本日最後の授業も終わり、外の日が少しずつ落ちる頃にレンツは荷物をまとめ帰ろうとしていた。
足早々に教室を抜け校舎を出ようとした時、後ろから声を掛けられた。
「おい!待て!レンツ・シュタイナー!」
聞き覚えのある大きく響くような声に思わず後ろを振り向いた。
「なんだヴァンかよ…脅かすなよ。何?今から俺、家に帰るところなんだけど?」
「レンツ!お前に一対一の決闘を申し込む!」
「は……なんで?俺はお前よかずっと弱いぞ?体も小さいし、力も無いしな」
「出鱈目言うな!校長がお前を推薦したのには理由があるハズだ!お前…もしかして特待生か?」
「……さぁな。俺もよくわかんないんだ。ぶっちゃけた話、俺の親父がここの校長と友達なんだ。毎日ぶらぶらする俺を更生させようとしてこの学院に入れてもらうよう頼んだんだとさ」
「そうなのか?お前の親父さんは…一体何者なんだ?元アルバ軍大将と友達…にわかには信じられないな」
「別に…ただのアホオヤジだよ」
「引き止めてすまんな。でも、悪く思わないでくれよ。オレは強い奴に挑戦したいんだ。お前からは強いオーラを感じる。1週間後の若桜戦で当たるような事があればよろしく頼む…!」
「まだ、出ると決めたわけじゃないけどな。まぁ…よろしく。じゃあな」
レンツはヴァンに背を向けた。
夕日も落ちて薄暗くなった道を歩き、今日の出来事を思い出していた。
朝、登校途中不可抗力により、金髪の女の子の胸を触ってしまい、怒らせた事。
登校した後は、担任の教官アーニャがドアと壁を突き破る派手な登場をする。しかもやたら絡んで来る面倒くさい教官。
その教官から告げられたのは、生徒同士が戦い頂点を目指す若桜戦の参加。
校長は威厳はあるが、話してみると気さくでなかなか面白く、実績のある有能な人物だったり、レンツの事をやたら気にかける男ヴァンなど今日1日だけで、沢山の人と触れたのもあり、今まで父親とイヴとしか、まともに触れてこなかったレンツの中で、ほんの少し『こういうのも悪くない』と思う1日だったらしい。
「ただいまー」
自宅に到着すると、レンツの発した『ただいま』がイヴのセンサーに反応し、すぐに玄関へレンツを出迎えるエプロン姿のイヴが居た。
「お帰りなさいませ♪今日も1日お疲れ様でした」
イヴはレンツの鞄を持ち、レンツの背広も脱がせた。
「イヴ。もし突然50万ドラーが転がり込んできたら、どうする?」
レンツは、イヴの燃えるように赤い髪に優しく触れ、それとなく聞いてみた。
イヴは何かに気づいたのか軽い笑みを浮かべた。
「一週間後の若桜戦に出られるんですか?」
「考え中。もし、優勝して家計が少しでも楽になるなら若桜戦に挑戦してみようかなって思ってる」
「ふふっありがとうございます。でも、無理しなくて良いですよ。どうか、若桜戦はレンツ様のご意思で出場して下さい。期待は確かに力になりますが、時にそれが枷となり逃げたい時に逃げられなくなってしまっては元も子もありませんから。では普段着渡しますね」
イヴは温かい目でレンツに諭すような言い回しで自分の気持ちを伝えると同時に普段着用の着替えを渡した。
「決めた…オレ、若桜戦に挑戦する」
レンツの表情が変わった。
先ほどまでの気の抜けた表情ではなく恐ろしく真剣な表情。
そして、身体から青白いオーラが漏れ出していた。
オーラを感じ取ったイヴは両目を見開いた。
(レンツ様のオーラ…すごい…!これほど強いオーラは感じたことがない…)
イヴは笑顔でレンツの頭を撫でた。
すると、レンツはまた気の抜けた表情に戻り、オーラも消えた。
「ふふっ…やる気になられたんですね。きっとセブン様もお喜びになりますよ」
(別の意味でもね…)
足早々に教室を抜け校舎を出ようとした時、後ろから声を掛けられた。
「おい!待て!レンツ・シュタイナー!」
聞き覚えのある大きく響くような声に思わず後ろを振り向いた。
「なんだヴァンかよ…脅かすなよ。何?今から俺、家に帰るところなんだけど?」
「レンツ!お前に一対一の決闘を申し込む!」
「は……なんで?俺はお前よかずっと弱いぞ?体も小さいし、力も無いしな」
「出鱈目言うな!校長がお前を推薦したのには理由があるハズだ!お前…もしかして特待生か?」
「……さぁな。俺もよくわかんないんだ。ぶっちゃけた話、俺の親父がここの校長と友達なんだ。毎日ぶらぶらする俺を更生させようとしてこの学院に入れてもらうよう頼んだんだとさ」
「そうなのか?お前の親父さんは…一体何者なんだ?元アルバ軍大将と友達…にわかには信じられないな」
「別に…ただのアホオヤジだよ」
「引き止めてすまんな。でも、悪く思わないでくれよ。オレは強い奴に挑戦したいんだ。お前からは強いオーラを感じる。1週間後の若桜戦で当たるような事があればよろしく頼む…!」
「まだ、出ると決めたわけじゃないけどな。まぁ…よろしく。じゃあな」
レンツはヴァンに背を向けた。
夕日も落ちて薄暗くなった道を歩き、今日の出来事を思い出していた。
朝、登校途中不可抗力により、金髪の女の子の胸を触ってしまい、怒らせた事。
登校した後は、担任の教官アーニャがドアと壁を突き破る派手な登場をする。しかもやたら絡んで来る面倒くさい教官。
その教官から告げられたのは、生徒同士が戦い頂点を目指す若桜戦の参加。
校長は威厳はあるが、話してみると気さくでなかなか面白く、実績のある有能な人物だったり、レンツの事をやたら気にかける男ヴァンなど今日1日だけで、沢山の人と触れたのもあり、今まで父親とイヴとしか、まともに触れてこなかったレンツの中で、ほんの少し『こういうのも悪くない』と思う1日だったらしい。
「ただいまー」
自宅に到着すると、レンツの発した『ただいま』がイヴのセンサーに反応し、すぐに玄関へレンツを出迎えるエプロン姿のイヴが居た。
「お帰りなさいませ♪今日も1日お疲れ様でした」
イヴはレンツの鞄を持ち、レンツの背広も脱がせた。
「イヴ。もし突然50万ドラーが転がり込んできたら、どうする?」
レンツは、イヴの燃えるように赤い髪に優しく触れ、それとなく聞いてみた。
イヴは何かに気づいたのか軽い笑みを浮かべた。
「一週間後の若桜戦に出られるんですか?」
「考え中。もし、優勝して家計が少しでも楽になるなら若桜戦に挑戦してみようかなって思ってる」
「ふふっありがとうございます。でも、無理しなくて良いですよ。どうか、若桜戦はレンツ様のご意思で出場して下さい。期待は確かに力になりますが、時にそれが枷となり逃げたい時に逃げられなくなってしまっては元も子もありませんから。では普段着渡しますね」
イヴは温かい目でレンツに諭すような言い回しで自分の気持ちを伝えると同時に普段着用の着替えを渡した。
「決めた…オレ、若桜戦に挑戦する」
レンツの表情が変わった。
先ほどまでの気の抜けた表情ではなく恐ろしく真剣な表情。
そして、身体から青白いオーラが漏れ出していた。
オーラを感じ取ったイヴは両目を見開いた。
(レンツ様のオーラ…すごい…!これほど強いオーラは感じたことがない…)
イヴは笑顔でレンツの頭を撫でた。
すると、レンツはまた気の抜けた表情に戻り、オーラも消えた。
「ふふっ…やる気になられたんですね。きっとセブン様もお喜びになりますよ」
(別の意味でもね…)
