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サクラ学院魔獣討伐科


けたたましく目覚まし時計のアラームが朝の光が指す部屋に響きわたる。レンツは全身布団の中に入ったまま、布団の中から目覚まし時計を手探りで探し出しアラームを止めた。

レンツは勢いよく布団から身体を起こす。しかし、レンツの目は冴えておらず、目に光が宿っていない。まだ眠気が完全に消えておらず、脳は寝ているがなんとか眼を開けていられる状態なのだろう。

その状態で約3分経った後、レンツは重い腰を持ち上げ、洗面所へ向かった。冷たい水で顔を洗うも眠気が取れず、そのまま台所に足を運んだ。

「おはようございます。レンツ様♪」

いつも通り、台所に行くとイヴが朝ごはんの準備をしていて、セブンは外で煙草を吸っている。いつも通りの光景。レンツは冷蔵庫の中からペットボトルに入った水を取り出し、乾いた喉を潤した。そして、低い声で

「おはよう…」

レンツの愛想の無い低い声にイヴは少し表情を曇らせる。昨日のクサナギ山での戦闘の疲労が取れていないのではないのかと思案していた。

「レンツ様?どこか具合でも?」

「いや、特に…いつもこんなだろ」

「……そうでしたね」

「……それより朝飯。昨日は魔獣退治し過ぎたせいでお腹減ってるんだ。おいしいの頼むよ」

「はい♪」

イヴは曇らせた表情から一変、笑顔で答え、すぐさま食事の支度をし始めた。





レンツが呑気に朝ごはんを食べている頃、クサナギ山で、昨夜レンツに八つ裂きにされた魔獣を観察している人物がいた。その人物はゾッとするほど冷たい眼差しで魔獣の切り口と切断箇所、辺りの破損状況などをじっと見つめていた。

冷たい眼差しで観察している人物を間近で顔色を伺いながら、その人物に何か話そうとしている少女がいた。この少女は昨日レンツに助けてもらった金髪の少女エリス・ロード・ヴィルフルート

「お姉様どう思いますか?」

エリスは、しゃがみ込んで観察している、銀に輝くセミロングの女性に話しかけた。するとゆっくり立ち上がった。銀髪の少女は背はエリスとほぼ同じくらいだが、身体つきは違った。彼女はエリスのように胸の膨らみはあまりなく全体的に華奢で脆そうだった。顔はかなり綺麗で雪のように白く繊細なそんな雰囲気を醸し出していた。立ち上がった後、銀髪の女性は冷たい眼差しをエリスへ向けた。

「これはもはやアートの域だ。無駄な斬撃を一切加えず、最小限の斬撃で殺害している。そして一番気になった事は切断面が綺麗だ。これは一切の曇り、迷いがない状態で神速の如き一撃で切断しないと、こうはならない」

銀髪の女性は見た目通り、声も振る舞い方もクールで魔獣を倒したレンツに関心の念を送るも感情を押し殺しているのか淡々とエリスに説明した。

「お姉様はその魔獣を倒した人物に心当たりはありますか?」

「あるとすれば《静かなる剣神》しか思い浮かばん…しかし、とある筋の話では、彼はSSS級の魔獣レーヴァを討伐した後、この世界から引退し、この国の外れで目立たぬように暮らしているはずだ。私も顔は見たことないが、世界最強ランクの剣士らしい。もしエリスを助けた者がその者ならば、礼を言った後、剣を交えてみたい…」

「SSS級…?ってどのくらいのレベルなんでしょうか?」

「知らないのか?Sは国家を脅かす程の魔獣。SSは全世界を脅かす魔獣。そしてSSS級は宇宙をも脅かし、並行世界、現世、何もかも消滅させようとした魔獣だ。そのSSS級の魔獣との戦闘はこのクサナギ山の頂上で行われたと聞く。その時の戦いで周りの地形が大きく変わったらしい」

銀髪の女性は荒れた周りの地形や削られた岩壁、頂上へ続く鍾乳洞を観察しながら引き返している。エリスは銀髪の女性の背後にくっつき帰路を共にした。

「そういえば、エリス。そろそろ若桜戦だな」

「ええ…何が何でも優勝してお姉様への挑戦権を取って見せますわ」

「そんなに私と戦いたいのか?」

「はい。学院最強の生徒アリスロード・ヴィルフルートと真剣勝負が出来るのは若桜戦に出る選手にとって、身に余る光栄でございます」

「だが、まずは初戦だ。落とすなよ」

「ええ…全力を尽くします」





<2016/06/25 23:49 ライスマン>消しゴム
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