違いない。
今日が最後と知って、
あの長官が手向けに贈ってくれたのだろうか。
------まさか。
自分の境遇を慨嘆している疲れた中年男が、
そんな気の利いたことをするはずがない。
???「お久しぶり。おっきくなったね~」
リュート「……誰?」
???「わたし、シャムシェルシャハル。
長いからシャムシェルでいいよ」
目を細めて、にこっと相手の女の子が笑った。
シャムシェル「あなた、リュートでしょ」
リュート「なんで知ってるの?」
シャムシェル「美味しそうな名前だね」
リュート「美味しそう……?」
シャムシェル「うん。いっぱい出そうな感じ」
おれは沈黙した。
何やら、会話が噛み合わない。
というか、言っていることがよくわからない。
リュート「あの、出そうって何が?」
シャムシェル「精液」
おれは、いや~な予感を感じた。
どうやら、本当に娼婦らしい。
リュート「長官に言われて来たの?」
シャムシェル「ううん、自分で。いいのいないかな~って捜してたんだ」
やっぱり、言っていることがわからない。
でも、かわいいから、
なんだか許しちゃいそうな気になってしまう。
リュート「おれ、お金ないよ」
シャムシェル「いいよ、お金は取らないから」
なかなか気前がいい。
やはり、長官か。それとも、あのマドワーズという家令か。
おれはベッドに腰を下ろした。
リュート「出身はどこ?」
シャムシェル「さあ、どこでしょう}
リュート「かわいい子だね」
シャムシェル「え?ほんと!?
人間にかわいいなんて言われたの初めてぇ♪」
(------え!?)
女の子がきゃっきゃっと飛び跳ねた。
愛らしい反応だったが、見とれている場合ではなかった。
<<人間にかわいいなんて言われたの、初めてぇ>>
------。
果てしなくいやな予感がする。
この子はまさか……。
そう思い始めた時、初めて身体的特徴に気がついた。
(げぇ……!つ、翼……)
シャムシェル「気になる?」
シャムシェルが翼を撫でて見せる。
(ぎえっ……つ、角まで……)
シャムシェル「これ、かわいいでしょ?」
おれは、一瞬沈黙した。
リュート「もしかして……悪魔?」
シャムシェル「っていうか、サキュバス」
リュート「げ、げ、げぇ~~っ!
じゃ、じゃあ、10人を殺した------」
シャムシェル「殺す気はなかったんだけどね。
ちょっと吸ったら死んじゃった。
最近の人間って、精液の量少ないのね」
リュート「お、おのれ、出たな、化け物------」
シャムシェル「そんなにわたし、化け物の顔してる?」
リュート「いや……」
化け物の顔はしていなかった。
正直、かわいかった。
前評判に似合わず、愛らしかった。
もしかして、死んでいった連中は結構幸せではなかったのか、
なんてことまで考えてしまいそうなほど、
愛嬌のある容貌だった。
しかし、所詮、魔族は魔族。サキュバスはサキュバス。
かわいいのはきっと顔だけに違いない。
魔族には生まれてから会ったことがないが、
悪魔と称されるからにはまともな連中であるはずがない。
おれは首を振った。
リュート「いや!かわいくともサキュバスはサキュバス!
おのれ、覚悟せよ!」
剣をかまえた途端、悪魔が指先で何やら弾いた。
握っていたグリップに、妙な感触が走った。
思わず声を上げた。
剣が、一瞬のうちにニンジンに変わっていた。
リュート「うわぁっ!け、剣がぁぁっ!」
シャムシェル「剣を出すのなら、こっちを出さないと」
パチンと指を鳴らした途端、股間が一瞬にして涼しくなった。
ズボンから性器が飛び出し、丸出しになっていた。
リュート「わぁぁぁぁっ!服がぁぁっ!」
シャムシェル「わお♪大きさは普通だけど、結構いい感じ♪
これ、上物かも♪」
リュート「な、何をするんだ!」
シャムシェル「何って、サキュバスがすることといったら、
決まってるじゃん」
夢魔が一歩踏み込んだ。
合わせるように一歩後退する。
幸い、自分の後ろ側にドアがある。
(とにかく、いったん逃げて武器を取ってこなきゃ……!)
ダッ!と扉へ向かって走った。
------開かない。
ガタガタ音を鳴らしても、一向に開いてくれない。
シャムシェル「無理無理。ドアなら、さっき魔力で封じたから」
リュート「な、何ぃ~~っ!」
おれは、これまで生きてきた中で一番の焦りを感じた。
ここで自分の人生は終わってしまうのか?
始まったばかりの騎士人生は、
わずか数日で終わってしまうのか?
リュート「だ、誰か~っ!長官~~~~~~~~っ!
マドワ~~~~~~~~~~ズ!」
絶叫したが、駆け寄る音はしない。
シャムシェル「だから、無駄だって。
誰にも聞こえないようにしちゃったから」
リュート「ひ、卑怯だぞ!」
シャムシェル「サキュバスが魔力使って何か悪い?」
リュート「悪くはないが……おれにはまずい」
シャムシェル「くす。そんなに怖がらなくていいよ。楽しもうよ」
悪魔が近寄った。
プルン、と露出度抜群の胸のふくらみが揺れる。
恐怖でいっぱいのはずなのに、
なぜか、両目が吸いよせられた。
これこそが、サキュバスの一番の魔力なのか。
きっとそうに違いない。
あらゆるものを発情させ、すべての精液を奪い取る悪魔------。
シャムシェル「くす。気になる?」
リュート「ま、まさか」
首を振ったが、視線は離れなかった。
まるで何かの術にかかったかのように、
両目が完全に固定されてしまっている。
おれがオッパイが好きだから------?
いや。
それだけではない。
首を横向けようにも、動かないのだ。
シャムシェル「くす。見とれちゃって」
サキュバスがさらに近づいた。
シャムシェル「いいよ、いくら見ても。
これが人生最後に見る胸になるから」
リュート「こ、殺す気か!?」
シャムシェル「殺すなんてとんでもない。
天国に連れていってあげるだけ……
一生分の精液と引き換えにね」
サキュバスの瞳が妖しく輝いた。
シャムシェル「ぜ~んぶ、搾り取ってあげる」
ふわりとサキュバスが舞いあがった時には、
おれは押し倒されていた。
腕を振って抵抗しようとしてみるが、腕自身が動かない。
騎士学校でそれなりに肉体の鍛錬もしたはずなのに、
いったいどういうことだ……?
これも悪魔の力------サキュバスの力か?
その後、おれはサキュバスにやられた。
--------------------------------------------------------------------------------
シャムシェル「凄いよ……
これだっけやって死なないなんて、ありえない……」
リュート「あぁぁ……」
シャムシェル「あぁ……ステキ……精液の多い人間って、好きよ……」
リュート「もう出ない……」
シャムシェル「嘘ばっかり。まだまだ出るくせに。
サキュバスを誤魔化そうたって、そうはいかないんだから」
サキュバスがキラキラと目を輝かせて見つめる。
シャムシェル「あなた、ほんとに人間?」
リュート「羊に見えるか……?」
シャムシェル「くす。決めた。あなたなら、許してあげる」
リュート「?」
シャムシェル「特別に入れさせてあげる。
今度こそ、昇天してね」
やめろ……という言葉は、途中までしか言えなかった。
相手はサキュバス。
ベッドの上では、どんなに抵抗しようとしても身体中の力が入らない。
はっとしている間に、
サキュバスが微笑み、腰を落としてきた。
思わず逃れようと腰を振った。
初体験がサキュバスだなんて、自慢できるものではない。
というか、たぶんこれで死んでしまうだろうから
自慢する相手もいないのだけれど、
どうせやるなら人間の方がいい。
でも、腰は動かなかった。
シャムシェル「くす。今度こそ、天国行っちゃうかも」
サキュバスが微笑んだ。
シャムシェル「入れた瞬間にイッちゃうかもね。でも、あなた、幸せ者よ」
そう言って、サキュバスが完全に腰を沈めた。
--------------------------------------------------------------------------------
あまりの快感に意識が薄らいだ。
(おれ、死ぬのかも……)
(人生、短かったな……)
(knight、nightに死すとは……
最後にしてはお粗末だった……)
人生に後悔なしとは言わないが、
もう少し恋愛ぐらいしたかった。
誰かに本気に惚れられてみたかった。
モテールみたいに胸を押しつけられたり、
言い寄られたりしてみたかった。
でも……。
それも終わり。
シャムシェル「あはぁぁん……!」
薄れゆく中で、悪魔の声が響きわたった。
おれには、
それがおれを送る鎮魂歌のように聞こえていた……。
守備兵A「はっ!」
守備兵B「かわいそうに……島流しの上に、早々と命を失うとは……」
守備兵C「また、これで騎士がいなくなるな」
守備兵が去ると、おれはさすがに重い気分になった。
やはり、みんなの中ではおれが死ぬことになっているらしい。
相手は10人の命を奪った悪名高きサキュバス。
かつてこの国にいた魔族の生き残り。
今は全滅させられて生き残っているものは
いないと言われているが、そうではなかったらしい。
<<恭順を示さぬ魔族は、すべてこれを殲滅すべし>>
王国の法典にもそう書き込まれている。
魔族は、悪魔の血を引く異形種の末裔だ。
その中でも、夢魔は悪魔の血が濃いという。
悪魔そのものだと言う者もいる。
きっと悪魔のようなおどろおどろしい顔だちをしているに
違いない。身体つきこそグラマーだが、
恐ろしい形相をしているのだろう。
襲撃は真夜中に違いない。
それまでに、なんとしても武器を見つけねば------。
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武器庫に立ち寄ったものの、結局手ぶらで戻った。
サキュバスに有効な武器は見つからなかった。
我が手にあるは、長剣と短剣のみ。
いったい、こんなのでどうやって戦うというのか。
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???「あ。遅かったじゃん」
部屋に戻ると、見知らぬ女の子が出迎えた。
ちょっと悪戯っぽい表情のかわいい子だった。
思わず、視線が胸に行く。
------おっきい。
誰だろう。
まさか、娼婦?
娼婦なら、かなりの上物だ。正直言って、結構かわいい。
おまけに、王都で最近流行りのの言葉でいえば、巨乳だ。
腰も見事にくびれて、
ヒップもしっかり出っ張って、まさに理想の体型だ。
やはり、踊り子か娼婦に違いない。
今日が最後と知って、
あの長官が手向けに贈ってくれたのだろうか。
------まさか。
自分の境遇を慨嘆している疲れた中年男が、
そんな気の利いたことをするはずがない。
???「お久しぶり。おっきくなったね~」
リュート「……誰?」
???「わたし、シャムシェルシャハル。
長いからシャムシェルでいいよ」
目を細めて、にこっと相手の女の子が笑った。
シャムシェル「あなた、リュートでしょ」
リュート「なんで知ってるの?」
シャムシェル「美味しそうな名前だね」
リュート「美味しそう……?」
シャムシェル「うん。いっぱい出そうな感じ」
おれは沈黙した。
何やら、会話が噛み合わない。
というか、言っていることがよくわからない。
リュート「あの、出そうって何が?」
シャムシェル「精液」
おれは、いや~な予感を感じた。
どうやら、本当に娼婦らしい。
リュート「長官に言われて来たの?」
シャムシェル「ううん、自分で。いいのいないかな~って捜してたんだ」
やっぱり、言っていることがわからない。
でも、かわいいから、
なんだか許しちゃいそうな気になってしまう。
リュート「おれ、お金ないよ」
シャムシェル「いいよ、お金は取らないから」
なかなか気前がいい。
やはり、長官か。それとも、あのマドワーズという家令か。
おれはベッドに腰を下ろした。
リュート「出身はどこ?」
シャムシェル「さあ、どこでしょう}
リュート「かわいい子だね」
シャムシェル「え?ほんと!?
人間にかわいいなんて言われたの初めてぇ♪」
(------え!?)
女の子がきゃっきゃっと飛び跳ねた。
愛らしい反応だったが、見とれている場合ではなかった。
<<人間にかわいいなんて言われたの、初めてぇ>>
------。
果てしなくいやな予感がする。
この子はまさか……。
そう思い始めた時、初めて身体的特徴に気がついた。
(げぇ……!つ、翼……)
シャムシェル「気になる?」
シャムシェルが翼を撫でて見せる。
(ぎえっ……つ、角まで……)
シャムシェル「これ、かわいいでしょ?」
おれは、一瞬沈黙した。
リュート「もしかして……悪魔?」
シャムシェル「っていうか、サキュバス」
リュート「げ、げ、げぇ~~っ!
じゃ、じゃあ、10人を殺した------」
シャムシェル「殺す気はなかったんだけどね。
ちょっと吸ったら死んじゃった。
最近の人間って、精液の量少ないのね」
リュート「お、おのれ、出たな、化け物------」
シャムシェル「そんなにわたし、化け物の顔してる?」
リュート「いや……」
化け物の顔はしていなかった。
正直、かわいかった。
前評判に似合わず、愛らしかった。
もしかして、死んでいった連中は結構幸せではなかったのか、
なんてことまで考えてしまいそうなほど、
愛嬌のある容貌だった。
しかし、所詮、魔族は魔族。サキュバスはサキュバス。
かわいいのはきっと顔だけに違いない。
魔族には生まれてから会ったことがないが、
悪魔と称されるからにはまともな連中であるはずがない。
おれは首を振った。
リュート「いや!かわいくともサキュバスはサキュバス!
おのれ、覚悟せよ!」
剣をかまえた途端、悪魔が指先で何やら弾いた。
握っていたグリップに、妙な感触が走った。
思わず声を上げた。
剣が、一瞬のうちにニンジンに変わっていた。
リュート「うわぁっ!け、剣がぁぁっ!」
シャムシェル「剣を出すのなら、こっちを出さないと」
パチンと指を鳴らした途端、股間が一瞬にして涼しくなった。
ズボンから性器が飛び出し、丸出しになっていた。
リュート「わぁぁぁぁっ!服がぁぁっ!」
シャムシェル「わお♪大きさは普通だけど、結構いい感じ♪
これ、上物かも♪」
リュート「な、何をするんだ!」
シャムシェル「何って、サキュバスがすることといったら、
決まってるじゃん」
夢魔が一歩踏み込んだ。
合わせるように一歩後退する。
幸い、自分の後ろ側にドアがある。
(とにかく、いったん逃げて武器を取ってこなきゃ……!)
ダッ!と扉へ向かって走った。
------開かない。
ガタガタ音を鳴らしても、一向に開いてくれない。
シャムシェル「無理無理。ドアなら、さっき魔力で封じたから」
リュート「な、何ぃ~~っ!」
おれは、これまで生きてきた中で一番の焦りを感じた。
ここで自分の人生は終わってしまうのか?
始まったばかりの騎士人生は、
わずか数日で終わってしまうのか?
リュート「だ、誰か~っ!長官~~~~~~~~っ!
マドワ~~~~~~~~~~ズ!」
絶叫したが、駆け寄る音はしない。
シャムシェル「だから、無駄だって。
誰にも聞こえないようにしちゃったから」
リュート「ひ、卑怯だぞ!」
シャムシェル「サキュバスが魔力使って何か悪い?」
リュート「悪くはないが……おれにはまずい」
シャムシェル「くす。そんなに怖がらなくていいよ。楽しもうよ」
悪魔が近寄った。
プルン、と露出度抜群の胸のふくらみが揺れる。
恐怖でいっぱいのはずなのに、
なぜか、両目が吸いよせられた。
これこそが、サキュバスの一番の魔力なのか。
きっとそうに違いない。
あらゆるものを発情させ、すべての精液を奪い取る悪魔------。
シャムシェル「くす。気になる?」
リュート「ま、まさか」
首を振ったが、視線は離れなかった。
まるで何かの術にかかったかのように、
両目が完全に固定されてしまっている。
おれがオッパイが好きだから------?
いや。
それだけではない。
首を横向けようにも、動かないのだ。
シャムシェル「くす。見とれちゃって」
サキュバスがさらに近づいた。
シャムシェル「いいよ、いくら見ても。
これが人生最後に見る胸になるから」
リュート「こ、殺す気か!?」
シャムシェル「殺すなんてとんでもない。
天国に連れていってあげるだけ……
一生分の精液と引き換えにね」
サキュバスの瞳が妖しく輝いた。
シャムシェル「ぜ~んぶ、搾り取ってあげる」
ふわりとサキュバスが舞いあがった時には、
おれは押し倒されていた。
腕を振って抵抗しようとしてみるが、腕自身が動かない。
騎士学校でそれなりに肉体の鍛錬もしたはずなのに、
いったいどういうことだ……?
これも悪魔の力------サキュバスの力か?
その後、おれはサキュバスにやられた。
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シャムシェル「凄いよ……
これだっけやって死なないなんて、ありえない……」
リュート「あぁぁ……」
シャムシェル「あぁ……ステキ……精液の多い人間って、好きよ……」
リュート「もう出ない……」
シャムシェル「嘘ばっかり。まだまだ出るくせに。
サキュバスを誤魔化そうたって、そうはいかないんだから」
サキュバスがキラキラと目を輝かせて見つめる。
シャムシェル「あなた、ほんとに人間?」
リュート「羊に見えるか……?」
シャムシェル「くす。決めた。あなたなら、許してあげる」
リュート「?」
シャムシェル「特別に入れさせてあげる。
今度こそ、昇天してね」
やめろ……という言葉は、途中までしか言えなかった。
相手はサキュバス。
ベッドの上では、どんなに抵抗しようとしても身体中の力が入らない。
はっとしている間に、
サキュバスが微笑み、腰を落としてきた。
思わず逃れようと腰を振った。
初体験がサキュバスだなんて、自慢できるものではない。
というか、たぶんこれで死んでしまうだろうから
自慢する相手もいないのだけれど、
どうせやるなら人間の方がいい。
でも、腰は動かなかった。
シャムシェル「くす。今度こそ、天国行っちゃうかも」
サキュバスが微笑んだ。
シャムシェル「入れた瞬間にイッちゃうかもね。でも、あなた、幸せ者よ」
そう言って、サキュバスが完全に腰を沈めた。
--------------------------------------------------------------------------------
あまりの快感に意識が薄らいだ。
(おれ、死ぬのかも……)
(人生、短かったな……)
(knight、nightに死すとは……
最後にしてはお粗末だった……)
人生に後悔なしとは言わないが、
もう少し恋愛ぐらいしたかった。
誰かに本気に惚れられてみたかった。
モテールみたいに胸を押しつけられたり、
言い寄られたりしてみたかった。
でも……。
それも終わり。
シャムシェル「あはぁぁん……!」
薄れゆく中で、悪魔の声が響きわたった。
おれには、
それがおれを送る鎮魂歌のように聞こえていた……。
