入学式の日だった。
一週間前に上陸した台風のせいで、桜の花道は全滅。
その日も灰色の雲が空を覆っていて、過ごしにくい日だった。
なんとなく気分も上がらない。
それでなくとも、李亜は毎日のように不機嫌そうな表情だった。
友達と別れ、帰路につく。
途中、立ち止まって写真を撮る新入生もいた。
(…………嫌な日。)
灰色の空を見上げ、心に浮かんだ言葉はそれだけだ。
とても、入学したての新入生のする表情とは思えない。
李亜は眉間に皺を寄せ、早足で自宅へと足を進めた。
「………………あ、ストップ!。」
「っ、!?。」
ぐいっ
李亜は勢いよく後ろに引き戻される。
突然のことに、目を見開いて固まってしまった。
「ごめんごめん。大丈夫?いや、君が歩こうとした先にテントウムシがいたから。」
「………………。」
透明感のある、聞き取りやすい声だった。
それでいておっとりしていて、声からして危なっかしい印象を持つ。
李亜はゆっくり顔を上げ、自分の肩を掴んだままのその人物をぽかん、と見つめた。
白い肌に、細い体。一見、病気なのではないかと勘違いしてしまいそうになる。
「いきなりごめんね。」
そう言った真白は、初対面にも関わらず、人懐っこい笑顔を見せた。
白い、消えてしまいそうな姿。
-------------------------これが、李亜と真白の出会いだった。
一週間前に上陸した台風のせいで、桜の花道は全滅。
その日も灰色の雲が空を覆っていて、過ごしにくい日だった。
なんとなく気分も上がらない。
それでなくとも、李亜は毎日のように不機嫌そうな表情だった。
友達と別れ、帰路につく。
途中、立ち止まって写真を撮る新入生もいた。
(…………嫌な日。)
灰色の空を見上げ、心に浮かんだ言葉はそれだけだ。
とても、入学したての新入生のする表情とは思えない。
李亜は眉間に皺を寄せ、早足で自宅へと足を進めた。
「………………あ、ストップ!。」
「っ、!?。」
ぐいっ
李亜は勢いよく後ろに引き戻される。
突然のことに、目を見開いて固まってしまった。
「ごめんごめん。大丈夫?いや、君が歩こうとした先にテントウムシがいたから。」
「………………。」
透明感のある、聞き取りやすい声だった。
それでいておっとりしていて、声からして危なっかしい印象を持つ。
李亜はゆっくり顔を上げ、自分の肩を掴んだままのその人物をぽかん、と見つめた。
白い肌に、細い体。一見、病気なのではないかと勘違いしてしまいそうになる。
「いきなりごめんね。」
そう言った真白は、初対面にも関わらず、人懐っこい笑顔を見せた。
白い、消えてしまいそうな姿。
-------------------------これが、李亜と真白の出会いだった。
