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恋なんて始まるワケがないっ!!


あああ!
あれ、間接キス…だよね。

恥ずかしくて、動揺しちゃって、アイスの味なんてまるで分からなかった。

チラッと、隣を歩く森下を見る。
森下はいたって普通。いつもどうりだ。
こんなに気にしてるのは私だけ?


それにしても今日の私はおかしい。
正確に言うと、あの、海に行った日に助けてもらってから変になってしまった。

森下といるとなんか心が、ぽかぽかと暖かくなったり、ドキドキしたり。

こんな気持ちになったことがない私は、戸惑うばかり。
実香か綾に聞けば、この気持ちの正体がわかるだろうか。

「あ!家ついた!結局送ってもらっちゃったね」

そう。海に行った日から……

「あああああああ!!!」

「は?急に叫ぶな」

「森下ちょっとここで待ってて!!」

すっかり忘れていた。
次、森下に会ったらお礼するっていう、あれ!

私は急いで自分の部屋から、あの日から借りっぱなしだったパーカーをクローゼットから出す。

「森下、これ!あと、えっと…あの時助けてくれて、家まで連れてきてくれて…その…」

今日こそはちゃんと言わなきゃいけない。
あんなに迷惑かけちゃったんだもん。
できる限り迷惑はかけたくなかった。
でも、迷惑かけたのも、助けてもらったのは事実だから。
こういうキャラだから、とか、ライバルなのに言うのが悔しいとか言ってちゃいけない。
これは、人として、そして、いい人間関係を築くためにも大切なことば。

「ありがとうっ…ございます!!」

あぁ、ちゃんと言えた。

「ふっ。そんなに気にしなくていいんだよ。あと、平塚を着替えさせてくれたの荒川さんたちだから、そっちにもちゃんとお礼言えよ?」

そうだったんだね。
ありがとう。実香、綾。

「森下!本当にありがとね!じゃあ、あと2日間よろしくね」

そう言って家に入った。

今日私は、前より少し大人になった気がした。


「はぁ…。いきなりあの笑顔は反則だっつーの」

そう呟いていたのは、森下しか知らない秘密。

<2016/11/13 02:56 かほまる>消しゴム
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