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小さな英雄
- 序章 始まりの刻 -

ある草原に、一人の少年がいた。最近旅人になったばかりの、まだまだ未熟な少年だ。強くはない。強いというよりも、弱い。それも、かなり弱い。髪や瞳は黒く、黒い布服の上に、ロングコートのような服を着ている。肌は雪のように白く、それなりに整った顔立ちは、見ようによっては女の子にも見える。安っぽい青銅の剣を腰に挿した、見るからに弱そうな旅人だ。歳は10代の半ばか前半位か。身長は160位だ。少年の名前は、クロウ・アルセイフ。歳は16だ。クロウは、ゴブリンを探していた。ゴブリンというのは、この世界で最も弱い魔物だ。緑色のしわしわの肌をした、人型の魔物だ。弱いせいで、よく初心者旅人のターゲットにされている。
「いたいた。あれだ」
ゴブリンを発見して、クロウはそう呟いた。中性的な声だ。クロウが剣を抜く。青銅の剣はボロボロで、切れ味も悪い。”斬る„と言うよりも、”殴る„と言った方が正しいような、そんな感じだ。クロウの斬撃がゴブリンを襲う。ゴブリンはそれを剣で弾いて、クロウに突きを繰り出す。クロウはそれを後ろに跳躍して避け、
「一番弱い魔物がこんなに強いなんて、この世界は素晴らしい程に危険だね」
と、愚痴を漏らす。ゴブリンの剣を受け止め、競り合いになる。するとなんということか、クロウの剣が折れてしまった。クロウは後ろに飛び退き、
「はぁ!?なんでこんな時に!本当に運(ツキ)がないよ」
と、またまた愚痴を漏らす。旅人なんてやらなければ良かった。クロウはそう思った。だが、金が無ければ死ぬ。仕方ないことなのだ。もう通貨経済なんて辞めてしまえ。クロウはそんなことも思ったことがある。クロウは剣が折れたせいで、素手で戦うことになった。ゴブリンの剣を跳躍して避け、そのまま顔を蹴る。ナックルも着けていない、本当の素手で殴るのは嫌だったので、少しよろめいたゴブリンの腹を蹴り、ゴブリンを飛ばす。ゴブリンが落とした剣を拾い、ゴブリンを斬った。
「これじゃ、まるで悪人みたいだなぁ」
クロウはそう呟いた。この剣を持っていこうかとも思ったが、鞘が無いので持ち運べない。鞘を作ってもらう位なら、安物の剣を買った方が得する。クロウはゴブリンの首にかかっていた宝石を取って、町に戻った。そして宝石を売る。銅貨10枚か。安い。安過ぎる。これじゃあ、剣買えないよ。

この世界の通貨は、金貨、銀河、銅貨、で表される。銅貨100枚で、銀河1枚。銀河100枚で、金貨1枚だ。剣を買うには、銅貨20枚はいる。普通はどれだけ安い物でも、銅貨30枚はするのだが、値切りに値切って、20枚に負けてもらうのだ。

そんな時だった。クロウは、目の前で人だかりができているのに気づいた。なんだろうか?クロウは、人混みを掻き分けて進む。もしかしたら、助けたお礼に金が貰えるかも。という、下心見え見えな魂胆(こんたん)だった。そこには、モヤシのようにひょろい男と、超絶美少女がいた。美しい白髪は、腰の辺りまで伸びている。瞳は、まるで宝石のように綺麗な青。雪の様に白い肌。黒と紫を基調としたクールな服に、太ももを露出される短いスカート。腰には、真っ白な片刃の剣が挿してある。身長は160位か。歳は10代の後半だろう。男が茶色い土器の破片を拾い上げて、
「どうしてくれるのかね?高かったのだよ?金貨25枚はしたよ」
男のその言葉を聞いた瞬間、馬鹿かこいつ。と、クロウは思った。あれはただの土器だ。高くても、銅貨80枚あれば買える。よくある詐欺だ。こんなありきたりな詐欺は、久しぶりに見た。
「すいません。ですが、あなたがぶつかってきたのでしょう?」
「いや、あんたがぶつかってきたんだよ。て言うか、今はそんなこと関係ない。金が払えないなら、体で払って貰おうか」
男はそう言って、美少女の手を掴む。体で払う?ああ、なるほどね。あのモヤシ男が、美少女の美しい肌に触ったり、小さい胸や、美しい太ももに触れたり。ああ、もう。考えるだけでも腹が立つ。
「ちょっと待ってよ」
クロウはそういって、男の手を強引に引き剥がす。
「大丈夫?」
クロウが美少女にそう訊(き)くと、
「ええ。助かったわ」
と、美しい声で答えた。
「なんだよ。お前」
「ただの旅人だよ。て言うか、そんなの今は関係ないよ」
そう言って、クロウは土器の破片を拾い上げる。
「これ、ただの土器だよね?その辺で、銀河1枚もあれば余裕で買える。こんなありきたりな詐欺をする奴は、久しぶりに見たよ」
クロウがそう言うと、
「クソッ。バレたか」
と言って、ナイフを取り出した。そして、クロウを斬りつける。クロウはそれを避け、顔面を蹴りつけた。すると、男は退散する。
「ありがとう。助かったわ。私は、エリィ・マクスエル。18歳よ。良ければ、ご飯を奢るわ」
「え………?ああ、ありがとう」
クロウは、少し戸惑ってそう答えた。最初は飯を奢ってもらうとか、金を貰うとかが目的だったけど、正直言って、この人………エリィが何もされずに済んだことと、その笑顔が見れただけで充分なんだよな。と思いながらも、一応了承することにした。

どうも、こんにちは。トウヤです。お久しぶりぶりです。皆さん。これから、小さな英雄。書いていこうと思います。面白い。には程遠い小説ですが、一人でも多くの方に読んでもらえ、感想を書いてもらえるような、そんな小説にしていきたいです
<2016/07/11 22:11 トウヤ>消しゴム
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