クロウとレインは酒場に来ていた。大人と認められるのは20からだが、酒は16から飲んでもいいとされている。クロウは酒は飲まないのだが。
「レインって、酒飲めないんだね」
クロウがそう言った。レインはアイスティーを頼んでいた。クロウは、ただの炭酸水を飲んでいる。
「ああ。飲めないな。味は美味くも不味くもないし、なにより酔うからな。て言うかお前こそ、炭酸水だけ飲んでも美味くないだろ」
「うーん。まぁ、微妙かな」
「微妙…………って」
レインは呆れたようにそう言った。
「今の帝国は腐っているわ。王族貴族はやりたい放題。反抗する者は殺す。それに、人口生命体(ホムンクルス)や死体兵器(アンデッド)の開発も続けているらしいわ」
アリサがそう淡々と告げる。あまりの酷さに、エリィは絶句する。
「アンデッドって?」
エリィが訊くと、
「私もよく知らないんだけど、魔法を使って、死体に再度命を吹き込むということらしいわ」
「なら、アンデッドを殺したらどうなるの?」
「アンデッドを殺すと…………。ごめん。そこまではわからない」
アリサが申し訳なさそうに言うと、エリィが優しく、
「いいのよ。気にしないで」
クロウとレインが酒場で話をしていると、一人の兵士が話かけてきた。辺境軍じゃない。鎧が違う。
「おい、お前ら。我々と一緒に来てもらう」
兵士がそう言うと、後ろから続々と兵士が出てくる。クロウはレインにしか聞こえないほど小さな声で、
「やれるかい?」
「無理だな」
「じゃあ、適当に言い訳するよ」
クロウはそう言って、
「どうしました?僕達、兵士さんに話かけられるようなことしてないんですけど」
クロウは笑いながらそう言って、急に何か思いついたかのように、あっ、と言った。
「気付いたか」
「あれですよね。喧嘩したやつ。ちゃんと反省してますし、わざわざ兵士さん達の手をかける訳には」
クロウは冷静にそう言った。
「そうか。赤い髪の男と、黒い髪の男、白い髪の女から、町中で騒いでいる連中いて、暴行などを行って困っていると聞いたが、どうも派手に喧嘩したらしいな」
なんだよその情報は。間違ってはいないものの、話の一番大事なところを飛ばして話しているじゃないか。まあ、そのおかげで助かったからいいけど。兵士が帰ると、クロウてレインも宿に戻った。帰り道に、
「これじゃあ、この町にいるのも危険だな」
「うん。さっさと出たほうがいいね。ついでに、コボルドの洞窟行こうよ」
「お前どんだけコボルド倒したいんだよ」
「いや、強くなりたいし。コボルドは良い相手だと思うんだよね」
「そうか。まぁ、旅の途中に寄ってみるのもいいかもな」
「うん。そうだね」
二人が宿に帰ると、アリサはもう寝ていた。エリィも眠そうな顔をしていた。クロウ達が帰ってきたのを確認して、エリィもすぐに寝てしまった。
「じゃあ、俺ももう寝るわ」
「ああ。お休み」
クロウは椅子に座って、三人を眺めていた。お人好し過ぎる、まるで光の溢れる人間だ。もしまた兵士と戦うことになったら、兵士を殺すことができるのだろうか。人間には、必ず光と闇が存在する。この三人は光。それに対して、クロウは闇だ。仲間や家族は命をかけてでも助けようとするが、それが他人だった場合、それは変わる。クロウは、他人を踏み台にしてでも生き残る。いつか、三人の優しさは自分の身を滅ぼすかもしれない。注意して見る必要がありそうだ。特に、一番光を感じるエリィのことは。すると、クロウの左目急に痛み始めた。少しするとすぐに治ったが、
「またか」
と、クロウは溜め息混じりに言った。よくあるのだ。クロウのたまに左目が痛み始める。だが、一分もしない内に痛みは消える。昔医者に見てもらっても、特に異常は無いと言われた。クロウは左目から手を離す。するとんクロウの左目は真っ赤に染まっていた。深い深い赤。ダークレッドだ。だが、自分の目を自分で見ることができるはずも無い。クロウがその異変に気付くことはなかった。
「レインって、酒飲めないんだね」
クロウがそう言った。レインはアイスティーを頼んでいた。クロウは、ただの炭酸水を飲んでいる。
「ああ。飲めないな。味は美味くも不味くもないし、なにより酔うからな。て言うかお前こそ、炭酸水だけ飲んでも美味くないだろ」
「うーん。まぁ、微妙かな」
「微妙…………って」
レインは呆れたようにそう言った。
「今の帝国は腐っているわ。王族貴族はやりたい放題。反抗する者は殺す。それに、人口生命体(ホムンクルス)や死体兵器(アンデッド)の開発も続けているらしいわ」
アリサがそう淡々と告げる。あまりの酷さに、エリィは絶句する。
「アンデッドって?」
エリィが訊くと、
「私もよく知らないんだけど、魔法を使って、死体に再度命を吹き込むということらしいわ」
「なら、アンデッドを殺したらどうなるの?」
「アンデッドを殺すと…………。ごめん。そこまではわからない」
アリサが申し訳なさそうに言うと、エリィが優しく、
「いいのよ。気にしないで」
クロウとレインが酒場で話をしていると、一人の兵士が話かけてきた。辺境軍じゃない。鎧が違う。
「おい、お前ら。我々と一緒に来てもらう」
兵士がそう言うと、後ろから続々と兵士が出てくる。クロウはレインにしか聞こえないほど小さな声で、
「やれるかい?」
「無理だな」
「じゃあ、適当に言い訳するよ」
クロウはそう言って、
「どうしました?僕達、兵士さんに話かけられるようなことしてないんですけど」
クロウは笑いながらそう言って、急に何か思いついたかのように、あっ、と言った。
「気付いたか」
「あれですよね。喧嘩したやつ。ちゃんと反省してますし、わざわざ兵士さん達の手をかける訳には」
クロウは冷静にそう言った。
「そうか。赤い髪の男と、黒い髪の男、白い髪の女から、町中で騒いでいる連中いて、暴行などを行って困っていると聞いたが、どうも派手に喧嘩したらしいな」
なんだよその情報は。間違ってはいないものの、話の一番大事なところを飛ばして話しているじゃないか。まあ、そのおかげで助かったからいいけど。兵士が帰ると、クロウてレインも宿に戻った。帰り道に、
「これじゃあ、この町にいるのも危険だな」
「うん。さっさと出たほうがいいね。ついでに、コボルドの洞窟行こうよ」
「お前どんだけコボルド倒したいんだよ」
「いや、強くなりたいし。コボルドは良い相手だと思うんだよね」
「そうか。まぁ、旅の途中に寄ってみるのもいいかもな」
「うん。そうだね」
二人が宿に帰ると、アリサはもう寝ていた。エリィも眠そうな顔をしていた。クロウ達が帰ってきたのを確認して、エリィもすぐに寝てしまった。
「じゃあ、俺ももう寝るわ」
「ああ。お休み」
クロウは椅子に座って、三人を眺めていた。お人好し過ぎる、まるで光の溢れる人間だ。もしまた兵士と戦うことになったら、兵士を殺すことができるのだろうか。人間には、必ず光と闇が存在する。この三人は光。それに対して、クロウは闇だ。仲間や家族は命をかけてでも助けようとするが、それが他人だった場合、それは変わる。クロウは、他人を踏み台にしてでも生き残る。いつか、三人の優しさは自分の身を滅ぼすかもしれない。注意して見る必要がありそうだ。特に、一番光を感じるエリィのことは。すると、クロウの左目急に痛み始めた。少しするとすぐに治ったが、
「またか」
と、クロウは溜め息混じりに言った。よくあるのだ。クロウのたまに左目が痛み始める。だが、一分もしない内に痛みは消える。昔医者に見てもらっても、特に異常は無いと言われた。クロウは左目から手を離す。するとんクロウの左目は真っ赤に染まっていた。深い深い赤。ダークレッドだ。だが、自分の目を自分で見ることができるはずも無い。クロウがその異変に気付くことはなかった。
