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眠る夕日は琥珀に染まる


何十枚同じ景色を描こうが、何も変わらない。

コンクールの審査はいつもあてにならない。
毎回同じ絵を描く少女を、毎回最優秀に選ぶのだから。

何を思って選ぶのだろう。
代わり映えのない、なんの感情も伺えない絵を。

「……………また、李亜が金賞。」

職員室前の廊下。
美紗は腹ただしげに腕を組み、絵を睨んでいた。

「審査は公平に行われてるんだよ?李亜は上手いし、選ばれるのは当たり前なんだと思う。」
「なんでよ!?毎回同じ絵!なんの個性もない!なんの努力もしてない!私の方が精一杯やってるのに、なんでいつも………………。」

怒りのままを美紀にぶつけるが、美紀は困ったように笑うだけだった。
分かっている。
そう、その目が言っていた。

「李亜だって、努力してるよ。」

美紀が優しく、美紗の頭を撫でる。

「………美紗ちゃんも、分かってるはずだよ。李亜が、誰よりも努力して、苦しんで、キャンバスに向かってること。」
「……いつまでも、馬鹿みたい。」
「ついこの間のことじゃない。………そんなに、昔のことじゃないじゃない。」

美紀の顔が悲しげに歪む。
美紗も、唇を噛んだ。

職員室に李亜の絵が飾られるようになった。

いろいろな景色、いろいろな思い、とてもカラフルに色づいていたキャンバスは、同じ景色だけを描かれるようになった。

「…………まだ、まだなんだよ。」

絵は、人の心を写す。




なら、李亜の絵は………………………。


<2016/09/12 21:22 なうか>消しゴム
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