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サクラ学院魔獣討伐科


金髪の女子生徒のやり取りの後、レンツは午後の授業を普段と同じように受けているフリだけして過ごし、いつものように自宅へ帰り、くつろいでいた。

そして、思い出していた。剣を託された意味。レンツは考えても簡単に答えが出るハズもなく少しイラついていた。

「こんな時は魔獣でも狩りに行こ」

レンツは黒の防寒着を身につけ、首にはネックウォーマを巻き防寒対策を行い、魔動力剣を手にし部屋を出た。

「レンツ様…?こんな時間にどちらへ?」

「魔動力剣の限界値まだ掴んでないんだ」

(レンツ様何か焦ってる…?)

レンツは心配するイヴの顔も全く見ず、戦闘用のスニーカーに履き替え、素早く準備する。

そして外は闇が深くなり街の明かりも消え始める頃、家を出た。

「クサナギ山に行くのか?」

セブンの声がどこからともなく聞こえ、レンツは足を止める。ちなみにセブンは2階のベランダでタバコをふかしていた。

「ああ…」

「ほどほどにしとけよ」

「……。」

レンツは返事もせずセブンの前から颯爽と姿を消した。セブンは特に表情も変えずタバコを吹かしていた。そして部屋に戻ろうとした時

「レンツ様…」

冴えない表情をしたイヴが目に映った。明日の準備をしようと作業をしていたみたいだが、何やら捗っていない様子。そんなイヴを見てセブンは勘付いた。

「気になるなら、行って来い」

セブンの一言でイヴは冴えない表情から、目を丸くして驚いた表情に変わった。そして、恥ずかしいのか少し頬を赤くした。

「い、いつからそこに…?」

「ついさっきだ」

「でも、まだ明日の準備が…」

「俺がやる。イヴはレンツを頼む。アイツの事だから魔獣にやられるヘマはしないが万が一の事があるからな」

セブンは常に最悪の状況を想定して動くため、自分の右腕であるイヴにレンツの護衛を命じた。
イヴは何も言わずただ頷いた。

そして、自分の部屋に行き、クローゼットから黒いスーツを取り出し外に出る準備を始めた。
セブンはイヴの代わりに明日の準備をするために台所に立った。

「では、セブン様。レンツ様の護衛に行って参ります」

イヴは戦闘用の黒いタイトなスーツに着替えていた。
黒いスーツから身体の形がわかる。
それほどにタイトなスーツに身を包んでいた。

また、長い赤髪は黒い服の影響で凄く目立っていた。
セブンはイヴのその姿を見て呟いた。

「闇夜の渡鴉復活ってか。ふ…」

イヴは闇夜に紛れ、長い赤髪を靡かせながらもの凄い速さで風を切ると同時に両目をテールランプのように真っ赤に光らせていた。

周りの闇が深いため、その様子がハッキリと写り、赤い涙のように見えた。

そして横に流れる景色がどんどん早くなり、とうとう常人の目には写らぬ速度に突入し、周りの建造物の屋根や壁を縦横無尽に走り飛び越える。

レンツがいるであろう山を見つけると更に早く疾走し跳躍した。両手足を大の字に開き闇夜に舞っていた。
その姿は闇夜に踊る渡鴉そのものだった。










<2016/06/25 23:46 ライスマン>消しゴム
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