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恋なんて始まるワケがないっ!!


怖いっ…!

この人たちは危険だ、と今更ながらに悟った私は逃げようとする。

でも、時はすでに遅く、二の腕を掴まれ岩場の影まで連れてこられてしまった。
当然誰にも見えないところ。


「ちょっ…!やめてください‼」

「俺らと、いいコトしよ?」


そう言い、二の腕を掴んでいた手がどんどんとしたにいき、腰を触られる。

きっ気持ち悪いっ…!

たすけてっ…たすけてっ……誰かっ…

もりしたっ!!

こわくて目をぎゅっと強く瞑ったとき。


ーーーーバシッ


「俺の女に触らないでもらえます?」


っ!なんでっ…


「あ?なんだよお前」


なんで…なんで… 森下がいるの…?


「だからさぁ。俺の女に手ェ出すなっつってんの。わかる?」

「うっせぇなぁ。邪魔すんなよガキが」

「ねぇ、さっさと手を引かないとあんた達の顔ネットで晒しちゃうよ?いいの?」


少し笑って言う森下だけど目は少しも笑ってなくて。
声もいつもより明らかに低くて、怒ってることが聞かずともわかった。


「チッ。行くぞ」


さすがに顔を晒されるのは嫌だったのか、そそくさと逃げていった。

はぁ~…怖かった…
さっきの恐怖で力がうまく入らず、力なくその場に座りこんでしまった。

あんなに怖いなんて知らなかった…

森下に肩を抱かれる状態になっていることに気づき急いで離れる。


「森下…なん…で、いるの?」

ちがう。私が言いたいのはこんなことじゃないのに。
なんでだろ。言葉がうまく出てこない。

「私のこと嫌いなんじゃないの?なのに、なんか ごめんね?」

ちがう…。
ちゃんと「ありがとう」って言いたいのに。こんなときまで、私のちっぽけなプライドが邪魔をする。

私の悪いところだ。

「って、私らしくないか!!あはは!」

こうやって。無理やり笑顔をつくる。

これも私の悪いところ。
迷惑かけるのが、めんどくさいと思われるのが怖くて。


「…震えてる」

「え?」

「だから平塚震えてる。本当は怖かったんだろ?なのに…お前はなんでいつも無理して笑うんだよ」

いつもって。気づいてたの…?

そして、森下の体温に包まれた。

私の心臓のスピードはどんどん加速していく。

嫌いでうざいはずの森下。なのに森下の腕の中は、あったかくてなんだか安心して。さっきまでの怖さが一瞬でとけた私は、眠りについてしまった。

<2016/11/09 20:21 かほまる>消しゴム
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