淡い朱色に溶ける黄金色。
街に沈む夕日は、柔らかい光を放っている。
今にも消えてなくなりそうに弱い色彩は、同じ景色を全く別の場所であるかのように錯覚させた。
職員室の前の絵が入れ替わる。
だが、それはまた、同じ生徒による作品だった。
李亜は見上げる。
あたかも当然であるかのように飾られている、自分の絵を。
「…………。」
「木浜さん。」
睨むようにして絵を見上げていた李亜は、声のした方向を見た。
声の主が腕を組んで立っている。
同じ美術部の、美紗だ。
「なんで、部活来ないの?。」
「…………別に。」
「ああでも、コンクールには出すんだね。ちゃっかり。どうせ出すんなら、ちゃんと来たら?。」
美紗は美術部の中でも特に気の強い女子だった。
気に入らないことは、隠さず口に出す。
勿論絵は上手い。
だが、李亜ほど天才的な絵は描けなかった。
「ちょ、美紗ちゃん!?何してるの!?。」
さらに何か言おうと、美紗が口を開いた時だった。
廊下の向こうから美紀が走ってくる。
美紀は美紗の肩に手を置くと、二人の間に入るような姿勢をとった。
「注意してんの。最近弛んでるんじゃない?部室にも来ないくせして、毎回あんたのせいで賞逃すこの気持ちも考えなよ。」
「美紗ちゃん!。」
「毎回同じ絵でさ。ズルしてるとしか思えないんだけど。」
「言い過ぎだよ!やめなって!。」
必死に止めようとする美紀を無視し、尚李亜に向かう美紗。
李亜は睨むような目を背けることなく、小さなため息をついた。
「………………私より実力がないから取れないんでしょ。」
「はあ!?。」
「言っとくけど。」
言い返そうとする美紗を遮り、言葉を続ける李亜。
不機嫌そうな声音は和らがなかった。
「納得いかない駄作をご期待通りにだして結果なんて出ても、嬉しくもなんともないから。文句なら先生に言ったら?私も出さなくて済むしどうぞお好きに。」
そう言うと、李亜は踵を返して歩いて行った。
足音が響く。
美紗は口をぱくぱくと動かすばかりで何も言えないでいた。
「…………李亜…………。」
夕日の絵を前に、美紀の悲しそうな声が、ぽつりと空に吐き出された。
街に沈む夕日は、柔らかい光を放っている。
今にも消えてなくなりそうに弱い色彩は、同じ景色を全く別の場所であるかのように錯覚させた。
職員室の前の絵が入れ替わる。
だが、それはまた、同じ生徒による作品だった。
李亜は見上げる。
あたかも当然であるかのように飾られている、自分の絵を。
「…………。」
「木浜さん。」
睨むようにして絵を見上げていた李亜は、声のした方向を見た。
声の主が腕を組んで立っている。
同じ美術部の、美紗だ。
「なんで、部活来ないの?。」
「…………別に。」
「ああでも、コンクールには出すんだね。ちゃっかり。どうせ出すんなら、ちゃんと来たら?。」
美紗は美術部の中でも特に気の強い女子だった。
気に入らないことは、隠さず口に出す。
勿論絵は上手い。
だが、李亜ほど天才的な絵は描けなかった。
「ちょ、美紗ちゃん!?何してるの!?。」
さらに何か言おうと、美紗が口を開いた時だった。
廊下の向こうから美紀が走ってくる。
美紀は美紗の肩に手を置くと、二人の間に入るような姿勢をとった。
「注意してんの。最近弛んでるんじゃない?部室にも来ないくせして、毎回あんたのせいで賞逃すこの気持ちも考えなよ。」
「美紗ちゃん!。」
「毎回同じ絵でさ。ズルしてるとしか思えないんだけど。」
「言い過ぎだよ!やめなって!。」
必死に止めようとする美紀を無視し、尚李亜に向かう美紗。
李亜は睨むような目を背けることなく、小さなため息をついた。
「………………私より実力がないから取れないんでしょ。」
「はあ!?。」
「言っとくけど。」
言い返そうとする美紗を遮り、言葉を続ける李亜。
不機嫌そうな声音は和らがなかった。
「納得いかない駄作をご期待通りにだして結果なんて出ても、嬉しくもなんともないから。文句なら先生に言ったら?私も出さなくて済むしどうぞお好きに。」
そう言うと、李亜は踵を返して歩いて行った。
足音が響く。
美紗は口をぱくぱくと動かすばかりで何も言えないでいた。
「…………李亜…………。」
夕日の絵を前に、美紀の悲しそうな声が、ぽつりと空に吐き出された。
