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次男と四男のお手々事情
- 汗ばむ -

寒い朝を迎えた。
今日もまた寒い。日に日に寒い。
居間は誰もいないせいもあり、キーンと冷え渡っている。
俺と一松。2人でどうしようもならない寒さに悪態をつく。
「カラ松のせいだ」
唐突に行われる責任転換。
俺に非はない。その事実を証明すべく、俺は反論の言葉を紡ぐ。俺は一松に灯油を買い、ストーブに入れるよう頼んだこと。さらに一松がそれを快諾したこと。また、寝る前に念を押したこと。懇切丁寧に説明すると、一松は頬を膨らませ黙りこくる。
「分かったか。マイリトォルゥブラザァー」
「かっ、カラ松のせいだ」
だってカラ松が灯油入れないから。
全く予想もしない言葉。いくら何でも甘えん坊すぎるぜ、一松。
仕方ないな。
結局俺は甘やかすのだ。
「さぁ一松。俺の手にお前の絹のように滑らかなその手を、重ねるんだ」
「なに、なんなの」
俺の手にそっと重ねられたもう一つの手。子供のように暖かい手は、この寒さからの癒し。ここだけが春が訪れたかのような、そんな暖かさ。恐らく恋が補正をかけている。
Ah……
思わずうっとりとした溜息が漏れる。
「あんだよ、なんなんだよカラ松」
おおっと、一松も暖めてやらないとな。ふっ、俺の手でお前の心まで暖めてやるぜ。
きゅーっとしっかりと手を握りこむ。
「えっ、ちょっと」
辛いものでも食べたかのように赤く染まる頬。ストロベリーアイスのようなその頬は、本当に冷たいのかとそっと唇で触れる。赤ちゃんのような、キメの細かい肌。少し甘い匂いもする。

また更新します
<2016/07/18 08:13 白場>消しゴム
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