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小さな英雄
- 四章 ホムンクルス2 -

雨が降ってきた。これはヤバイな。何がヤバイかって、それはセーラがヤバイ。セーラの服は白い。しかも薄い。濡れたら透けるのは間違いない。どこかで雨宿りするか?こんな時間に雨宿りはできない。クロウは自分の着ているコート風の戦闘服を、セーラに着せてあげる。
「いいよ。クロウ、寒そうだから」
セーラはそう言った。だがクロウは、
「大丈夫。寒くないよ」
クロウは黒い布服一枚になったが、まあ大丈夫だ。
「そういえば、セーラって、君のお父さんがつけた名前?」
「ううん。違う。私には、元の名前があった。だけど改造されたから、その名前は忘れた。この名前は、ルトがつけた。ずっと嫌いな名前だったけど、今は好き。クロウが呼んでくれるから」
「照れるな。なんか。セーラはね、もっといい仲間に出会えるんだよ。今からね。みんないい人だし、仲良くなれるよ」
「うん」
話していると、宿についた。宿につく頃には、二人共びしゃびしゃだった。
「遅いぞクロウ。って、誰だその女の子!?」
レインが驚愕して、そう訊いてくる。
「いや、何て言うかその、僕の仲間だよ」
クロウがそう断言する。
「いや。そういうことじゃなくてだな、どうしてその女の子といるのかって聞いてるんだ。まさか、誘拐!?」
「それはありませんよ。クロウさんは、そんなことしませんから」
ガルシアが笑顔でそう言うと、レインが、
「それもそうだな」
クロウは渋々、あったことを話した。ルトを殺した部分を除いては。クロウが風呂に入ると、セーラも一緒に来ようとした。だが、それは駄目だ。エリィに風呂に入れてもらうよう頼み、風呂に入る。それから、ガルシアを呼び出した。クロウとガルシア以外誰もいない部屋で、話をする。
「さっき話したこと、覚えてる?」
「はい。セーラさんを助けた話でしょう?」
「うん。実はね、言ってなかったことがあるんだよ。僕はあの時一緒にいた研究員を………………殺した」
その言葉を聞いても、ガルシアは冷静だった。
「そうですか。仕方ないことですね。私もありますよ。人を殺したことは」
「ガルシアもか」
「はい」
それからしばらくの沈黙が流れ、クロウが口を開く。
「僕は、ずっと闇だったんだ。だけど、最近光になってきてる。だから、あんな奴を殺したのに後悔しているんだよ」
「違います」
ガルシアがそう断言する。
「クロウさんは、何か勘違いしている。闇は悪。そう考えているのではないですか?ですが、それは違います。闇にも正義はいます。光にも悪はいます」
「だいたい、悪とか正義とか、人によってバラバラじゃないか」
「はい。そうですね。ですが、闇だっていいことはあるんですよ。それに、光になりつつあると言うことは、いいことだと思いますよ。今のクロウさんは、光でもあり、闇でもある。悪くいえば中途半端。良く言えば、どちらの考えにもなれる、とてもいい人ですから」
クロウはそれを聞いて、少しいい気分になる。どちらの考えにもなれるか。確かに、そうかもしれない。でも、結局は中途半端なんだよな。
「何て言うか、ガルシアに相談してよかったよ。ありがとう」
「いえいえ。構いませんよ。大切な主君のご友人……………いえ、大切な仲間なんですから」
「そうだね」

部屋に戻るとろなぜか全員が集まっていた。セーラが服を返してくれる。
「とてもいい子ね。セーラ」
エリィが微笑んでそう言う。
「なんで集まってるの?」
クロウがそう訊くと、レインが答える。
「いや、凄いよなって話してたんだよ。ホムンクルスって、いろいろと凄いよな」
「そうなんだ。確かに凄いよね。ホムンクルスって」
適当に話を終えると、部屋に戻っていく。セーラはクロウにくっついているが、
「女子の部屋はこっちだよ。お休み」
そう言って、セーラをエリィとアリサに任せる。
「ずいぶんとなつかれてるわね」
アリサがそう言うと、エリィが少し不機嫌そうに、
「いいんじゃない」
と言った。そしてセーラを引き取り、部屋に戻っていく。怒ってる?いや、怒る要素はないし、多分気のせいだ。クロウはそう思い、部屋に戻った。翌日、セーラの装備を買いにいく。杖が欲しいと言ったので、赤い杖を買ってあげた。だが、ホムンクルス専用の杖があるのに、普通の杖でいいのだろうか?普通の杖なんて、ただの飾りだ。いや、武器にはなるけど。そのせいで、杖は人気がない。セーラが杖を握りしめて、何か言っている。
「何してるの?」
アリサがそう訊くと、
「この杖に、力を注いでる。ルトの言ってたことは嘘。あれ、ただの杖だよ。それに、ホムンクルスの力を注いだの。だから、この杖にも力を注ぐことはできる。一度自分の力を注げば、自分の力を増幅させることができる。ホムンクルスにしかできないけどね」
セーラが説明すると、アリサは納得したように、
「そうなんだ」
「私、エリィと同じ服がいい」
セーラがそう言う。
「私と同じ服?」
エリィがそう訊いた。
「うん」
その答えを聞いて、エリィは嬉しそうに笑う。緑と赤の、エリィと同じ服をセーラに買い、また旅を続ける。これで六人。この六人が世界を変えるなどということを、誰も知るはずがなかった。

どうも、こんにちは。最近、よくゲームをしてます。勉強はしていません。て言うか、しません。いや、しろよ。ってツッコミが来そうですね。小説を書くのもいいですが、ゲームも楽しいですよ
<2016/07/19 14:18 トウヤ>消しゴム
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