海に咲く、無数の光のように。
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「バイバイ、夕陽」
五年前の夏、友人の水瀬 灯咲(ミズセ ヒサキ)は自ら海に飛び込みその命を絶った。15歳だった。
私は、そこに、彼女が飛び込む現場に居たのに、助けることができなかった。
クラスのいじめが原因だったことを、私は後から知った。
何で気づかなかったんだ、何であの時助けられなかったんだ、そうやって私は、自分自身を責めた。
彼女のお母さんには、「貴女のせいじゃない、自分を責めないで」そう言われた。
それから五年が経った。
今日は、彼女の命日。
私は今尚、君の笑顔が脳裏に焼き付いて、忘れられないのだ。
「お久しぶりです、灯咲ちゃんのお母さん、お父さん」
一昨年までは頻繁に来ていたが、引っ越して元のところより少し離れたところのアパートに住んだため、前回来たのは半年から一年前だった。
お母さんの咲希(サキ)さんも、お父さんの秋斗(アキト)さんも優しく迎えてくれた。
来る途中に買ってきたお花を彼女のお母さんに渡すと微笑み乍「ありがとう」と言ってくれた。
私は御仏壇の前に座り、線香を立て、お鈴を鳴らし手を合わせる。
「夕陽ちゃん、ありがとうね」
咲希さんが私に言う。
「きっと、灯咲も夕陽ちゃんに会えて喜んでるわ」
「そうだと、私も嬉しいです」
咲希さんの目にうっすらと涙が浮かんだのが見えた。
「今年で夕陽ちゃんも灯咲も、20歳か 早いなぁ…」
「(そっか…灯咲も20歳なのか、生きてれば一緒にいろんなところ行けたのかな…新しく出来た遊園地とか、話題のカフェとか、あと成人式も…)」
「夕陽ちゃん!?どうしたの?」
咲希さんの声が響く。
「…え?」
「どうして泣いてるんだい…?」
秋斗さんが私の顔を見ながら尋ねる。
「え?…泣いてる?」
頬に触れると、本当に泣いていたようで指先が濡れた。
「あぁ、ちょっと考え事してたらなんか泣いてたみたいです…」
服の袖で目をふき、笑う。
「じゃあ、私はここらへんで帰ります ありがとうございました また来ますね」
「うん、さようなら、気を付けてね…あ、夕陽ちゃんちょっと待って」
そういって咲希さんが一枚の紙を持ってきた。
それは、私も持っている見慣れたチラシだった。
「今度の夏祭り、今年も灯籠流しをやるらしいの、夕陽ちゃんがよかったら一緒に参加しない?」
五年前の夏、友人の水瀬 灯咲(ミズセ ヒサキ)は自ら海に飛び込みその命を絶った。15歳だった。
私は、そこに、彼女が飛び込む現場に居たのに、助けることができなかった。
クラスのいじめが原因だったことを、私は後から知った。
何で気づかなかったんだ、何であの時助けられなかったんだ、そうやって私は、自分自身を責めた。
彼女のお母さんには、「貴女のせいじゃない、自分を責めないで」そう言われた。
それから五年が経った。
今日は、彼女の命日。
私は今尚、君の笑顔が脳裏に焼き付いて、忘れられないのだ。
「お久しぶりです、灯咲ちゃんのお母さん、お父さん」
一昨年までは頻繁に来ていたが、引っ越して元のところより少し離れたところのアパートに住んだため、前回来たのは半年から一年前だった。
お母さんの咲希(サキ)さんも、お父さんの秋斗(アキト)さんも優しく迎えてくれた。
来る途中に買ってきたお花を彼女のお母さんに渡すと微笑み乍「ありがとう」と言ってくれた。
私は御仏壇の前に座り、線香を立て、お鈴を鳴らし手を合わせる。
「夕陽ちゃん、ありがとうね」
咲希さんが私に言う。
「きっと、灯咲も夕陽ちゃんに会えて喜んでるわ」
「そうだと、私も嬉しいです」
咲希さんの目にうっすらと涙が浮かんだのが見えた。
「今年で夕陽ちゃんも灯咲も、20歳か 早いなぁ…」
「(そっか…灯咲も20歳なのか、生きてれば一緒にいろんなところ行けたのかな…新しく出来た遊園地とか、話題のカフェとか、あと成人式も…)」
「夕陽ちゃん!?どうしたの?」
咲希さんの声が響く。
「…え?」
「どうして泣いてるんだい…?」
秋斗さんが私の顔を見ながら尋ねる。
「え?…泣いてる?」
頬に触れると、本当に泣いていたようで指先が濡れた。
「あぁ、ちょっと考え事してたらなんか泣いてたみたいです…」
服の袖で目をふき、笑う。
「じゃあ、私はここらへんで帰ります ありがとうございました また来ますね」
「うん、さようなら、気を付けてね…あ、夕陽ちゃんちょっと待って」
そういって咲希さんが一枚の紙を持ってきた。
それは、私も持っている見慣れたチラシだった。
「今度の夏祭り、今年も灯籠流しをやるらしいの、夕陽ちゃんがよかったら一緒に参加しない?」
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