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恋なんて始まるワケがないっ!!


〈優サイド〉

このまえ、いきなりETから「平塚との勉強会で代わりに教えてくれないか」というLINEが入ったとき、俺は、成績学年トップで良かったと心から思った。
もちろん俺はすぐに「分かりました」と打った。

もうすでに嫌われてんのに、この機会を逃したら俺はあいつとふたりきりで会うことも、ましてや、勉強会なんてすることもないかもしれない。そう思った。

そして、引き受けたのにはもうひとつ理由がある。

それは、他の男と平塚が2人で勉強会をするなんて嫌だったから。
別に平塚と付き合ってるわけじゃない。
でも、誰にでもすぐあいつは笑顔を振りまく。
ただでさえかわいい顔してるくせに。
あいつが他の男に笑いかけるたびに、俺がどんな思いで見てるか知らないくせに。

そんなことを思いながら迎えた今日。

案の定、ひとりで騒いで、ひとりで喜んで、ひとりで落ち込んで。
本当、こいつ見てると飽きない。

俺が、間違えた問題の解説をして、再度取り組む平塚。

シャーペンを持つ手がピタリと止まったかと思うと。

「あ、できた!7x!答え7xでしょ!」

そう言って、俺にノートを見せて子どもみたいにはしゃぎだす。
あー、本当かわいい。
もし、これを他の男の前で見せてたかと思うと……
考えるだけておかしくなりそう。

かわいくて思わず、頭をポンポンとすると真っ赤になって動揺しだす平塚。
てか、噛み過ぎだし(笑)

こういうのに馴れてないから赤くなってる、っていうのが分かっていても嬉しくて。
ついつい。

「バカ塚どうしたの?顔真っ赤だけど、俺にドキドキしちゃった?」

意地悪しちゃうんだ。

すると、俺を真っ赤な顔でしかも少し涙目になりながら睨みつけ、反抗してくる。

はあ。お前、その顔で睨みつけても逆効果だっつーの。
ってお前に言ってもわかんないだろうな。


アイスに釣られて、ついてきた平塚。

コンビニに着いてアイスコーナーに行く。

「はぁー。涼しいぃー!」

「はやく選んで」

「え!うーんと…どうしよ。森下はどれにするの?」

「俺はコレ」

俺的に今一番キテるのはチョコミントのアイス。

「おいしそう!私もそれにしようかな~。っでも、クッキーアンドクリームも捨てがたい!」

アイスごときに凄く悩むこいつはなんだか楽しそう。

「じゃあさ。俺はチョコミントでお前はクッキーアンドクリームにして、俺のやつひと口食べれば?」

ちょっとした下心。
さすがにこんな手には乗らないよな。

「それいい!そうしよ!そうしよ!」

そう言って、2つのアイスを持ちレジに向かって走っていった。
って、まじかよ。
嬉しいっちゃ嬉しいけど、やっぱり危なっかしいな。

レジで財布を出そうとしてる平塚を止め、お金を払い、コンビニを出た。
最初から奢るっつってんのに、本当に迷惑かけるのを嫌がる。迷惑なんて思ってねーのにな。


「あ、そういえばね!このまえ涼斗に、ETとの勉強会、行ったらびっくりすると思うよ?って、LINEで来たの。なんのことだろうって思ってたんだけど、森下が代わりに教えてくれることだったんだね!私びっくりしたんだから!」

ふーん。

「涼斗とLINEやってんだ。いつから?」

「ん?うーんと、入学式で会ってからずっと!毎日やり取りしてるよ。涼斗とのLINE面白いよね!…ってあれ?森下機嫌悪い?」

なんか…ムカつく。

「バカ塚スマホ貸して」

「え?…はい!」

手際よくスマホを操作する。

「ん。はい」

「えっと…。なにしたの?」

「俺の番号とLINE、登録しといたから」

「なぜに?…あっ!いたずら電話とかするつもりでしょ!?ぜったいやめてよね!」

こいつの中の俺のイメージはそんななのかよ。

「ばか?まあ、なんていうの?お前のLINEの人数増やすのに貢献してあげた的な」

「それなりに人数いますけど!」

「って、あああ!アイスとけちゃう!森下ひと口くちょーだい」

そういえば忘れてた。

「ん」

ひと口食べたそれを、バカ塚に差し出す。
さっきまでうるさかったのに急に静かになった。
今更、間接キスということに気付いたらしい。

「早く食べないと溶けんだけど」

「えっ!あっ!」

困ってる困ってる

ーパクッ

「おおおおいしいっ!」

ばーか。噛み噛みだっつーの。
でも、俺のこと少しは意識してくれたんだと思うと嬉しくて仕方がなかった。
俺も、誰かさんに負けないくらい単純だな

<2016/11/13 01:21 かほまる>消しゴム
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