課長Side
俺は、岸田歩(きしだ あゆむ)という。
しかし、その名前が小さい頃から、
気に入らなくて、
いつも自分の名前を偽っていた。
『深川重幸(ふかわ しげゆき)』。
それが、俺の偽名だった。
この名前は、字は違うが、
俺の初恋相手の名前だ。
自分をゲイだとは思っていない。
でも、昔から男ばかりを好きになっていた。
女の人が小さい頃のトラウマで、
大人になった今でも少し怖い。
それが、原因なんだと思う。
小さい頃、両親は共働きで、
家にはいつも意地悪な伯母さんがいた。
ろくに勉強も教えられず、
やっと巣立ち、大学で頑張ってみたけれど、
全然ついていけなくて、中退した。
だから、恋というのも、友情というのも、
今までは分からなかった…。
でも、今ははっきりと分かる。
『俺は、鈴木が好きだ。』
「あの!すみません。
その人、僕の連れなんで。」
鈴木を追い掛けて、病院から出ると、
公園の方から、声が聞こえた。
高い声。でも、女の人よりは少し低い。
人と上手に話せていない。
それで、俺はすぐに鈴木と分かった。
部屋の二人はいちゃいちゃしていたし、
置いてきても構わないと思って出てきたが、
俺がそう声をかけると、
鈴木は、きょろきょろと辺りを見回し、
静かに俯いた。
不審者は逃げてどこかに行ったが、
鈴木は喜んでいない。
ただただ俯いているだけで、
口を開こうとしない。
「す、鈴木?大丈夫か?
具合悪い?」
そう優しく聞くと、鈴木は泣き出してしまった。
俺は余計に焦り、
鈴木の背中を一生懸命に擦った。
「か、かちょう。うっ、くっ、
ありがとう、ご、ざいました。うぅっ。」
そう途切れ途切れに感謝を示す鈴木に、
俺はひどいことをした気持ちになって、
背中から手をのけようとすると、
後ろで『鈴木さん!』と呼ぶ声がした。
俺は、岸田歩(きしだ あゆむ)という。
しかし、その名前が小さい頃から、
気に入らなくて、
いつも自分の名前を偽っていた。
『深川重幸(ふかわ しげゆき)』。
それが、俺の偽名だった。
この名前は、字は違うが、
俺の初恋相手の名前だ。
自分をゲイだとは思っていない。
でも、昔から男ばかりを好きになっていた。
女の人が小さい頃のトラウマで、
大人になった今でも少し怖い。
それが、原因なんだと思う。
小さい頃、両親は共働きで、
家にはいつも意地悪な伯母さんがいた。
ろくに勉強も教えられず、
やっと巣立ち、大学で頑張ってみたけれど、
全然ついていけなくて、中退した。
だから、恋というのも、友情というのも、
今までは分からなかった…。
でも、今ははっきりと分かる。
『俺は、鈴木が好きだ。』
「あの!すみません。
その人、僕の連れなんで。」
鈴木を追い掛けて、病院から出ると、
公園の方から、声が聞こえた。
高い声。でも、女の人よりは少し低い。
人と上手に話せていない。
それで、俺はすぐに鈴木と分かった。
部屋の二人はいちゃいちゃしていたし、
置いてきても構わないと思って出てきたが、
俺がそう声をかけると、
鈴木は、きょろきょろと辺りを見回し、
静かに俯いた。
不審者は逃げてどこかに行ったが、
鈴木は喜んでいない。
ただただ俯いているだけで、
口を開こうとしない。
「す、鈴木?大丈夫か?
具合悪い?」
そう優しく聞くと、鈴木は泣き出してしまった。
俺は余計に焦り、
鈴木の背中を一生懸命に擦った。
「か、かちょう。うっ、くっ、
ありがとう、ご、ざいました。うぅっ。」
そう途切れ途切れに感謝を示す鈴木に、
俺はひどいことをした気持ちになって、
背中から手をのけようとすると、
後ろで『鈴木さん!』と呼ぶ声がした。
