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眠る夕日は琥珀に染まる


翌日。
李亜は職員室を訪れていた。

顧問の教師に絵を渡し、小さく頭を下げる。
今日は、コンクール応募の最終日だった。

「…………また、夕日を描いたのですね。」

顧問の教師は受け取ったキャンパスをじっと見つめ、どこか寂しそうに呟く。
その問いかけに、李亜は無言で頷いた。
キャンパスに描かれていたのは、茜色の夕空に浮かぶ夕日。
屋上で見る、美しい夕日の情景だった。

「君の描く夕日は、毎回違う表情をしています。込められてる意味も。」
「……先生にはそう見えますか。」

李亜はうつむいたまま言葉を返す。
顧問の教師は微笑み、ゆっくりと頷いた。

「皆さんは戻って来て欲しいとしきりに言っています。ですが、もう戻って来なくても、構いません。…………それで、あなたの描きたい景色が見つかるのなら。」

何も言わなかった。
ただ、静かに頭を下げ、屋上へと向かう。

描きたい景色。

顧問の教師の言葉を繰り返す。
あの場所で、描きたい景色。

ーーーーーー私が、描きたい景色…………。

「あ、李亜。堤出してきたの?コンクールに出す絵。」

屋上では、相変わらず笑顔を浮かべた真白が立っていた。
真白の後ろには、茜色の空が広がっている。

李亜は思わず立ち止まった。

……柔らかな笑顔を浮かべた真白は、夕空に溶けて行ってしまいそうだった。



<2016/08/26 23:24 なうか>消しゴム
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