『満月の言う本当の陽斗って、どんな陽斗?』
あたしにも分からない。
あたしはどんな陽斗を見たいの?
どんな陽斗を知りたいの?
『まだ考えてんだよ。気にしてんの。心のどこかで気に
してんだよ』
あたしはもう考えてなんかない。
気になんかしてない。
あたしといると、陽斗はただ辛いだけ。
えっ?
これが、気にしてるの?
「違う……」
あたしはもう何も考えてない。
何も気にしてなんかない。
もう、ただ会いたくないから会わないだけ。
その方が、陽斗が楽だから。
「違う……何も考えてない」
あたしは、もう何も知らない。
彼のことも、彼の友達も。
彼とは関わってない。
もう忘れたの。
お互い一人で生きてくの。
お互い……
やっぱり考えてるの?
「違う!何も……考えて……」
昴の前でこらえてた涙が一斉に出てくる。
「何も……なにも……」
知らない。
関係ない。
関わってない。
何もなかったの。
何も。
「イヤァーーーーッ!!」
あたしはタオルケットに顔をうずめ、なるべく聞こえないようにして叫んだ。
そうして出てきたのは答え、快感、笑顔どれでもない
涙だった。
「ハァ、ハァ、ハァ……」
忘れられないって、辛いんだね。
あたしは初めて知った。
忘れられない、消せない辛さを。
「なんで……」
何であたしたちだったの?
他にもいたでしょ?
陽斗を、苦しみの世界から救い出せる人は。
あたしにはできない。
『相手も緊張してることを忘れないで』
「バッカじゃないの……ハハハッ」
どんなに夏月にあの言葉を言ったあたしをバカにしても、
何も変わらなかった。
「陽斗……ごめん」
何でこんなに……
こんなに考えてるの?
関係ない人。
ただクラスが同じってくらい。
そのクラスも卒業したら関係のないもの。
「陽希……」
『もう一回、信じてほしいんだよ』
『二人ならいいかなと』
昴はいいとして、何であたしもだったの?
何で?
陽希……
何であたしまで信じたの?
「あたし……」
また涙が溢れてくる。
もう、いいよね。
関わらなくて。
話もしなくて。
もう、忘れたい……
今までのことは、全て無かったことに。
あとどれくらい泣けば、叫べばなかったことになる?
そんな量があるなら、あたしはいくらでも泣く。
いくらでも叫ぶ。
もう、いいよ。
もう……
何も、なかったことに。
すべてを、真っ白に。
あの空に浮かぶ、入道雲ように。
あたしたちの記憶も、心の傷も。
陽斗は、あたしを必要としてるのかな。
あたしは陽斗のために、あと何ができる?
関わらないことしかできないよ。
これが、あたしが出した答え。
今日一日使って出した、答え。
その時、机で携帯が鳴る。
画面に映しだされた名前は、
『陽斗』
「何で……」
あたしにできることは何もない。
あたしはとりあえず電話に出た。
『満月……』
そんな声で……
「ごめん……あたしが……」
『お願い』
「陽斗?」
『俺のそばにいて』
何でこうなるの……
あたしがあなたにできることは何もない。
「ごめん……もう……」
何でよ。
また声が出ない。
出さなきゃいけないのに。
伝えなきゃいけないのに。
「あたしがあなたにしてあげられることはない」
言えた……
やっと……言えた…
これで、陽斗の傷も癒えるだろう。
『満月……そばにいてくれるだけで十分だよ?』
「あなたにはもっとしっかりした、優しい人が必要
なの。じゃあ……」
最後の一言。
最後の、『バイバイ』の四文字。
言わなきゃ。
「バイバイ……」
あたしはなんとか言い、一方的に電話を切った。
もういいの。
これでオワリ。
もう、何もなかったの。
あれはあたしのただの夢。
長い、夢。
あたしは携帯をマナーモードにした。
もう、何も聞かないために。
二度と、陽斗の声を聞かないために。
「これで……いいんだよね…」
陽斗、どうかこれからを笑顔で過ごして。
あたしといても、いいことはない。
これが、お互いのため。
陽斗が幸せなら、あたしも幸せになれるから。
あたしは携帯を握りしめ、胸の前に。
そしてゆっくり目を閉じた。
『及川さんが許してくれたら、そばにいて』
あたしはすぐに目を開けた。
「ハァ、ハァ……」
何で思い出すの……
忘れるためにこうしたのに。
神様、どうか彼との記憶を消して………
あたしにも分からない。
あたしはどんな陽斗を見たいの?
どんな陽斗を知りたいの?
『まだ考えてんだよ。気にしてんの。心のどこかで気に
してんだよ』
あたしはもう考えてなんかない。
気になんかしてない。
あたしといると、陽斗はただ辛いだけ。
えっ?
これが、気にしてるの?
「違う……」
あたしはもう何も考えてない。
何も気にしてなんかない。
もう、ただ会いたくないから会わないだけ。
その方が、陽斗が楽だから。
「違う……何も考えてない」
あたしは、もう何も知らない。
彼のことも、彼の友達も。
彼とは関わってない。
もう忘れたの。
お互い一人で生きてくの。
お互い……
やっぱり考えてるの?
「違う!何も……考えて……」
昴の前でこらえてた涙が一斉に出てくる。
「何も……なにも……」
知らない。
関係ない。
関わってない。
何もなかったの。
何も。
「イヤァーーーーッ!!」
あたしはタオルケットに顔をうずめ、なるべく聞こえないようにして叫んだ。
そうして出てきたのは答え、快感、笑顔どれでもない
涙だった。
「ハァ、ハァ、ハァ……」
忘れられないって、辛いんだね。
あたしは初めて知った。
忘れられない、消せない辛さを。
「なんで……」
何であたしたちだったの?
他にもいたでしょ?
陽斗を、苦しみの世界から救い出せる人は。
あたしにはできない。
『相手も緊張してることを忘れないで』
「バッカじゃないの……ハハハッ」
どんなに夏月にあの言葉を言ったあたしをバカにしても、
何も変わらなかった。
「陽斗……ごめん」
何でこんなに……
こんなに考えてるの?
関係ない人。
ただクラスが同じってくらい。
そのクラスも卒業したら関係のないもの。
「陽希……」
『もう一回、信じてほしいんだよ』
『二人ならいいかなと』
昴はいいとして、何であたしもだったの?
何で?
陽希……
何であたしまで信じたの?
「あたし……」
また涙が溢れてくる。
もう、いいよね。
関わらなくて。
話もしなくて。
もう、忘れたい……
今までのことは、全て無かったことに。
あとどれくらい泣けば、叫べばなかったことになる?
そんな量があるなら、あたしはいくらでも泣く。
いくらでも叫ぶ。
もう、いいよ。
もう……
何も、なかったことに。
すべてを、真っ白に。
あの空に浮かぶ、入道雲ように。
あたしたちの記憶も、心の傷も。
陽斗は、あたしを必要としてるのかな。
あたしは陽斗のために、あと何ができる?
関わらないことしかできないよ。
これが、あたしが出した答え。
今日一日使って出した、答え。
その時、机で携帯が鳴る。
画面に映しだされた名前は、
『陽斗』
「何で……」
あたしにできることは何もない。
あたしはとりあえず電話に出た。
『満月……』
そんな声で……
「ごめん……あたしが……」
『お願い』
「陽斗?」
『俺のそばにいて』
何でこうなるの……
あたしがあなたにできることは何もない。
「ごめん……もう……」
何でよ。
また声が出ない。
出さなきゃいけないのに。
伝えなきゃいけないのに。
「あたしがあなたにしてあげられることはない」
言えた……
やっと……言えた…
これで、陽斗の傷も癒えるだろう。
『満月……そばにいてくれるだけで十分だよ?』
「あなたにはもっとしっかりした、優しい人が必要
なの。じゃあ……」
最後の一言。
最後の、『バイバイ』の四文字。
言わなきゃ。
「バイバイ……」
あたしはなんとか言い、一方的に電話を切った。
もういいの。
これでオワリ。
もう、何もなかったの。
あれはあたしのただの夢。
長い、夢。
あたしは携帯をマナーモードにした。
もう、何も聞かないために。
二度と、陽斗の声を聞かないために。
「これで……いいんだよね…」
陽斗、どうかこれからを笑顔で過ごして。
あたしといても、いいことはない。
これが、お互いのため。
陽斗が幸せなら、あたしも幸せになれるから。
あたしは携帯を握りしめ、胸の前に。
そしてゆっくり目を閉じた。
『及川さんが許してくれたら、そばにいて』
あたしはすぐに目を開けた。
「ハァ、ハァ……」
何で思い出すの……
忘れるためにこうしたのに。
神様、どうか彼との記憶を消して………
