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サクラ学院魔獣討伐科


レンツは日課である魔獣討伐を終えた後、自宅に戻りシャワーを浴びて汗を流した後、制服に着替え台所へ向かった。

台所の中央に置かれた丸い大きな木のテーブルには朝ごはんであるトースト、ベーコンエッグ、新鮮な野菜のサラダ、温かいコーヒーが並べられていた。

アルバ王国、アゼリア合衆国などの朝食は今、テーブルに並べられたものが一般的である。

「セブン様、レンツ様どうぞ召しあがって下さい♪」

「ああ…早く食べて学校行かなきゃ」

レンツはセブンと向かい合うようにして座り、コーヒーに手を伸ばした。

レンツと向かい合うセブンは椅子に座りボーッとした表情で地方新聞に目を通していた。見ている記事は若桜戦についてだった。若桜戦のトーナメント表と今大会の優勝候補者について。

今大会の優勝候補者エリス・ロード・ヴィルフルート。彼女はアリス・ロード・ヴィルフルートの妹に当たる。姉譲りの才覚を持ち、特に剣術は極日東に伝わる剣術、彩葉心伝流中伝を取得しているほどの腕前。派手な大技を得意としている。今年度に特待生として入学し、クラスは既にA級に在位している。ちなみに若桜戦初戦レンツの対戦相手である。

「この子。彩葉心伝流中伝か…レンツお前早速とんでもないお嬢ちゃんに当たったな」

「いいよ。誰が来たって。負けて元々なんだから自分の出来る事をやるだけさ」

レンツは、気負いも緊張してる様子も無く、マイペースにトーストをかじっていた。セブンとイヴはレンツがあまりにマイペースに食べているのを見て微笑んだ。

「じゃ、ご馳走さま!行ってくる!」

レンツは鞄片手に素早く家を出た。

「面白いヤツだ…。だからこそ教え甲斐がある」

セブンはコーヒー片手に軽い笑みを見せた。その笑みの中には自分が今まで育てた息子の光景が鮮明に写っていた。だからこそ息子がこの大会どこまで行くか楽しみだし、ある程度は予想もできる。

「セブン様。レンツ様の試合よほど楽しみなんですね」

「そんなの当たり前だろ?アイツは俺のたった一人の息子だぞ?楽しみにしないわけねーだろ」

「そうですね…」

イヴは少し寂しげな表情で笑う。その寂しげな表情を見てセブンは少し表情を変え、レンツが知らない話。イヴがこの家に来る前にセブンと交わした契約の話について切り出した。

「やはり決心は変わらないのか?」

「ええ…いつまでもご迷惑をおかけするわけにはいきませんし、レンツ様にも危険が及ぶ故、巻き込みたくはありません」

「すまねーな…俺はお前を止める権利なんて無いし事情が事情だ。俺は黙ってる事にする。ただし遅かれ早かれレンツは全てを知る。その時のレンツの行動も俺は止めはしない。いいな?」

「………はい」

イヴはセブンに言われた事を重々承知し、肝に刻みつけ、飲み込むように返事をした。その様子を見たセブンはコーヒーカップを手に取り口に運ぶ。ふとその時、窓に薄っすら写った哀しい表情をしたイヴを見て呟いた。

「政府の馬鹿共め…!」





<2016/06/25 23:43 ライスマン>消しゴム
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