静かに風が吹き抜ける。
木々の揺らめきも、教室に残る生徒の声も、何も聞こえない。
顔にうっとおしいほど被さってくる黒髪を払い除けもせず、李亜は放心していた。
言葉の意味が上手く飲み込めないでいた。
藍田と初めて話してから、まだ一ヶ月も経っていない。
恋に落ちるようなきっかけも思い当たらない。
ただただ、わからなかった。
「……木浜って、いつも一人だったから。話そうにも話しかけられなかったんだよ。」
「…………………。」
気まずそうだ。だけど顔はそらさない。
藍田は照れたように、優しく笑う。
「…………………私は…………。」
そこまで言って、李亜は口を噤んだ。
言葉が出てこない。
喉奥でつっかえたように、口元だけが意味もなく閉口する。
告白なんて初めて受けた。
なんて返せばいいのか、どういう反応をすればいいのか、全く思考回路が回らない。
沈黙が続く。
目をそらせないでいた。
李亜はいつの間にか脳の端にある、白い影に気づく。
その、次の瞬間だった。
「…………………真白のこと考えてるだろ。」
心臓が飛び跳ねる。
藍田は焦った様子の李亜に、ふっと声を出して笑った。
「やっぱり。真白って言葉に、すげえ敏感だよな。」
「別に、そういうわけじゃ………。」
「気づいてないだろうけど、木浜はいつもあいつを見てる。すぐ側にいるからわかんねぇか?。」
顔に熱が宿るのを感じた。
今きっと、顔が真っ赤になってる。
「……まあ、俺もそれ知ってて告ったんだけどさ。振られるって分かってて。」
「……………別に、あんたが嫌いなわけじゃない。……なんで、なんで私が…………真白が好きだって思ったの?。」
その問いに、藍田は顔をくしゃくしゃにして笑って見せた。
「言ったろ。好きだって。ずーっと見てたから知ってんだよ!!。」
「………………そう。」
ああ、なんでぶっきらぼうなんだろう。
李亜は自分の返事に、困ったように微笑む。
「確かにあんたの言う通りかもね。でも……………告白、ちょっと嬉しかった。」
藍田が真っ赤になる。
それと同時に、完全下校を告げるチャイムが鳴り響いた。
木々の揺らめきも、教室に残る生徒の声も、何も聞こえない。
顔にうっとおしいほど被さってくる黒髪を払い除けもせず、李亜は放心していた。
言葉の意味が上手く飲み込めないでいた。
藍田と初めて話してから、まだ一ヶ月も経っていない。
恋に落ちるようなきっかけも思い当たらない。
ただただ、わからなかった。
「……木浜って、いつも一人だったから。話そうにも話しかけられなかったんだよ。」
「…………………。」
気まずそうだ。だけど顔はそらさない。
藍田は照れたように、優しく笑う。
「…………………私は…………。」
そこまで言って、李亜は口を噤んだ。
言葉が出てこない。
喉奥でつっかえたように、口元だけが意味もなく閉口する。
告白なんて初めて受けた。
なんて返せばいいのか、どういう反応をすればいいのか、全く思考回路が回らない。
沈黙が続く。
目をそらせないでいた。
李亜はいつの間にか脳の端にある、白い影に気づく。
その、次の瞬間だった。
「…………………真白のこと考えてるだろ。」
心臓が飛び跳ねる。
藍田は焦った様子の李亜に、ふっと声を出して笑った。
「やっぱり。真白って言葉に、すげえ敏感だよな。」
「別に、そういうわけじゃ………。」
「気づいてないだろうけど、木浜はいつもあいつを見てる。すぐ側にいるからわかんねぇか?。」
顔に熱が宿るのを感じた。
今きっと、顔が真っ赤になってる。
「……まあ、俺もそれ知ってて告ったんだけどさ。振られるって分かってて。」
「……………別に、あんたが嫌いなわけじゃない。……なんで、なんで私が…………真白が好きだって思ったの?。」
その問いに、藍田は顔をくしゃくしゃにして笑って見せた。
「言ったろ。好きだって。ずーっと見てたから知ってんだよ!!。」
「………………そう。」
ああ、なんでぶっきらぼうなんだろう。
李亜は自分の返事に、困ったように微笑む。
「確かにあんたの言う通りかもね。でも……………告白、ちょっと嬉しかった。」
藍田が真っ赤になる。
それと同時に、完全下校を告げるチャイムが鳴り響いた。
