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Old Me 
- 佐藤美緒 -

汗を拭きながらぼんやりと座っていると、後輩の佐藤美緒が走り寄ってきた。
「先輩、具合悪いんですか…?」
美緒が心配そうに覗き込んできた。
聡美は面倒くささを感じながら、大丈夫と言い放った。
「…悩みとかあるんだったら聞きますよ…?後輩ですけど同じ人ですから悩みくらい聞けます」
そう言う美緒に鬱陶しさを感じた。
立ち上がった聡美は美緒を置き、先輩に声をかけた。
「もう一回走らせて下さい」
この時美緒はどんな気持ちだったのか、どんな顔をしていたのか私には全く分からない。
悲しかったのか、嬉しかった…わけないか。
怒ったのか、憎んだのか、妬んだのか。別にどうだっていい。
人の気持ちなんて知りたくもない。
スタート地点についた聡美はふぅと息をついた。
そしてバンッという音と同時に聡美は駆け出した。
…私は私だ。私は私のためだけに走る。誰のためでもない…私のためなんだから。
心に残った「同じ人」という美緒の言葉を消し去るように思い切り地面を蹴り、腕をふる。
私はみんなとは違う。勝手に同じにしないで!私は違う…みんなとは違うのよ…

<2016/07/12 20:03 亀春子>消しゴム
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