クロウ達は、ある村に来ていた。寂れた村だ。活気が無く、村人達の顔は死んでいる。一人のやつれた男性が、壁にもたれて座ってきる。今にも死にそうだった。その男性に、エリィが近付く。
「大丈夫ですか?」
エリィがそう訊くと、男性はゆっくりと首を横に振る。
「あり………がとう。心配してくれて」
男性はそう言い残して、動かなくなった。エリィは絶望の表情で、男性を見つめていた。
「酷いな。何が原因だ」
レインがそう呟く。するとアリサが、
「帝国。帝国の仕業よ。きっと」
そのアリサの言葉を証明するように、騒ぐ声が聞こえてくる。数人の兵士が、こちらに向かって来る。
「まだ生き残りがいたのか」
兵士のその言葉を聞いて、セーラは、
「酷い言い方」
と呟く。
「あぁ?酷いだと?こいつらが反逆するのが悪いんだよ。わかるか?こいつらはな、王に反逆したんだよ。お嬢さん」
「反逆とは、具体的にどんなことですか?」
ガルシアの問いに、
「詳しくは知らねえよ。ただ、王は間違っているとか言ってたらしいぜ。それで、俺達に言ったんだ。こいつらを殺せってな。最初は普通に殺してたんだが、だんだんつまらなくなってきてな。餓死させるようにした」
兵士は笑いながらそう言った。
「つまらないだって?何がだよ!」
レインが激昂してそう怒鳴ると、
「おい、反逆するつもりか?お前らもこうなりたいのか?」
と、兵士が問い詰める。あーあ。面倒臭い。確かにこの兵士はクズだ。聞くところによると、王もかなりクズらしい。だからって、他人の仇を討つ為に自分が手を汚す必要はない。だいたい、レインやアリサ、エリィは人を殺せるはずがない。どうせ、自分かガルシアに押し付けるだろう。本当に面倒臭い。レインが、剣を兵士に突き出す。兵士はそれを後ろに跳躍して避け、
「こいつらも殺すか。楽しそうだしな」
兵士のその言葉を聞いて、アリサが矢を放つ。兵士の肩に当たり、兵士は悶絶する。数は六人。こちらと同じか。
「お前も同罪だ」
兵士がそう言いながら、クロウに斬りかかる。クロウはそれを避け、流れるように兵士を斬り裂いた。目を見開いたままその場に倒れ込む兵士に、クロウは、
「ごめんね」
と声をかけ、兵士の目をそっと閉じる。戦いは終わっていた、死んでいる兵士は三人。クロウ、ガルシア、セーラが殺した。気絶してきる兵士が三人。エリィ、レイン、アリサと戦っていた兵士だった。
「お前、なんで殺せるんだよ」
レインがクロウにそう言う。
「逆に言いたいよ。何で殺す覚悟もないのに、戦いなんて挑んだんだ」
「殺す覚悟って、そんなの必要ないだろ」
「あるよ。殺したかったんでしょ?この兵士達を。だから攻撃した。なのに殺せないなんて」
クロウは怒っていた。そして、そう言ったクロウの言葉にも、少し怒りが感じられる。
「僕は変わりに殺したりしない。殺りたいなら、自分で殺ってよ。だいたい、君が戦いを挑んんだから、僕が兵士を殺すことになったんだよ。ガルシアだって、セーラだって」
「なんだよ。俺のせいだって言うのかよ。自分が勝手に殺したんだろうが!」
レインが怒鳴る。そして、剣を抜いた。
「ちょうどよかった。お前とは、一度戦いたいと思っていたんだ」
クロウは剣を抜き、
「他人を殺せない君が、仲間を殺せるはずがない」
それを見て、ガルシアがレインを、エリィがクロウを止める。
「離せよガルシア」
「それわ聞けませんね。いい加減にしてください」
ガルシアが珍しく怒りの表情を見せてそう言った。
「落ち着いてクロウ」
クロウは深く溜め息を吐いて、自分を落ち着かせる。
「わかったよ。ごめんね。エリィ」
「私は、別にいいのだけれど」
それから、重い雰囲気のまま宿に入った。
深夜、クロウは眠らずに、ずっと剣を見ていた。美しいレッドパールで装飾された、漆黒の剣を。すると、レインがクロウを呼んだ。
「ちょっと来いよ」
クロウは無言で、レインについていく。屋上に来ると、レインが口を開いた。
「お前、まだ怒ってるか?」
「当然だよ」
「嫌われるぞ」
「どうでもいいよ。そんなこと」
「せっかく仲直りしようと思ってるのに、最低だな。お前」
「それはこっちの台詞だよ」
クロウはそう言って、部屋に戻ろうとする。すると、レインに呼び止められた。
「待てよ。これは自慢する訳でも、自分を誉める訳でもないけど、お前より俺の方が強いぜ。やりあっても、お前は俺に勝てない。だから逃げてるんだろ」
クロウはその言葉を聞いて激昂する。剣に手をかけるが、やはりやめた。深く溜め息を吐いても、落ち着かせることができない。クロウはレインに近付いて、剣をレインに向ける。レインも剣を抜いた。
「お前にわかるのかよ。努力が報われない辛さが。お前の方が強いことなんて知ってるんだよ!お前の方が魔法も使えて、力もあって、愛想も良くて、顔も良いし…………僕だって努力してるんだよ。だけど、どれだけ努力しても魔法が使えないんだ。天才には、凡人の辛さがわからないんだ」
クロウは最初は怒りながら、途中から悲しみながらそう言う。するとレインが、
「なんだよお前。いきなり俺のこと誉めやがって。だいたい、お前は俺よりも素早いだろ」
「それだけじゃないか」
クロウがそう言う。するといきなり、左目に激痛が走る。今まで感じたことのない痛みだった。剣が地面に落ち、固い音が響く。左目を押さえてその場に屈む。すると、レインが寄って来る。
「おい。どうした?」
レインは焦りながらそう訊いた。
「お前、俺を心配させようとして演技してるんじゃないだろうな」
レインはそう言うが、クロウは答えない。いや、答えることができない。やがて痛みも収まり、手を離す。するとレインが驚愕して、こう言ってきた。
「お前…………その左目」
「何を言ってるの?この左目がどうかした?まぁ、どうでもいいよ。レインが僕を心配してくれてるって言うのはわかったし、仲直りはもう終わりだから」
「ああ、仲直りは終わりだ。でも、それとこれとは違うんだよ。お前の左目、なんで赤くなってんだよ」
「赤い?僕の左目が?」
クロウが疑問気にそう言った。
「大丈夫ですか?」
エリィがそう訊くと、男性はゆっくりと首を横に振る。
「あり………がとう。心配してくれて」
男性はそう言い残して、動かなくなった。エリィは絶望の表情で、男性を見つめていた。
「酷いな。何が原因だ」
レインがそう呟く。するとアリサが、
「帝国。帝国の仕業よ。きっと」
そのアリサの言葉を証明するように、騒ぐ声が聞こえてくる。数人の兵士が、こちらに向かって来る。
「まだ生き残りがいたのか」
兵士のその言葉を聞いて、セーラは、
「酷い言い方」
と呟く。
「あぁ?酷いだと?こいつらが反逆するのが悪いんだよ。わかるか?こいつらはな、王に反逆したんだよ。お嬢さん」
「反逆とは、具体的にどんなことですか?」
ガルシアの問いに、
「詳しくは知らねえよ。ただ、王は間違っているとか言ってたらしいぜ。それで、俺達に言ったんだ。こいつらを殺せってな。最初は普通に殺してたんだが、だんだんつまらなくなってきてな。餓死させるようにした」
兵士は笑いながらそう言った。
「つまらないだって?何がだよ!」
レインが激昂してそう怒鳴ると、
「おい、反逆するつもりか?お前らもこうなりたいのか?」
と、兵士が問い詰める。あーあ。面倒臭い。確かにこの兵士はクズだ。聞くところによると、王もかなりクズらしい。だからって、他人の仇を討つ為に自分が手を汚す必要はない。だいたい、レインやアリサ、エリィは人を殺せるはずがない。どうせ、自分かガルシアに押し付けるだろう。本当に面倒臭い。レインが、剣を兵士に突き出す。兵士はそれを後ろに跳躍して避け、
「こいつらも殺すか。楽しそうだしな」
兵士のその言葉を聞いて、アリサが矢を放つ。兵士の肩に当たり、兵士は悶絶する。数は六人。こちらと同じか。
「お前も同罪だ」
兵士がそう言いながら、クロウに斬りかかる。クロウはそれを避け、流れるように兵士を斬り裂いた。目を見開いたままその場に倒れ込む兵士に、クロウは、
「ごめんね」
と声をかけ、兵士の目をそっと閉じる。戦いは終わっていた、死んでいる兵士は三人。クロウ、ガルシア、セーラが殺した。気絶してきる兵士が三人。エリィ、レイン、アリサと戦っていた兵士だった。
「お前、なんで殺せるんだよ」
レインがクロウにそう言う。
「逆に言いたいよ。何で殺す覚悟もないのに、戦いなんて挑んだんだ」
「殺す覚悟って、そんなの必要ないだろ」
「あるよ。殺したかったんでしょ?この兵士達を。だから攻撃した。なのに殺せないなんて」
クロウは怒っていた。そして、そう言ったクロウの言葉にも、少し怒りが感じられる。
「僕は変わりに殺したりしない。殺りたいなら、自分で殺ってよ。だいたい、君が戦いを挑んんだから、僕が兵士を殺すことになったんだよ。ガルシアだって、セーラだって」
「なんだよ。俺のせいだって言うのかよ。自分が勝手に殺したんだろうが!」
レインが怒鳴る。そして、剣を抜いた。
「ちょうどよかった。お前とは、一度戦いたいと思っていたんだ」
クロウは剣を抜き、
「他人を殺せない君が、仲間を殺せるはずがない」
それを見て、ガルシアがレインを、エリィがクロウを止める。
「離せよガルシア」
「それわ聞けませんね。いい加減にしてください」
ガルシアが珍しく怒りの表情を見せてそう言った。
「落ち着いてクロウ」
クロウは深く溜め息を吐いて、自分を落ち着かせる。
「わかったよ。ごめんね。エリィ」
「私は、別にいいのだけれど」
それから、重い雰囲気のまま宿に入った。
深夜、クロウは眠らずに、ずっと剣を見ていた。美しいレッドパールで装飾された、漆黒の剣を。すると、レインがクロウを呼んだ。
「ちょっと来いよ」
クロウは無言で、レインについていく。屋上に来ると、レインが口を開いた。
「お前、まだ怒ってるか?」
「当然だよ」
「嫌われるぞ」
「どうでもいいよ。そんなこと」
「せっかく仲直りしようと思ってるのに、最低だな。お前」
「それはこっちの台詞だよ」
クロウはそう言って、部屋に戻ろうとする。すると、レインに呼び止められた。
「待てよ。これは自慢する訳でも、自分を誉める訳でもないけど、お前より俺の方が強いぜ。やりあっても、お前は俺に勝てない。だから逃げてるんだろ」
クロウはその言葉を聞いて激昂する。剣に手をかけるが、やはりやめた。深く溜め息を吐いても、落ち着かせることができない。クロウはレインに近付いて、剣をレインに向ける。レインも剣を抜いた。
「お前にわかるのかよ。努力が報われない辛さが。お前の方が強いことなんて知ってるんだよ!お前の方が魔法も使えて、力もあって、愛想も良くて、顔も良いし…………僕だって努力してるんだよ。だけど、どれだけ努力しても魔法が使えないんだ。天才には、凡人の辛さがわからないんだ」
クロウは最初は怒りながら、途中から悲しみながらそう言う。するとレインが、
「なんだよお前。いきなり俺のこと誉めやがって。だいたい、お前は俺よりも素早いだろ」
「それだけじゃないか」
クロウがそう言う。するといきなり、左目に激痛が走る。今まで感じたことのない痛みだった。剣が地面に落ち、固い音が響く。左目を押さえてその場に屈む。すると、レインが寄って来る。
「おい。どうした?」
レインは焦りながらそう訊いた。
「お前、俺を心配させようとして演技してるんじゃないだろうな」
レインはそう言うが、クロウは答えない。いや、答えることができない。やがて痛みも収まり、手を離す。するとレインが驚愕して、こう言ってきた。
「お前…………その左目」
「何を言ってるの?この左目がどうかした?まぁ、どうでもいいよ。レインが僕を心配してくれてるって言うのはわかったし、仲直りはもう終わりだから」
「ああ、仲直りは終わりだ。でも、それとこれとは違うんだよ。お前の左目、なんで赤くなってんだよ」
「赤い?僕の左目が?」
クロウが疑問気にそう言った。
