おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
サクラ学院魔獣討伐科


さっきの壮大な親子喧嘩。
ではなく修行の後、レンツは考えていた。
なぜ、自分を魔獣討伐のプロに育て上げるサクラ学院に入学させようとするのかを。
レンツは別に魔獣討伐が怖いわけではないがではないが、面倒な事になるのではないかと不安になっていた。

(よく考えたら俺みたいな弱っちい奴が魔獣討伐学院に入れる訳ないよ…今まで親父から一本も取った事無いしな。心配して損したぜ)

レンツはそんな都合の良い事を考えながら歩いていると、いつの間にか我が家の前まで来ていた。
古い2階建ての木造住宅。
無駄なモノは置かず、さっぱりした外見。
赤い郵便受けにはA4サイズの茶色い封筒が刺さっていた。
レンツは宛名など特に見ずに手に取り玄関のドアを開けた。

「ただいまー」

レンツが帰ると、奥の部屋から玄関に向かってくる小さな足音が聞こえてきた。

「お帰りなさいませ。レンツ様♪」

小さな足音の主は燃えるように赤く長いストレートの髪が特徴の柔かな表情をした綺麗な女性だった。

童顔というのも相まって見た目は二十歳そこそこの年齢だと思われる。

しかし、落ち着いた態度と気品溢れる立ち振る舞いは大人の女性の雰囲気を醸し出していた。

純白のエプロン越しにわかる身体のつくりも大人の女性のソレだった。
胸は大きいが身体はスマートでくびれた良い身体をしている。脚も長くスラッとしており、わかりやすい言葉で言えばスタイルが良い。
少し露出度高めの服を着用しようものならば健全な男子であれば目のやり場に困る事は間違いない。

エプロン姿から察するに料理中の様子だった。

「ただいまイヴ。親父は?」

イヴと呼ばれた赤い髪の女性は柔かな表情から少し、真剣な表情に変わる。

「セブン様でしたら、ついさっき、ご友人の方が訪ねて来られて、何処かでお話しするとの事です」

「そっか。コレ、ポストに入ってた郵便なんだけど親父に渡しといて」

「承知しました。ってあら…?この郵便物レンツ様宛てで来てますけど」

「えっ?来るような覚えないよ?誰から?」

「えーと…サクラ学院から入学案内と書かれてますね…」

「嘘だろ…いくらなんでも早すぎるだろ…」

レンツは一気にテンションが下がり、谷のどん底に落ちるくらいの勢いで深く頭を抱えこみ落ちこんだ。

「レンツ様?どこか具合でも悪いのですか?」

「いや、なんでもない…朝ご飯できたら呼んで。それまで爆睡する…」

「…はい。承知しました♪」

レンツは朝ご飯ができるまでの間、自室の2階で寝るため、やや重そうな足取りで階段を上った。無理もない。あれだけ嫌がっていた事が現実になる可能性を孕んでいるのだから。

(レンツ様…)

イヴは、重い足取りで自室へ駆け上がるレンツの様子を少し寂しそうな眼差しで見ていた。





<2016/06/25 23:24 ライスマン>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.