李亜が最後に部室に通ったのは、全校に名前が知れ渡る前のこと。
それまでは普通に部室で絵を描いていたし、描く絵も夕日ではなかった。
いろんな景色を描くのが好きだったのだという。
………部室に行かなくなったのと同時期に、描くものも変わっていった。
「ねえ、李亜!。」
放課後。
通学鞄を持ち、屋上に向かおうとした李亜は、友人の声に足を止めた。
振り返ると、隣のクラスで美術部の更木 美紀が立っていた。
「…………何?。」
「今日も来ないの?部室。みんな待ってるよ?李亜がまた部室来るの………。」
「…………行かない。」
美紀に短い言葉を返すと、李亜は再び歩き出した。
「李亜!。」
美紀の声が遠くなる。
窓から差し込む夕日の光に目を細めながら、李亜は振り返らずに歩き続けた。
「…………夕日の絵、毎回すごく綺麗だって、先生も褒めてたから!だから…。」
美紀が必死に叫び続ける。
李亜は、聞こえないフリをした。
屋上に向かう階段。
もう、美紀の声は聞こえない。
「…………綺麗なんかじゃ、ない。」
立ち止まり、ぽつりと呟いた独り言。
それは、とても苦しそうな声だった。
それまでは普通に部室で絵を描いていたし、描く絵も夕日ではなかった。
いろんな景色を描くのが好きだったのだという。
………部室に行かなくなったのと同時期に、描くものも変わっていった。
「ねえ、李亜!。」
放課後。
通学鞄を持ち、屋上に向かおうとした李亜は、友人の声に足を止めた。
振り返ると、隣のクラスで美術部の更木 美紀が立っていた。
「…………何?。」
「今日も来ないの?部室。みんな待ってるよ?李亜がまた部室来るの………。」
「…………行かない。」
美紀に短い言葉を返すと、李亜は再び歩き出した。
「李亜!。」
美紀の声が遠くなる。
窓から差し込む夕日の光に目を細めながら、李亜は振り返らずに歩き続けた。
「…………夕日の絵、毎回すごく綺麗だって、先生も褒めてたから!だから…。」
美紀が必死に叫び続ける。
李亜は、聞こえないフリをした。
屋上に向かう階段。
もう、美紀の声は聞こえない。
「…………綺麗なんかじゃ、ない。」
立ち止まり、ぽつりと呟いた独り言。
それは、とても苦しそうな声だった。
