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サクラ学院魔獣討伐科


明日は若桜戦。レンツにとって今までの人生で一番大きなイベントである。
その為、無駄な体力を使わないで済むようにレンツはベッドで横になっていた。

しかし、若桜戦の事を考えれば余計に寝辛くなったレンツは居ても立っても居られず、深夜11時頃に自分の部屋を後にし、星を見ようと2階のベランダへ足を運ぼうとした。

その時、偶然にも廊下でパジャマ姿のイヴと遭遇した。

「レンツ様?もうお休みになられたのでは無かったのですか?」

長い真紅の髪は昼間よりも更に艶を増していた事から、お風呂上がりの様子。

イヴはレンツの行動を察したのか。すれ違い様に一瞬でレンツの背後を取り両足首付近を両手で掴むと両足を肩に乗せあっと言う間に持ち上げた。

「わっ…!ちょっ早ッ!?」

「こぉーらぁー…。レンツ様?今夜は星を眺めるのは我慢して下さい?前にも言いましたけど、本当にまだ夜は冷えるんですから。風邪ひいて、明日の若桜戦に出場できなくなったら元も子もありませんよ?」

レンツを肩車したまま叱咤し、強制的にレンツの部屋に連れ戻し、レンツをそっとベッドの上に優しく寝かせた。

「ごめん…イヴ」

「いえ、謝らないでください。また眠れないんでしょう?」

ベッドに腰掛けているイヴは心配そうにレンツに視線を送ると、レンツは何も言わず一回だけ頷いた。
それを見たイヴは部屋の電気を消した。電気が消えた真っ暗な部屋は、当然ながら何も見えず、見えるのはどこまでも続く黒い闇の世界のみ。

ほどなくしてレンツの背中に柔らかく温かいものが密着した。
レンツはもう少し離れようとするも背中から腹部に優しく腕を回され、足も片足だけ両足で挟まれ、完全に拘束された。
しかし、振りほどくにも、背中に密着された時点で体に力が入らず諦めた。

そしてレンツの耳元に温かい風が優しく刺激した。

「ッ……!?」

「レンツ様…まずは深呼吸してリラックスして下さい?その次、私が数字を数えますから、何も考えずにただ耳を傾けていて下さい」

視界を黒の世界で閉ざされ、身体は女の柔らかい肢体で拘束されたレンツは、されるがまま身を委ね言う通りにした。

10数えるまでは起きていたが、20数え終わる頃には意識が朦朧とし、気づかない内にレンツは眠りについた。

イヴは、レンツの睡眠を確認すると起き上がり、レンツの寝顔を見つめ、安堵した。

「何年も使っていないとは言え、催眠術の腕落ちたなぁ……ま、良いや。レンツ様、良い夢見て、明日の若桜戦頑張って下さいね♪」






<2016/06/26 00:00 ライスマン>消しゴム
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