おためし小説投稿

登録一切不要で小説投稿!
文字サイズ変更 
涙星~ずっとキミの傍で~
- ー捨て猫ー -

「だって、しぃ、捨て猫みたいな目をしてるんだもん。だから、オレが飼い主になったげる。」
無邪気な笑顔で、そういう、彼方さんに呆れた目を向ける。
「だから、寂しくなったらまたここにおいで。

オレは仕事するから、帰りたい時間に帰りな。」

そう言うとデスクに向かって、またキーボードを打ち込み始める。
真剣な顔で仕事をしてる彼方さんに、声をかけようと迷ったが、やめた。
黒がモチーフのベッドにごろりと転がる。
白と黒がベースのこの部屋。
柔らかい笑顔のあの人

何故だかすごく落ち着いた。
あの家に来てから、ずっと眠れなかったはずなのに、不思議と睡魔が襲ってくる。
体を丸めて目を閉じた。




次に目を開けたのは、辺りはもう真っ暗の時間帯。
「......あ、しぃ。おはよ。そろそろ帰る?」

寝ぼけた目を擦りながら、こくりとうなずく。
「送ってくよ。あと、彼方さんじゃなくて透ね、とおる。」
「......透。」

「いい子。」
ニコニコと頭を撫でてくれる。
彼に頭を撫でられると、とてもくすぐったくなる。
......気持ちいい。

ドアを閉めるとオートロックで閉まる。
「家どっち?」
そう聞かれたから、家の方向を指差した。

会話のないまま、家の近くまで来る。
「......ここまででいい。」
そうボソッと呟く。
透はゆっくり振り返り、
「ん?そう?じゃあね、またおいで。」
最後にそう言うと、頭をまた撫でる。














<2016/06/04 22:02 ラジカル>消しゴム
Copyright(C) おためし小説投稿 Since2013 All Rights Reserved.