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あなたに愛を捧げよう(※BLです)
- すき?スキ?好き? -

しかし、そんな僕を変えてくれたのが、
西宮さんだった。

僕が仕事に就こうと考えていた時期。
なかなか良いところも思い浮かばず、
就職試験を受けても、落ちてばかり。
もう、仕事は諦めようとしていた。

そんな時、目の前に映ってきたのが、
僕の部屋の隣の人であり、
このマンションで一番の頑固なおじさんに、
必死で頭を下げている男性。
それが西宮さんだった。

何度も何度も頭を下げ、謝っていた。
多分、おじさんがクレームを出したんだろう。
でも、僕はその様子に目を奪われ、
心を奪われ、西宮さんがいる会社を、
就職先に決めた。

それからは、僕の性格も見た目も、
何もかもを変え、新しい自分が出来た。

無事、西宮さんの会社にも入れて、
幸せに思っていた。

指導係も西宮さん。
会社で一番仲良いのも、西宮さん。
自然の笑顔を僕だけに見せてくれる西宮さん。
西宮さんは、僕のもの。僕だけのもの。
僕を特別と思ってくれている。
西宮さんの側には、僕がいないといけない。

そんなことないのに、
僕の妄想は、どんどん広がっていき、
西宮さんに対する独占欲も強くなった。

そして、今もそうだ。
病室に入った一瞬で、
西宮さんに抱き付いている人を見つけ、
その人から、西宮さんをどかせるために、
僕も抱き付き、涙を流す。
僕の思い通り、抱き付いていた人は、
西宮さんの体から離れた。

しかし、西宮さんは、僕じゃなく、
さっきまで抱き付いていた人を見ていた。

僕じゃない。僕だって心配している。
僕の方が心配している!!
僕の中にある、黒いどろどろしたものが、
中でぐるぐる回り、口から飛び出てしまった。

「西宮さん!大丈夫ですか?
僕、僕、本当に。。。」

目をうるませて、一粒涙を流す。
そうすると、僕を慰めるように、
西宮さんは笑顔を向けてきた。

そして、抱き付いていた人は、
目をうるませていたものの、
涙を流さず、部屋から飛び出していった。

<2016/08/18 12:40 本田鳥>消しゴム
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