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サクラ学院魔獣討伐科


そして…約一月が経ち、レンツはめでたく魔獣討伐のプロを育成する機関、サクラ学院魔獣討伐科に無事入学した。
着慣れない学院指定の紺色を基調としたブレザーに身を包み、気怠そうに学院に登校している。ネクタイを締めるのが苦手なのかだらし無く垂れ下がっていた。

「はぁー…二年もこんなのが続くなんてな。あのアホオヤジ何考えてんだ…マジで魔獣討伐士になれとか言うんじゃねーだろな」

レンツは朝から暗い独り言を吐きながら通学路をゆっくりと歩いている。しかし、サクラ学院の門前でレンツの足が止まった。

サクラ学院は古い町並みを超えた先にある。
幾つもの学科が存在するとても大きな学舎。
町並みを抜けると透き通るほどの綺麗な川が見える。

その川を渡ったらサクラ学院の門前に辿り着く。

また、川沿いには桜の木々が無数に雄々しく咲いており、それは美しい桜並木が存在している。

普通ならば初めてサクラ学院に来た者やサクラ学院に入学する生徒らは美しい桜の木々に目を奪われるものだがレンツは違った。

「そうだ!学校サボりまくったら、退学になるんじゃ ねーか!?そうと決まれば、回れ右だ!」

レンツは学校を無断で欠席を繰り返す事で、学校から退学されるという幼稚で下らない案を思いつくと、すぐ実行。
そして周りを見ず、回れ右した瞬間。
何かにぶつかり、バランスを崩し地面に手をついて倒れた。

「痛てて…ん?なんだこれ、柔らか…い?」

レンツは地面から立ち上がろうとした瞬間、柔らかい感触と人肌温いものが手の平に伝わった。

「あいたたたたっ……。って…アンタ!!」

もう一人金髪ロングの女子生徒が地面に倒れていた。
どうやらレンツが急に回れ右をしたせいで、ぶつかったらしい。
しかもラッキーいや、不幸な事に女子生徒の胸を揉んでしまったらしい。

「あ、ごめん!わざとじゃないんだ許してくれ」

「ごめんで済んだら魔獣討伐士なんていらないのよぉぉ!!」

金髪の女子生徒は頭に血を昇らせていた。
顔を真っ赤にして大変御立腹の様子。

金髪の女子生徒は怒りを抑えきれずに手に持っていた長い紫色の布袋をレンツの脇腹を狙い強振する。
レンツの脇腹に稲妻のような痛みが走る。

しかし、シナリオは覆された。

「え、嘘!?」

「ご、ごめんなさぁぁい!!」

レンツは金髪の女子生徒の高速のフルスイングを紙一重で回避し学院へ足早々に逃げていった。

「……。なにアイツ。私の一閃をかわした!?ふ、ふふっ…あはははっ!!なかなか面白い学院生活が送れそうね」

金髪の女子生徒は逃げて行ったレンツを見つめ、退屈しないで済みそうだと少し笑った表情を見せ、ゆっくり学院へ足を進めた。

この出会いが忘れられない出会いになる事は、この時点では2人に知る由も無かった。







<2016/06/25 23:27 ライスマン>消しゴム
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