「昴?」
「俺の彼女になってほしい」
「昴、だって、昴も言ってたじゃん?これ以上になったらあたしたちじゃなくなるって」
「そうなってもいいってのが本気だろ」
嬉しいはずなのに、素直に喜べない。
「昴……」
「ん?」
「後で、考えるね」
「なんか、ごめん」
あたしは笑顔で首を横に振った。
「昴の気持ち、分かってよかったよ」
そう言ったら昴も笑ってくれた。
あたしも笑った。
それを見て陽斗も。
そして陽希も。
やっぱり友達が一番楽な気がする。
こんなこと考えてるようじゃダメかな。
「あ、みんな そろそろ帰りな?暗くなっちゃうよ?」
「あ、そうだね。じゃあ、また」
「はーい」
「陽斗、大人しくな」
「フッ、あぁ」
あたしたちは病室を出た。
「何 昴、急に陽斗と仲よくなったんじゃない?」
「まぁさ、俺天才じゃん?」
「は?」
「いやいや、俺天才じゃん?」
「ちょっと分かんないかも」
「そのうち分かるさっ」
一生分からない気がするのはあたしだけかな。
あ、陽希……静かになっちゃった。
「陽希?」
「ん?」
「ごめんね。あんな訊き方されたから、ちょっと……」
「それが一番素直な答え聞けるだろ?それが一番よ」
陽希……
「あたしっ」
二人は立ち止まり、振り返った。
「昴も陽希も陽斗も、みんな大好きだよ」
「満月……」
なんとなく心配そうにあたしを見る昴にあたしは笑顔を
見せた。
「バーカ。もう知ってるよ」
「違う。ほんとに、ほんとに好き……」
なんて言ったらいいんだろう。
「みんながいないと、あたし、ダメだから」
なんか違う。
「みんながいて、やっとあたしはあたしでいられる」
「大丈夫。満月の思いは、十分すぎるほど伝わったよ?」
昴、何で急にそんな優しい話し方するの?
「えっ、昴……」
昴は優しく笑い、あたしの頭をなでた。
「はーい。仲よくしてるところ悪いけど帰りますよ〜?」
「ハハッ。陽希かわいっ」
「はぁ?」
「何よ?誉めてんでしょ?」
「はぁ?何言ってんだ、オメ」
「どっちがよ!」
「はーい。仲よくしてお家帰りますよ〜っ」
「あっ!あたし昴に向いてる仕事わかった」
「別に悩んでねぇけど」
「幼稚園の先生にでもなれば?」
「おっ、いいじゃん」
陽希が共感するって珍しい。
よっぽどじゃん。
「いーやっ」
「えぇ〜?向いてると思うよ?」
「結構です」
「かっこいいからお母さんたちにも人気になりそう」
「ヤメなさい」
かわいい。
照れちゃって。
「やっぱ昴かっこいいよな」
「かっこいいよね?」
「ああいう芸能人いそう」
「あ~、確かに〜っ」
「じゃあモデルとか俳優よくない?」
「あ、超いい!」
「あの、俺様の将来 勝手に決めるのヤメて頂けます?」
俺様の将来。
「別に勝手に決めてるわけじゃないし」
「あ、そっか」
諦めちゃったよ。
昴にも勝ったぜ。
何か嬉しい。
昴には運動以外全部負けてるから。
どんな勝負かわかんないけど。
たまに国語でも勝てる。
あれっ、あの顔……
「昴ってさ、誰かに似てない?」
「は?」
あ、顔見せてくれるのね。
「うーん。俺は分かんないかも。身長は似てる人いっぱいいるけど」
身長だけ似ててもね。
だったらあたしもいっぱいいるし。
「なんかねぇ、すんごい人気の人。俳優かな?」
「若い人?」
「うーん。いってても30くらい」
「じゃなきゃ困るし」
「超老けてんでしょ」
「はいはい。お家帰りますよ」
お家とか。
「超かわいい!楓ちゃんいるからかな」
「すんげぇいいお兄ちゃんなんだぜ?ねぇ、スバにぃ?」
「ヤメなさい」
「照れてる〜っ」
「言葉で分かるよな。ヤメなさい絶対言う」
「素直〜っ!」
「んでね、あんまいくと黙っちゃうのね」
「そうそう!」
本当にかわいい人。
「あ、口数減ってきたっ。そろそろ黙っちゃうよ?」
「下向いてるしな」
「下向いて黙ったらもう最高潮だよね」
「そうそう!」
「お前ら」
あ、声低い。
「はい?」
「人間観察はいいから、帰んぞ」
あ、咳払いした。
「もうそろそろヤバイね」
「ヤバイねぇ〜」
そしてあたしと陽希は気付いたら昴の家の前まで
来ていた。
あたしたちはやっと気付き、引き返した。
「あの、どこ行くんすか?」
わーお。
優しい昴が出てきた。
「帰るの」
「しゃーねーから泊めてあげてもいいけど」
こういう急なの好きよね。
「なんか昴」
「いっつも」
「急に泊めるよね」
「優しいから」
うわうわ。
自分で言っちゃうんだ。
自分で言わなきゃ本当にいい人なのに。
それだけで台無し。
かっこいいからまだ許されるけど。
「あれっ」
あたし、いつの間に昴のこと………
「ん?」
「いや……」
あたし、好きなのかな。
昴のこと。
「もう入ろうぜ?虫出てくっかもよ?」
「うーん」
前はなんとも思ってなかったのに。
なんでこんな急に……
「えっ、虫効かなくなっちゃったよ……」
「えっ!?虫!?」
「ハッハッハッ。よかったよかった」
「はぁ?」
「何ださ」
何ださ。
あんま言う人回りにいないけど。
「別に」
「昴?」
「昴。えっ?茜!?」
「あらっ、満月ちゃん。あと、何だっけ」
嘘でしょ。
「白河 陽希です」
「陽斗のお兄ちゃん」
「おっ……失礼。入って」
「まぁ茜が知らねぇ人でも入れるけど」
「は?」
「え?」
昴、もうやめといたほうが……
「後でお仕置きだな」
お仕置き。
怖い怖い。
「あっ!お塩事件のお仕置きもまだ済んでないから」
「えっ、本気でやんの?」
「何?嘘だと思ったわけ?」
「あ、いや、ねっ?」
「みんな入ってっ」
明るい言い方も怖い。
「あ、おじゃまします」
「ふふっ、楽しんでってね」
「失礼します」
あたしたちは昴の部屋へ。
「ほんと騒がしい人」
「似てるよ?」
「は?」
「あっ……」
「ハハハッ。仲いいねぇ」
「幼馴染だから。陽希もか」
「小学からな」
「一年から六年まで何組だった?」
「俺、奇跡の生徒だから」
だから?
「ずーっと二組よ」
「んじゃあ?1年、3年、5年が一緒なんだ」
あれっ、こう考えるとあたしも結構な。
「お前交互に」
「そうねぇ。昴は?」
「んな昔のこたぁ覚えてない」
昔って。
どんだけ人生の先輩だよ。
「記憶力……」
「そういうギャップもいいんじゃん?」
「ギャップ、かな」
「全部覚えてそうじゃない?生徒の名前も覚えてそう」
「生徒の名前は覚えてるけど」
覚えてんだ。
なら自分が何組だったか覚えとこうよ。
「誰と一緒だったか覚えてればわかるじゃん」
「いや、生徒の名前なんか覚えてるわけねぇだろ」
ですよね。
昴はそういう人。
けど大事なことは忘れないんだよね。
そこがまたかっこいい。
「だよな。昴はそういう人。安心したわ」
「陽希はどんな心配してんだよ」
「あっ、確かに。俺ずっと昴のこと考えてる」
「女の子みたい」
「だろ?」
「かわいい」
「俺には全くわからない」
だろうね。
「あっ、でも俺ね」
あら、かわいい言い方しちゃって。
「ん?」
「俺、初めて人を見てかわいいと思った」
「誰?」
「白河 陽斗」
さすが。
「俺様の弟だから」
「ってか、陽希すごい昴に憧れてんだね」
「え?」
「俺様とかそっくり」
「まぁな」
認めちゃうんだね。
「昴くん大好きだもんね」
「くんヤメろ」
「あらかわいい」
「ヤメなさい」
ほんとかわいい。
陽斗には敵わないけど。
陽斗は顔もかわいいもんね。
顔も心も綺麗。
あたしはどっちも……
「運動音痴の王子様ねぇ」
「何?急に」
「いや、なんかかわいいなって」
「誉められてるように感じないのは俺だけ?」
「じゃない?」
「そこはSなんだ」
「そうだね」
「何してるのー?」
元気な女の子の声。
ちょっと心こもってないけど。
「楓っ」
「スバにぃっ!」
昴に飛びつく楓ちゃん。
「楓〜、今は……」
「楓ちゃんかわいい〜っ」
「ヘヘッ」
「やっぱちっちゃい子はかわいいな」
「まぁ、この俺と関係のある子だから余計だよな」
あたしは昴の顔を見つめた。
「えっ、何?」
「いやぁ、綺麗な顔してるわ〜っ」
「ヤメなさい」
照れちゃうのね。
「そうだ!みづちゃんはスバにぃのことすきなの?」
「好きだよ」
昴があたしを見る。
「ん?」
「えっ…」
「ん?」
「いや、何でもない……」
いいよね。
素直になっても。
「俺の彼女になってほしい」
「昴、だって、昴も言ってたじゃん?これ以上になったらあたしたちじゃなくなるって」
「そうなってもいいってのが本気だろ」
嬉しいはずなのに、素直に喜べない。
「昴……」
「ん?」
「後で、考えるね」
「なんか、ごめん」
あたしは笑顔で首を横に振った。
「昴の気持ち、分かってよかったよ」
そう言ったら昴も笑ってくれた。
あたしも笑った。
それを見て陽斗も。
そして陽希も。
やっぱり友達が一番楽な気がする。
こんなこと考えてるようじゃダメかな。
「あ、みんな そろそろ帰りな?暗くなっちゃうよ?」
「あ、そうだね。じゃあ、また」
「はーい」
「陽斗、大人しくな」
「フッ、あぁ」
あたしたちは病室を出た。
「何 昴、急に陽斗と仲よくなったんじゃない?」
「まぁさ、俺天才じゃん?」
「は?」
「いやいや、俺天才じゃん?」
「ちょっと分かんないかも」
「そのうち分かるさっ」
一生分からない気がするのはあたしだけかな。
あ、陽希……静かになっちゃった。
「陽希?」
「ん?」
「ごめんね。あんな訊き方されたから、ちょっと……」
「それが一番素直な答え聞けるだろ?それが一番よ」
陽希……
「あたしっ」
二人は立ち止まり、振り返った。
「昴も陽希も陽斗も、みんな大好きだよ」
「満月……」
なんとなく心配そうにあたしを見る昴にあたしは笑顔を
見せた。
「バーカ。もう知ってるよ」
「違う。ほんとに、ほんとに好き……」
なんて言ったらいいんだろう。
「みんながいないと、あたし、ダメだから」
なんか違う。
「みんながいて、やっとあたしはあたしでいられる」
「大丈夫。満月の思いは、十分すぎるほど伝わったよ?」
昴、何で急にそんな優しい話し方するの?
「えっ、昴……」
昴は優しく笑い、あたしの頭をなでた。
「はーい。仲よくしてるところ悪いけど帰りますよ〜?」
「ハハッ。陽希かわいっ」
「はぁ?」
「何よ?誉めてんでしょ?」
「はぁ?何言ってんだ、オメ」
「どっちがよ!」
「はーい。仲よくしてお家帰りますよ〜っ」
「あっ!あたし昴に向いてる仕事わかった」
「別に悩んでねぇけど」
「幼稚園の先生にでもなれば?」
「おっ、いいじゃん」
陽希が共感するって珍しい。
よっぽどじゃん。
「いーやっ」
「えぇ〜?向いてると思うよ?」
「結構です」
「かっこいいからお母さんたちにも人気になりそう」
「ヤメなさい」
かわいい。
照れちゃって。
「やっぱ昴かっこいいよな」
「かっこいいよね?」
「ああいう芸能人いそう」
「あ~、確かに〜っ」
「じゃあモデルとか俳優よくない?」
「あ、超いい!」
「あの、俺様の将来 勝手に決めるのヤメて頂けます?」
俺様の将来。
「別に勝手に決めてるわけじゃないし」
「あ、そっか」
諦めちゃったよ。
昴にも勝ったぜ。
何か嬉しい。
昴には運動以外全部負けてるから。
どんな勝負かわかんないけど。
たまに国語でも勝てる。
あれっ、あの顔……
「昴ってさ、誰かに似てない?」
「は?」
あ、顔見せてくれるのね。
「うーん。俺は分かんないかも。身長は似てる人いっぱいいるけど」
身長だけ似ててもね。
だったらあたしもいっぱいいるし。
「なんかねぇ、すんごい人気の人。俳優かな?」
「若い人?」
「うーん。いってても30くらい」
「じゃなきゃ困るし」
「超老けてんでしょ」
「はいはい。お家帰りますよ」
お家とか。
「超かわいい!楓ちゃんいるからかな」
「すんげぇいいお兄ちゃんなんだぜ?ねぇ、スバにぃ?」
「ヤメなさい」
「照れてる〜っ」
「言葉で分かるよな。ヤメなさい絶対言う」
「素直〜っ!」
「んでね、あんまいくと黙っちゃうのね」
「そうそう!」
本当にかわいい人。
「あ、口数減ってきたっ。そろそろ黙っちゃうよ?」
「下向いてるしな」
「下向いて黙ったらもう最高潮だよね」
「そうそう!」
「お前ら」
あ、声低い。
「はい?」
「人間観察はいいから、帰んぞ」
あ、咳払いした。
「もうそろそろヤバイね」
「ヤバイねぇ〜」
そしてあたしと陽希は気付いたら昴の家の前まで
来ていた。
あたしたちはやっと気付き、引き返した。
「あの、どこ行くんすか?」
わーお。
優しい昴が出てきた。
「帰るの」
「しゃーねーから泊めてあげてもいいけど」
こういう急なの好きよね。
「なんか昴」
「いっつも」
「急に泊めるよね」
「優しいから」
うわうわ。
自分で言っちゃうんだ。
自分で言わなきゃ本当にいい人なのに。
それだけで台無し。
かっこいいからまだ許されるけど。
「あれっ」
あたし、いつの間に昴のこと………
「ん?」
「いや……」
あたし、好きなのかな。
昴のこと。
「もう入ろうぜ?虫出てくっかもよ?」
「うーん」
前はなんとも思ってなかったのに。
なんでこんな急に……
「えっ、虫効かなくなっちゃったよ……」
「えっ!?虫!?」
「ハッハッハッ。よかったよかった」
「はぁ?」
「何ださ」
何ださ。
あんま言う人回りにいないけど。
「別に」
「昴?」
「昴。えっ?茜!?」
「あらっ、満月ちゃん。あと、何だっけ」
嘘でしょ。
「白河 陽希です」
「陽斗のお兄ちゃん」
「おっ……失礼。入って」
「まぁ茜が知らねぇ人でも入れるけど」
「は?」
「え?」
昴、もうやめといたほうが……
「後でお仕置きだな」
お仕置き。
怖い怖い。
「あっ!お塩事件のお仕置きもまだ済んでないから」
「えっ、本気でやんの?」
「何?嘘だと思ったわけ?」
「あ、いや、ねっ?」
「みんな入ってっ」
明るい言い方も怖い。
「あ、おじゃまします」
「ふふっ、楽しんでってね」
「失礼します」
あたしたちは昴の部屋へ。
「ほんと騒がしい人」
「似てるよ?」
「は?」
「あっ……」
「ハハハッ。仲いいねぇ」
「幼馴染だから。陽希もか」
「小学からな」
「一年から六年まで何組だった?」
「俺、奇跡の生徒だから」
だから?
「ずーっと二組よ」
「んじゃあ?1年、3年、5年が一緒なんだ」
あれっ、こう考えるとあたしも結構な。
「お前交互に」
「そうねぇ。昴は?」
「んな昔のこたぁ覚えてない」
昔って。
どんだけ人生の先輩だよ。
「記憶力……」
「そういうギャップもいいんじゃん?」
「ギャップ、かな」
「全部覚えてそうじゃない?生徒の名前も覚えてそう」
「生徒の名前は覚えてるけど」
覚えてんだ。
なら自分が何組だったか覚えとこうよ。
「誰と一緒だったか覚えてればわかるじゃん」
「いや、生徒の名前なんか覚えてるわけねぇだろ」
ですよね。
昴はそういう人。
けど大事なことは忘れないんだよね。
そこがまたかっこいい。
「だよな。昴はそういう人。安心したわ」
「陽希はどんな心配してんだよ」
「あっ、確かに。俺ずっと昴のこと考えてる」
「女の子みたい」
「だろ?」
「かわいい」
「俺には全くわからない」
だろうね。
「あっ、でも俺ね」
あら、かわいい言い方しちゃって。
「ん?」
「俺、初めて人を見てかわいいと思った」
「誰?」
「白河 陽斗」
さすが。
「俺様の弟だから」
「ってか、陽希すごい昴に憧れてんだね」
「え?」
「俺様とかそっくり」
「まぁな」
認めちゃうんだね。
「昴くん大好きだもんね」
「くんヤメろ」
「あらかわいい」
「ヤメなさい」
ほんとかわいい。
陽斗には敵わないけど。
陽斗は顔もかわいいもんね。
顔も心も綺麗。
あたしはどっちも……
「運動音痴の王子様ねぇ」
「何?急に」
「いや、なんかかわいいなって」
「誉められてるように感じないのは俺だけ?」
「じゃない?」
「そこはSなんだ」
「そうだね」
「何してるのー?」
元気な女の子の声。
ちょっと心こもってないけど。
「楓っ」
「スバにぃっ!」
昴に飛びつく楓ちゃん。
「楓〜、今は……」
「楓ちゃんかわいい〜っ」
「ヘヘッ」
「やっぱちっちゃい子はかわいいな」
「まぁ、この俺と関係のある子だから余計だよな」
あたしは昴の顔を見つめた。
「えっ、何?」
「いやぁ、綺麗な顔してるわ〜っ」
「ヤメなさい」
照れちゃうのね。
「そうだ!みづちゃんはスバにぃのことすきなの?」
「好きだよ」
昴があたしを見る。
「ん?」
「えっ…」
「ん?」
「いや、何でもない……」
いいよね。
素直になっても。
