今は午後の昼休み。
生徒は出入り禁止とされているサクラ学院の屋上でレンツはまた入り浸っていた。
昼ご飯はすでに取り、綺麗めなダンボール箱を広げ、その上で大の字に寝て青い空を見ていた。
レンツが空を見上げたり、星空を眺めたりする時は決まって何か考え事をしているか、ただ普通にボーッと過ごしているかどちらかである。
(午後の授業。スポーツテストだったか。あーあ、本当面倒くせぇ…)
レンツは空に向かって盛大なあくびを発した。その時ドアの開く音がした。
しかし、レンツは微動だにしなかった。正体がわかっているからだ。
「……なんで、アンタここにいるの?」
聞きなれた金髪少女の声にレンツは特に驚かなかった。違反はお互い様だと思っているからだ。そして、遂には本音まで吐いた。
「教室で一人で飯食ってると友達居ないんだなって気付かれるのが、嫌だから、ここで昼飯食ってるの」
金髪少女エリスはその発言に見下す事はしなかった。特に表情も変えることもなく、無言でレンツの側に赤いシートを引いた。そして紅茶が入ったコップを手渡した。
「貰っていいの?」
レンツはエリスの顔色を伺い聞いた。
エリスは小さく頷いた。
エリスはじっとレンツを観察していた。
身長は成人男子の平均より少し低く、やや痩せ型だった。茶に染まった長い髪と幼さが残る色白の綺麗な顔は中性的で、どんな服を着ても似合いそうね。と思案していた。
「私もね。友達居ないの」
エリスの発言にレンツは目を丸くした。
エリスは間違いなく美人だし、スタイルも良い。
性格だって、怖いところはあるが、謝れば許してくれたし、昨日だって丁寧にお礼の言葉も貰ったし、今だって紅茶を差し出してくれる優しさもある。
なのに、何故?と信じられない表情を隠せないレンツだった。
「何よその顔。私が嘘をついてるとでも思ってんの?」
「いや、そんな事は言ってない。てか、昨日とはまるで別…じゃなくて!名前まだ聞いてなかったな」
レンツは天然なのか昨日のクサナギ山での一件の事を話しそうになった。
助けた側のレンツはエリスの事は知っているが、助けられた側のエリスはレンツに名前を教えて貰えなかったため、レンツの名前と昨日助けてくれた人の正体はわかっていないのだ。
「エリス・ロード・ヴィルフルート。それが、私の名前。アンタは?」
「俺はレンツ・シュタイナー」
レンツが名乗った瞬間、少し強い風が二人の間を通り抜け、お互いの長い髪が風に揺れた。
その風の中、エリスとレンツはお互い目を見つめ合っていた。
エリスは風が抜けた後、表情を少し強く締めた。何故なら、レンツとは若桜戦初戦の相手だからだ。
「私の1回戦の相手はアンタだったのね…」
エリスはレンツに右手を差し出した。レンツもそれに応えるように右手をゆっくりと差し出した。
「そうみたいだな」
「誰であろうと全力で行くわよ?恨まないでね」
「うん。わかった。お互い恨みっこ無しで」
予鈴のチャイムが鳴り響く中、レンツとエリスは強く握手を交わしていた。エリスは、これも運命なのか若桜戦の初戦の相手がアンタだったなんてね…と少し寂し気な表情で小さく笑っていた。
「じゃ、次はスポーツテストなんで行ってくるわ」
「うん。アンタまた明日屋上来るの?」
「雨や嵐が来ないかぎり昼休みは此処へ行くよ。唯一の居場所だからな」
「そう。わかったわ。また明日ね」
そう言ってレンツとエリスは別れ、それぞれの持ち場へ戻って行った。
生徒は出入り禁止とされているサクラ学院の屋上でレンツはまた入り浸っていた。
昼ご飯はすでに取り、綺麗めなダンボール箱を広げ、その上で大の字に寝て青い空を見ていた。
レンツが空を見上げたり、星空を眺めたりする時は決まって何か考え事をしているか、ただ普通にボーッと過ごしているかどちらかである。
(午後の授業。スポーツテストだったか。あーあ、本当面倒くせぇ…)
レンツは空に向かって盛大なあくびを発した。その時ドアの開く音がした。
しかし、レンツは微動だにしなかった。正体がわかっているからだ。
「……なんで、アンタここにいるの?」
聞きなれた金髪少女の声にレンツは特に驚かなかった。違反はお互い様だと思っているからだ。そして、遂には本音まで吐いた。
「教室で一人で飯食ってると友達居ないんだなって気付かれるのが、嫌だから、ここで昼飯食ってるの」
金髪少女エリスはその発言に見下す事はしなかった。特に表情も変えることもなく、無言でレンツの側に赤いシートを引いた。そして紅茶が入ったコップを手渡した。
「貰っていいの?」
レンツはエリスの顔色を伺い聞いた。
エリスは小さく頷いた。
エリスはじっとレンツを観察していた。
身長は成人男子の平均より少し低く、やや痩せ型だった。茶に染まった長い髪と幼さが残る色白の綺麗な顔は中性的で、どんな服を着ても似合いそうね。と思案していた。
「私もね。友達居ないの」
エリスの発言にレンツは目を丸くした。
エリスは間違いなく美人だし、スタイルも良い。
性格だって、怖いところはあるが、謝れば許してくれたし、昨日だって丁寧にお礼の言葉も貰ったし、今だって紅茶を差し出してくれる優しさもある。
なのに、何故?と信じられない表情を隠せないレンツだった。
「何よその顔。私が嘘をついてるとでも思ってんの?」
「いや、そんな事は言ってない。てか、昨日とはまるで別…じゃなくて!名前まだ聞いてなかったな」
レンツは天然なのか昨日のクサナギ山での一件の事を話しそうになった。
助けた側のレンツはエリスの事は知っているが、助けられた側のエリスはレンツに名前を教えて貰えなかったため、レンツの名前と昨日助けてくれた人の正体はわかっていないのだ。
「エリス・ロード・ヴィルフルート。それが、私の名前。アンタは?」
「俺はレンツ・シュタイナー」
レンツが名乗った瞬間、少し強い風が二人の間を通り抜け、お互いの長い髪が風に揺れた。
その風の中、エリスとレンツはお互い目を見つめ合っていた。
エリスは風が抜けた後、表情を少し強く締めた。何故なら、レンツとは若桜戦初戦の相手だからだ。
「私の1回戦の相手はアンタだったのね…」
エリスはレンツに右手を差し出した。レンツもそれに応えるように右手をゆっくりと差し出した。
「そうみたいだな」
「誰であろうと全力で行くわよ?恨まないでね」
「うん。わかった。お互い恨みっこ無しで」
予鈴のチャイムが鳴り響く中、レンツとエリスは強く握手を交わしていた。エリスは、これも運命なのか若桜戦の初戦の相手がアンタだったなんてね…と少し寂し気な表情で小さく笑っていた。
「じゃ、次はスポーツテストなんで行ってくるわ」
「うん。アンタまた明日屋上来るの?」
「雨や嵐が来ないかぎり昼休みは此処へ行くよ。唯一の居場所だからな」
「そう。わかったわ。また明日ね」
そう言ってレンツとエリスは別れ、それぞれの持ち場へ戻って行った。
