レンツは校長室から急いで教室に向かったが、時すでに遅し。
アーニャ教官が教壇に立ち授業を進めていることが廊下側から教室の窓の先を見ることでわかった。
レンツは怒られる事を覚悟し、正面からドアを開け、教室の中へ入って行った。
「レンツ君!遅いよ。とっくに授業始まってるんですけど?」
アーニャ教官は教科書に目を向けながらレンツに注意する。レンツはそれに対して眉を少し引き攣らせ怒ったような表情を見せた。
「は?アンタも今日遅れて来てたでしょうが。人の事言えんのかよ?」
「むうぅぅ……じゃあ何で遅れたの?どうせ校長先生に若桜戦辞退させてもらえるように頼みに行ってたんでしょう?ねぇ?」
アーニャ教官はニヤリとした小悪魔のような表情でレンツの顔近くまで迫る。
レンツは近付いてくるアーニャ教官を鬱陶しがるように手で制した。
そして、深い溜息をついた。
「……はぁぁ。遅れてすみませんでした。授業再開してもらって良いですか…」
「OK!わかればよろしい」
アーニャ教官は再び教科書片手に授業を再開。
レンツも席に着き、教科書とノートを机の上に出し授業を受けているフリをし始めた。
「では、魔動力について、説明していきますねー」
アーニャ教官は教科書片手に黒板へ白いチョークでカリカリと音を立て書き始めた。
アーニャ教官の見た目とは裏腹に丸い文字では無く、かなり角張った字体で黒板を埋めていく。
その内容は、
魔動力とは…魔原石から魔動力抽出機により抽出された力を任意の媒体により使用可能になる力。
使用者の技量により魔動力の強さ、使用幅は大きく異なる。
昨今の家庭用魔動力道具(洗濯機、冷蔵庫)のように最初から魔動力抽出装置と魔動力制限装置が装着されてるものについては最初から設定された力の通りにしか働かず使用者の技量に関係なく使用可能。
ただし制限装置により設定以上の事は使用不可。
「ここまでで質問ある人ー?」
アーニャ教官は教科書から目を離し、教室全体を見渡す。
すると一番奥の席から手が挙がっているのが見えた。
「はい。カリンちゃんどうぞー!」
アーニャ教官は一番奥の席に座る女子生徒にウインクした。
これは質問を受ける合図という事か。
カリンと言う女子生徒は静かに起立した。
身長は他の女子生徒より若干低く、身体つきも華奢で、魔獣の攻撃に掠っただけで潰れてしまいそうな小さな身体つきをしている。
髪は長く黒髪ロングのストレート。
かなり真面目な印象を漂わせていた。
「あの…すみません…えっと…魔動力がその…えーと…」
震えているような小さい声で質問したがアーニャ教官と周りの生徒達には伝わっていない。
「カリンちゃん。深呼吸して?サン、ハイ」
アーニャ教官は、小さな声で話すカリンに対して叱咤せず、まずは息を整え落ち着くように笑顔で伝えた。
カリンは指示通り、小さな口を開け深呼吸し息を整えた。
「魔獣って元は動物に魔原石を埋め込んで作られたと記憶してますが、もしこれが直接人間に埋め込まれたとしたら…?一体どう…なるんです…か?」
「……!」
アーニャ教官はこの質問に対し眉を一瞬だけピクリと動かした。
どうやら、思ってもなかった質問をされたようだ。
アーニャ教官は普段よりも真剣な表情になり、ゆっくりと口を開いた。
「それは我が国アルバ王国をはじめ、近隣諸国…極日東共和国、アゼリア合衆国、セント・ヴィント帝国が魔動力条約により禁止されています。故に未だ試されたことはありません。動物に魔原石を埋め込んだだけで凶暴化、身体の変化が訪れるんです。人間なら…想像もつきませんね」
「そうですか。あ、ありがとうございました!」
カリンは頭を下げ、再び席に着いた。
「他に質問ある人ー?」
アーニャは周りを見渡すが、誰も手は挙がっていない。
「では、次の項目に進みますねー」
アーニャ教官はまた、黒板に向かい始めた。
レンツはこの後も授業を受けるフリをして一限目の授業から夕方の授業までこの調子だった。
アーニャ教官が教壇に立ち授業を進めていることが廊下側から教室の窓の先を見ることでわかった。
レンツは怒られる事を覚悟し、正面からドアを開け、教室の中へ入って行った。
「レンツ君!遅いよ。とっくに授業始まってるんですけど?」
アーニャ教官は教科書に目を向けながらレンツに注意する。レンツはそれに対して眉を少し引き攣らせ怒ったような表情を見せた。
「は?アンタも今日遅れて来てたでしょうが。人の事言えんのかよ?」
「むうぅぅ……じゃあ何で遅れたの?どうせ校長先生に若桜戦辞退させてもらえるように頼みに行ってたんでしょう?ねぇ?」
アーニャ教官はニヤリとした小悪魔のような表情でレンツの顔近くまで迫る。
レンツは近付いてくるアーニャ教官を鬱陶しがるように手で制した。
そして、深い溜息をついた。
「……はぁぁ。遅れてすみませんでした。授業再開してもらって良いですか…」
「OK!わかればよろしい」
アーニャ教官は再び教科書片手に授業を再開。
レンツも席に着き、教科書とノートを机の上に出し授業を受けているフリをし始めた。
「では、魔動力について、説明していきますねー」
アーニャ教官は教科書片手に黒板へ白いチョークでカリカリと音を立て書き始めた。
アーニャ教官の見た目とは裏腹に丸い文字では無く、かなり角張った字体で黒板を埋めていく。
その内容は、
魔動力とは…魔原石から魔動力抽出機により抽出された力を任意の媒体により使用可能になる力。
使用者の技量により魔動力の強さ、使用幅は大きく異なる。
昨今の家庭用魔動力道具(洗濯機、冷蔵庫)のように最初から魔動力抽出装置と魔動力制限装置が装着されてるものについては最初から設定された力の通りにしか働かず使用者の技量に関係なく使用可能。
ただし制限装置により設定以上の事は使用不可。
「ここまでで質問ある人ー?」
アーニャ教官は教科書から目を離し、教室全体を見渡す。
すると一番奥の席から手が挙がっているのが見えた。
「はい。カリンちゃんどうぞー!」
アーニャ教官は一番奥の席に座る女子生徒にウインクした。
これは質問を受ける合図という事か。
カリンと言う女子生徒は静かに起立した。
身長は他の女子生徒より若干低く、身体つきも華奢で、魔獣の攻撃に掠っただけで潰れてしまいそうな小さな身体つきをしている。
髪は長く黒髪ロングのストレート。
かなり真面目な印象を漂わせていた。
「あの…すみません…えっと…魔動力がその…えーと…」
震えているような小さい声で質問したがアーニャ教官と周りの生徒達には伝わっていない。
「カリンちゃん。深呼吸して?サン、ハイ」
アーニャ教官は、小さな声で話すカリンに対して叱咤せず、まずは息を整え落ち着くように笑顔で伝えた。
カリンは指示通り、小さな口を開け深呼吸し息を整えた。
「魔獣って元は動物に魔原石を埋め込んで作られたと記憶してますが、もしこれが直接人間に埋め込まれたとしたら…?一体どう…なるんです…か?」
「……!」
アーニャ教官はこの質問に対し眉を一瞬だけピクリと動かした。
どうやら、思ってもなかった質問をされたようだ。
アーニャ教官は普段よりも真剣な表情になり、ゆっくりと口を開いた。
「それは我が国アルバ王国をはじめ、近隣諸国…極日東共和国、アゼリア合衆国、セント・ヴィント帝国が魔動力条約により禁止されています。故に未だ試されたことはありません。動物に魔原石を埋め込んだだけで凶暴化、身体の変化が訪れるんです。人間なら…想像もつきませんね」
「そうですか。あ、ありがとうございました!」
カリンは頭を下げ、再び席に着いた。
「他に質問ある人ー?」
アーニャは周りを見渡すが、誰も手は挙がっていない。
「では、次の項目に進みますねー」
アーニャ教官はまた、黒板に向かい始めた。
レンツはこの後も授業を受けるフリをして一限目の授業から夕方の授業までこの調子だった。
