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世界が終わる今日、僕は君を探していた


「ごみだしいってくるねー」

「いってらっしゃい」

まるで夫婦みたいな会話の二人だな‥‥

「何?」

「ん?いや」

文月やっぱし怖いよ。

「険しい顔しながら、私のことを見つめないでよ」

お前の方が険しい顔してるよ。

「キモい。笑うな」

いつものように殴られた。













『みんな~、試練だよーん♡』

俺はため息混じりに心を整える。

『今回の試練は~………』
『裏切り者を探し出せ!』

「裏切り者?」
皐月の頭の上に、はてなマークが浮かび上がる。

「そんなのいるわけ?」
文月は疑わしげにこちらを睨み付けた。

いや、睨まれても何にも言えないんすけど!?

『二時間の間に裏切り者だと思う人の名前を紙に書き、体育館に投票箱があるからそこに入れてね』
放送の声からは楽しんでいるような気分がうかがえる。
『相談はもちろんOK。あと二時間以内に入れなかった人は即死ぬよ。紙には自分の名前も書いてね。
あ、わかりずらくなるか!じゃあ真ん中におおーっきく裏切り者の名前を書いて、裏に自分の名前を左下に小さく書いてね♪』

気づくと皐月が慌てて紙を探し始めてた。

文月は黒ペンのインクが出るか、床に試し書きをしている。
「ダメ!インクでない!!」

「紙ないよ!」

俺も一応探したが、ある気配は無い。
「ここには無いんじゃないか?」

「印刷室にあるんじゃないかしら?」
少し悩んだあと文月が言った。

続けて皐月がいう。
「別にペンじゃなくてもいいんだろ?習字できるよ、墨あるから。それにチョークとかも使える」

「筆、ある?」

「にいはバカ?」

笑って皐月は人差し指を立てた。

「指で書けばいいじゃん」

「どーでもいいから。それより紙ないの?」

「紙代わりになるものってあるか?」
俺はバカな脳で必死に考える。
「トイレットペーパーは?」

「薄くて書けないわよ!!!!」
腹立ち毛に怒鳴る文月。

「じゃあ半紙は?ねーのか?」

皐月は残念そうに笑った。
「ないよ。墨しかない」

「あ、ノートあった」
突然文月が大声をあげる。

ノートは確かにある。誰かのだ。運が悪いことに【愛の詩】と書いてある。

内容はでれでれしたキモい話だった。

悪いと思いながらも、丁寧に最後のページを一枚破る。

三枚に破る。



「ここからが本題よ」

「ぁぁ、裏切り者ってやつか」

「裏切り者に選ばれた人はどうなっちゃうんだろう?それに本当に裏切り者は居るのかな?」

「知るか」

その言葉を気に、全員黙り混む。

裏切り者‥‥怪しいのは哲三とか輝仁とか‥‥。

と、視線を感じ頭をあげる。

文月だった。

変な感情のこもった瞳で俺を見詰めていた。決していい感情ではない。

俺と目が合うと、文月は慌てて視線を離す。

もしかしたら‥‥、睦月はふとおもう。

(もしかしたら文月は俺を疑っているのか?それはないときっぱり言いたい。だが、きっぱり言い切れない。)

「み、みんなは誰を疑ってるんだい?」
震える声で聞く。

「私は‥百合子。」

「僕は輝仁か哲三。」

驚きだった。百合子は怪しいとは少しも思わないのだが‥‥

「俺も輝仁か哲三かな‥‥。どっちかって言えば、輝仁だ。」

「僕も。輝仁は怪しすぎるよ」

「うん、そうかもね」

またもや沈黙。

沈黙は好きじゃない。
「な、何で百合子だと思ったんだ?」

ビクッと震える文月。声まで震えてた。
「べ、別に。何となくだよ。考えは変わったよ。わ、私も輝仁がいい!」

「じゃあ紙に書こっか」
皐月はチョークを手渡してきた。

俺は素直に受けとると、紙にかきはじめる。

【青原 輝仁】

裏に俺の名前も書く。

「み、みんな。かきおわった?」

俺も皐月も頷く。

「じゃあ体育館、行こ」








<2016/08/10 23:41 栗原小雪>消しゴム
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